#17
停滞する思考に一石を投じる苦言
声にできない本音を言葉に…
何かと生きづらい世の中で、思ってはいても言葉にできない声がある。
感じていても声にするのが憚られる言葉がある。
それは耳障りが悪く、心地良い言葉ではないのかもしれない。
だが言葉にされて、はじめて気づくこともある。
本稿で取り上げる言葉は、ひとつ間違えれば暴言とも受け取られかねないものだ。
しかし何かを変えるためには、声に、言葉にしてより多くの人に考えてもらうべきだろう。
本稿が停滞する思考覚醒へのキッカケとなることを切に願う。
クゼ・ヒデオ(『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』より)
アニメ『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』第25話「楽園の向こうへ」でのヒトコマ。
クゼと邂逅を果たす草薙、そして茅葺の救出に成功する荒巻──
事態は収束に向かうかと思われた。
だが、タチコマが掴んだ情報は、9課の動きが未だにゴーダの予想の範疇を出ていないことを示していた。
自分では何も生み出すことなく
何も理解していないのに
自分にとって都合のいい情報を見つけると
いち早くそれを取り込み
踊らされてしまう集団
ネットというインフラを食い潰す
動機なき行為が
どんな無責任な結果をもたらそうとも
何の責任も感じない者たち
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マスコミが権力に阿り、政治への不満がネット上にしか溢れない現在。
政治家の悪政、失言、失態を見つけ出しては批判、追及を繰り返す著者もまた、ネットというインフラを食い潰しているだけなのか…。
ただし、動機はあると自負している。
今や衰退の一途を辿り、他国からの無言の侵略を受けているこの国の国民として、なんとかしたい気持ち。
他民族排除を謳うような民族意識なんて持ち合わせちゃいないが、日本人として生まれたからには、日本人の誇りを持ち続けたい。
自らの欲望のために美しき日本を切り売りするような売国奴政治家どもから、この国を護りたい。
言い訳に聞こえるかもしれないが、これは著者にとっての動機に他ならない。
ならばネットというインフラを食い潰す者とは、どんな人間なのだろう。
この国の腐敗には目もくれず、著名人のゴシップには目くじらを立てる者たち？
他人の迷惑を考えることなく傍若無人な振る舞いをするインフルエンサーと、それを煽りPV稼ぎに加担する者たち？
匿名の誹謗中傷を繰り返し、他者を死に追い込む者たち？
それとも事実を隠匿し、政治家どもの権力維持に加担し続け、情報に踊らされてしまう集団を生み出し続けるマスコミこそが、諸悪の根源なのか。
便利な道具はそれを扱う人間によって善にも悪にもその姿を変える。
いくらネットが世界を変えようとも、扱う人間が変わらなければ何の進歩ももたらさない。
ネットの普及で本能の赴くままに発言するようになった人類は、他人への思いやりや理性を失った分だけむしろ退化しているように思う。
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