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ioritorei’s blog

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【停滞する思考に一石を投じる苦言『シルヴィア・シャーウッド(アニメ「SPY×FAMILY」より)』】声にできない本音を言葉に…。#76

 

#76

停滞する思考に一石を投じる苦言

 

 

 

 

 

 

 

 

声にできない本音を言葉に…

 

 

何かと生きづらい世の中で、思ってはいても言葉にできない声がある。

感じていても声にするのが憚られる言葉がある。

それは耳障りが悪く、心地良い言葉ではないのかもしれない。

だが言葉にされて、はじめて気づくこともある。

本稿で取り上げる言葉は、ひとつ間違えれば暴言とも受け取られかねないものだ。

しかし何かを変えるためには、声に、言葉にしてより多くの人に考えてもらうべきだろう。

本稿が停滞する思考覚醒へのキッカケとなることを切に願う。

 

 

 

シルヴィア・シャーウッド(アニメ「SPY×FAMILY」より)

 

 

アニメ『SPY×FAMILY』MISSION:41「スキャンダルの裏側 / インペリアル・スカラーへの道」でのヒトコマ。

東西交流イベントのため西国ウェスタリスに訪問予定だったオペラ界の巨匠・ウェルマンに、不倫や差別発言等のスキャンダルが発覚。

さらに劇場へ殺害予告が届き、〈WISE〉(ワイズ)はシルヴィアの指示で対策を練ることに。

 

 

楽して答えを得ようとするな

ど新米

 

自分の頭で考え続けろ

 

 


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そろそろ気付いてもいいだろう?

ただ考えるだけでは足りないということに。

いくら考えているといっても、固定観念を捨てられなければ辿り着く答えはいつも同じ。

それでは考えていないのと変わらない。

それでは意味がない。

「考え続ける」というのは、思考が凝り固まってしまってないか常に自ら問い続けること。

昨日の最善が、今日の最善とは限らない。

最善とは、常に変わっていくものだ。

だから「考え続ける」のだ。

考え続けなければならないのだ。

考えているふりはもうやめよう。

 

 

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【歴史の闇に葬られた真実】女砲兵隊長「新島八重」。

 

歴史の闇に葬られた真実

 

 

新島八重

 

 

 

 

 

 

 

歴史は勝者によってつくられる

 

 

我々がよく知る歴史の記述は、必ずしも客観的な事実の記録ではなく、勝者の視点や都合の良いように解釈・再構成されることが多い。

歴史は、過去の出来事を単に記録するだけでなく、その出来事をどのように解釈し、どのように伝えるかによって、人々の認識や価値観を形成する力を持つ。

そのため、勝者が自らの正当性や優位性を強調するために、歴史を都合よく書き換えることがあるのだ。

たとえば戦争や革命などの歴史的な出来事では、勝者が自らの行為を正当化し、敗者を悪として描くことで、自らの立場を強化しようとすることがある。

また、国家の成立や発展の過程でも、建国の英雄や偉人たちの物語を美化し、都合の悪い事実を隠蔽することがある。

このことから歴史の解釈や記述において、権力や支配者の影響がいかに大きいかがよくわかる。

だが歴史の解釈はひとつではない。

歴史を鵜呑みにしていいのか?

勝者の言い分は、本当に正しいのか?

教科書に書かれたことを疑うことで、初めてみえてくるものがある。

そのためには、敗者や弱者の視点から歴史を再考することが肝要だ。

歴史を多角的に捉え、様々な視点から検証することで、より客観的な歴史認識に近づくことができる。

 

 

 

勝者=善と単純に結びつけてしまう思考の危険性

 

 

特に中学・高校の日本史の教科書は政治史が中心で、必然的に勝者の歴史が描かれ、それが日本史の流れとして理解される。

勝った側が善とされ、敗者は悪とされることで、結果的に「正義は勝つ」と教え込まれる。

勝者が善で、敗者が悪という歴史観の極致が「征伐」という言葉である。

たとえば豊臣秀吉の天下一統の流れを追う時、無意識のうちに四国征伐九州征伐小田原征伐、さらに朝鮮征伐という言い方がされてきた。

これは敗者は悪とされ、悪人だったために、正義、すなわち勝者によって滅ぼされたという論理の組み立てで、勧善懲悪という考え方を深くすり込まれてきた。

そのせいで、現代日本人は多角的な考え方が苦手になってしまったように思えてならない。

勝者=善という決めつけは、思考の柔軟性を奪ってしまう。

敗者=悪という決めつけが、同調圧力を生み出す。

敗者にも成したことがあり、言い分だってあるのだ。

固定観念ほど怖いものはない。

歴史の闇に葬られた真実に目を向けることで、固定観念にとらわれない、柔軟な思考を手に入れる。

本稿がその一助になれば幸いだ。

 

 

 

ハンサム・ウーマンが唯一恐れたもの

 

 

2013年の大河ドラマ『八重の桜』の主人公といえば、新島八重である。

旧姓は山本。

会津藩砲術家で軍制改革を主導していた山本覚馬を兄に持つ女性で、後にキリシタンである新島襄と結婚。

彼とともに現在の同志社大学設立に尽力し、晩年は赤十字活動など社会福祉活動に熱心に取り組んだ。

日清・日露戦争では、篤志看護婦として戦地に赴いた女傑である。

そんな妻に対し夫は「ハンサム・ウーマン」とニックネームをつけたが、男女平等をモットーとする彼女の思想は、世間に受け入れられず陰では悪妻と囁かれていた。

そんな彼女のもうひとつのニックネームが「会津ジャンヌ・ダルク」だ。

幼い時から、女子の嗜みとされたお針稽古よりも鉄砲の稽古を好み、少年兵に砲術を指導。

ついには戊辰戦争の中でも最大の激戦とされる会津戦争において、戦場の最前線に立っているのだ。

八重は会津戦争が始まると、鳥羽伏見の戦いで戦死した弟・三郎の装束を身に着け、生死不明とされていた兄・覚馬の身代わりにと自ら会津若松城に入城する。

城内での呼び名は「三郎さん」。

入城間もなく、邪魔という理由で断髪までしているから凄まじい。

ちなみにそれを手伝ったのが、後に新選組斎藤一と結婚する高木時尾だった。

本来、入城した女性たちに与えられる役目は食事の手配や負傷兵の看護、弾薬の製造といったものだった。

ところが銃の腕前を見込まれた八重は、小銃隊の一員として最新式7連発スペンサー銃を担ぎ、戦列に加わった。

ついには単身での夜襲を試みようとするほどの猛女ぶりを発揮し、戦争中は2発の弾丸を食らっている。

そして新政府軍の総攻撃がはじまって4斤砲が撃ち込まれると、主君・容保の前でその砲弾を分解し、周囲に構造や破裂の仕組みなどを説明までしてみせた。

そんな彼女でも、唯一恐れたものがあった。

それは厠(トイレ)。

なにも男に囲まれた戦場で、女性ひとりでトイレに入ることが怖かったわけではない。

用を足している時に砲撃され、あられもない姿で死体となってしまい、それが衆人の目に晒されることだけを恐れていたのだ。

死を覚悟した女性の強さを見せつけた会津女性は、八重だけではない。

実はこの時会津城には「ハンサム・ウーマン」だけではなく、日本人初の大卒女性となった山川捨松もいた。

11歳で津田梅子(言わずと知れた津田塾大学創始者)らと共に官費でアメリカに留学。

彼の地で大学を卒業したのだ。

後に大山巌(明治期を代表する陸軍元帥)の妻となって「鹿鳴館の華」と称されることになるのだが、会津戦争時はわずか8歳であった。

未来の夫・巌は敵方の薩摩藩にあって城に砲弾を送り込んでいたというのだから、不思議な縁である。

八重や捨松のように、城内で悲惨な体験をした女性も多かったが、城外でも悲劇は起こっていた。

その代表が、いわゆる娘子隊である。

この面々は、城内に入るキッカケを失い、やむなく白兵戦を繰り広げた女性だけの戦闘部隊だ。

中野竹子・優子姉妹や、神保雪子といった名前が著名だが、彼女たちの死に様は悲惨のひと言であった。

城下近くの柳橋で新政府軍と遭遇した娘子隊。

手にした薙刀で応戦するが、そのうちに竹子の胸を新政府軍の銃弾が襲った。

手にした薙刀には辞世の句が結ばれていたという話もある。

優子は姉に辱めを受けさせないために即座に首を斬り、姉の首級を手に仲間と退く。

雪子は奮戦むなしく敵兵に捕えられ、辱めを受けるよりはと自害した。

生き残った娘子隊は鉄砲を持った足軽たちに救出されて城内に逃げることができたが、白虎隊と同じく特筆されるべき悲劇だったことは間違いない。

娘子隊ではなくても事情は似たようなものだ。

政府軍が迫ってくると、城下町の人々は城に殺到したが「足手まといにはならぬ」と自宅で自害する女性も続出していた。

ひとつの家に集まり、集団自刃するケースもあった。

せっかく城に来ても入城できない場合は避難を迫られたが、それを潔しとせずに自刃した者も多数いる。

そして城下では敵兵に捕まり、暴行され捨てられた女性の死体も転がっていた。

城内に入ることができて、後方支援にあたっていた女性たちも敵から砲弾が城中に撃ち込まれれば、「焼玉押さえ」という任務を買って出た。

濡れた布などを砲弾に被せて爆発を防ぐという、非常に危険な任務であり、失敗して爆死する女性も多かった。

阿鼻叫喚の地獄絵図の中で、粉塵に塗れた会津女性たちは「明日は我が身」と死を覚悟して、自刃用の懐刀を忍ばせていた。

そして降伏の日まで、男勝りの活躍を続けていたのだ。

 

 

新島八重ハンサムな女傑の生涯

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これってカバー曲だったの?【WAになっておどろう / V6 (1997年)】「愛なんだ」と並ぶV6の代表曲のひとつ。

 

ずっとオリジナルだと思っていた名曲

WAになっておどろう / V6 (1997年)

 

 

「愛なんだ」と並ぶV6の代表曲のひとつ

 

 

 

 

 

 

 

「WAになっておどろう / V6 (1997年)」とは

 

 

1997年7月9日にV6が発売したシングル「WAになっておどろう」

セールスは52万枚で、「愛なんだ」に次ぐ二番目のヒット曲となった。

ちなみにCD発売当時はリーダーの坂本昌行氏が脚を骨折してしまったため、リアルタイムでは坂本氏のみ座りながらの披露となった。

V6は2014年のNHK紅白歌合戦でもこの曲を披露。

おなじ事務所のTOKIOや後輩グループ達も、このカバーバージョンをカバーしている。

なお、1997年8月13日に発売されたV6の2ndアルバム『NATURE RHYTHM』に収録されている。

 

 


www.youtube.com

 

 

パンフレット V6 1997 「WAになっておどろう」

パンフレット V6 1997 「WAになっておどろう」

 

 

 

オリジナルは覆面バンド「AGHARTA」

 

 

みんなのうた」の5分枠を1曲でフルに使った初めての楽曲。

幅広い年代の人が楽しめるよう、どんなテンポでも踊れる曲になっており、みんなのうた公式の振り付けも紹介されている。

なお、1997年5月21日に発売されたAGHARTAのシングルCDではタイトルが「ILE AIYE〜WAになっておどろう〜」となっていて、 1曲目に「WAになっておどろう〜イレ アイエ〜」(NHK みんなのうた VERSION)、2曲目に「ILE AIYE〜WAになっておどろう」が収録。

それぞれアレンジが異なる(1曲目はテレビ放映用編集テイク、2曲目が通常シングル曲)。

サブタイトルの「イレ アイエ」はヨルバ人(ナイジェリアの主要民族のひとつ)の言葉で「魂の家」という意味。

ちなみに覆面バンド「AGHARTA」とは、シンガーソングライター・角松敏生氏と名うてのスタジオミュージシャンが、自身の名前を隠して結成した新人インディーズバンド(だったが、ソッコーで身バレした)。

ちなみに、角松氏は「長万部太郎」名義(由利徹のギャグが由来)を使用している。

 

 


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ILE AIYE ~WAになっておどろう~

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日本人のDNAに訴えかける名曲

 

 

冒頭の歌詞の「うじゃけた」に、多くの人が心を掴まれたハートフルな楽曲。

ちなみに「うじゃけた」とは、態度や身なりがだらしなく崩れている様を指す言葉だが、一部の国語辞典しか載っていない。

ただ『精選版日本国語大辞典』では「うじゃじゃける」として載っており、江戸時代から用例のある古い語であることがわかる。

日本人のDNAに刻まれた古い言葉。

なるほど、だから多くの日本人の心に刺さったのか。

「WAになっておどろう」がカバー曲だったのは驚きだが、それよりもっと興味を惹かれたのは角松敏生氏の別名義についてである。

大物アーティストの別名義って、なんでこういうテイストの名前が多いのだろう。

別名義として一番有名なのは松任谷由実さんの 呉田軽穂だろうか。

呉田軽穂は、松任谷由美さんが他のアーティストに楽曲提供する際に使用されるペンネームで、ハリウッド女優である「グレタ・ガルボ」のもじりらしい。

由来がわかればどうということもないのだが、知らない人にとってその発音には違和感が残る。

だが別名義での活動は、それまでのイメージに捉われない。

角松敏生氏といえば「You're My Only Shinin' Star」の歌い上げソングライターというイメージが非常に強い。

「WAになっておどろう」のように、イメージとは違うポップな楽曲を披露するには、たしかに別名が必要だったのかもしれない。

残念ながらソッコーで身バレしたのはご愛嬌。

 

 


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【ショートアニメ『象の背中 -旅立つ日-』】「残された時間をどう生きるべきか?」を深く考えさせられる名作短編アニメ。

 

ショートアニメ

象の背中 -旅立つ日-

 

 

「残された時間をどう生きるべきか?」を深く考えさせられる名作短編アニメ

 

 

 

 

 

 

 

 

ショートアニメ『象の背中 -旅立つ日-』とは

 

 

象の背中 -旅立つ日-』は、秋元康氏の小説象の背中を元に、秋元氏による原作・企画・プロデュースでアニメーション作家の城井文が制作した作品で、アニメーションが制作・発売されたのちに、同じ内容・同じ絵の絵本が発売された。

その後、原作にない続編として後日談の『続・象の背中 -バトンタッチ-』が制作され、こちらもほぼ同じ制作陣でアニメーションと絵本で発売された。

このことから秋元氏のクレジットは、『旅立つ日』では原作、『バトンタッチ』では作となっている。

原作での人間の家族をゾウの一家に置き換えて物語は進み、原作での「病に倒れる父」は「神様が迎えにくる日」など、全体的に柔らかな表現に置き換えられているのがこの作品の特徴。

主題歌はJULEPSの「旅立つ日〜完全版」

 

 

象の背中 -旅立つ日-』

 

旅立つ日 完全版~象の背中(初回盤)(DVD付)

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『続・象の背中 -バトンタッチ-』

 

続・象の背中~バトンタッチ~ [DVD]

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あらすじ

 

 

『旅立つ日』

 

ある日、ゾウの父親は神様に「命に終わりがくる日」を告げられる。

そして空の上から家族を見守りながら、家族への感謝の気持ちを綴る。

 

 


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『バトンタッチ』

 

旅立ってから20年後、娘の結婚式。

父親は娘が嫁いでいく姿を見守りながら、愛しい娘への感謝の気持ちを綴り、生前に用意していたプレゼント(メッセージ)を母親が代わりに娘に渡す。

 

 


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主題歌

 

 

象の背中 -旅立つ日-』

 

  • 「旅立つ日〜完全版」

作詞:秋元康、作曲:井上ヨシマサ、編曲:JULEPS / Papa Daisuke、歌:JULEPS、演奏:口笛太郎Duo

 

 


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旅立つ日~完全版

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『続・象の背中 -バトンタッチ-』

 

  • 「バトンタッチ」

作詞:秋元康、作曲:杉山勝彦、編曲:JULEPS / 吉川慶、歌:JULEPS

 

 


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バトンタッチ

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残された時間をどう生きるべきか?

 

 

繊細で温かみのある絵柄は、一見すると子供向けかと思われがちな本作。

しかし死を目前にした家族の愛情や葛藤を描いた物語は、むしろ歳を重ねた大人の心にこそ深く響く作品である。

ただ人生の終わりを迎える複雑な人間の思いを優しいタッチの動物キャラクターに置き換えたことで、テーマの重さ和らげ感情移入がしやすくなっている。

メメント・モリ

ここ1〜2年の間に多くの身近な死と接したことで、自らの人生の仕舞い方について深く考え出した著者にとっては、非常に考えさせられる作品である。

映像はもちろん、映像とリンクした天才・秋元康氏の詞が胸に深く刺さる。

 

 

いつかは誰もみな 迎えが来ると

わかっていたはずなのに 他人事のようで…

(「旅立つ日〜完全版 / JULEPS」)

 

 

想像しただけで哀しくなるから、考えることさえしなかった。

死は誰にでも平等に訪れるのに、そこから目を背け続けていた。

死はテレビや映画のだけの遠くにあるもので、自分の時間だけは永遠に続くものだと勝手に思い込んでいた。

まるで他人事。

だから、いざその時が来ると思い浮かぶのは後悔ばかり。

 

 

一番近くの大事な人よ

しあわせだったか? それが気がかり

(「旅立つ日〜完全版 / JULEPS」)

 

 


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話したいことがもっとあったのに。

してあげたいこと、してあげられることがたくさんあったのに。

どうして、あの時もっと…。

今さらの後悔。

幸せだった?

言葉でならどうとでも言える。

結局本音は最期までわからずじまいーーー。

本作の死をテーマにした作品だ。

だがその核心には、死とは真逆のテーマが存在している気がする。

幸か不幸か、ゾウの父親は神様に「命に終わりがくる日」を告げられ余命を知ることができた。

残り時間を知れたことで、これまでの人生(ゾウ生?)を顧みることができた。

残された時間を。

これからを、どう生きるか。

人生の仕舞い方について、考えることができた。

このことこそ、本作の核心ではないだろうか。

死は誰にでも平等に訪れる。

ただ、早いか遅いかの違いがあるだけだ。

死は常に傍らにあって、だけどいつ訪れるのかはわからない。

でも、いつかは必ず訪れる最期の時。

ならばいつ終わりが来てもいいように、一日一日を大切に生きよう。

本作には、そんな前向きなメッセージが込められているのではないだろうか。

どうしても死にはネガティブなイメージがつきまとう。

それはきっと、死が自分ひとりだけのものでないから。

 

 

もしも僕がいなくなったら

最初の夜だけ泣いてくれ

君と僕が過ごした歳月を

思い出しながら見送って…

(「旅立つ日〜完全版 / JULEPS」)

 

 

残された側の哀しみは、言葉で簡単には言い表せない。

それでも人は生きていく。

生きていかなくてはならない。

唯一それが、残された者のできることだから。

でも、毎日あなたのことを思い出すよ。

あなたとの思い出を胸に今日を生きる。

 

 


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【停滞する思考に一石を投じる名言・苦言集〈vol.5〉】常に無知を知り、常に気づきを求めよう。

 

停滞する思考に一石を投じる名言・苦言集〈vol.5〉

 

 

常に無知を知り、常に気づきを求めよう

 

 

 

 

 

 

 

考えて、自分の頭で

 

 

社会はどうあるべきか。

人はどう生きるべきか。

なぜ電気は家に届くのか。

米の値段は誰が決めるのか。

自分が無知であることにさえ気づかずに、せっかく指摘されても認めない。

自分は無知なのだ。

何にも知らないのだ。

足りないことを自覚して、だからどうしてそうなったのかを考える。

自分の頭で考える。

「調べればすぐにわかるさ」ではなく、自分の頭で必死に考える。

物事には、そうなった根拠が必ずある。

そうなる理由が必ずある。

理由も考えずただただ結果のみを唯々諾々と飲み込んできた結果、思考を止めてしまった現代日本人。

得られた、もしくは与えられた結果には改善の余地がある。

そんなことにさえ気づかずに、その可能性すら考えようともしない。

考えて。

自分の頭で。

恥じることなく、己の無知を認めよう。

常に無知を知り、常に気づきを求めよう。

 

 

 

停滞する思考に一石を投じる名言・苦言集〈vol.5〉

 

 

ベルトーチカ・イルマ(コミック「機動戦士Ζガンダム デイアフタートゥモローカイ・シデンのレポートより―」より)

 

私はね!!

 

人の言う事を鵜呑みにして

世界を分かったようなフリをする人間が

今というこの時代の

一番の元凶だと言っているの!!

 

物事がよく見える人間からしてみたら

きっと見えていない人達の行動が

とても愚かに映っているのでしょうね…

 

逆に

見えてない人間は

他人の意見に耳を傾けようとしないから

見ようともしない

 

だから

いつまでも自分の愚かさに気がつかないのよ…

 

そしてそれを他人に指摘されると

反発し排除しようとする…

 

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冴島優佳(ドラマ「民王R」より)

 

いいか よく聞けよ

永田町の政治家ども

 

政治っていうのは

膨大な貸し借りかもしれない

 

しがらみに噛んで絡んで

がんじがらめなのかもしれない

 

だけどそれで

理想も語れなくなってどうすんだよ!?

 

そんな国で

国民はどうやって希望を持てばいいんだよ!?

 

だから武藤泰山…

まずはお前から語れ!

 

総理大臣になるんだか

ならねえんだか知らねえけど

 

まずはお前がこの国の未来を語って

国民に希望をみせてみろよ!!

 

それが

そんなのが綺麗事だって言うなら…

 

そんなの綺麗事だって言うんなら

それはそれで結構!

 

理想を語る奴がいる

そんなの無理だって奴がいる

 

じゃあ

どうしたらいいんだろうね?

 

どうしたら綺麗事を少しでも現実に出来るんだろうね?って

 

徹底的に

話し合って話し合って話し合うのが

民主主義ってやつだろ!?

 

そのひと言目で政治家が!

総理大臣が

しがらみだ忖度だで

口閉ざしてどうすんだよ!?

 

それが今の日本なら…

今の民政党なら

 

そんな政党潰れちまえよ!!

 

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池神静夫警察庁長官(映画「踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!」より)

 

(警察官僚:総選挙も近いですし…)

 

室井慎次警察庁長官官房審議官(警視監):長官!

政治的判断を優先するために現場を無視することは…

あってはならないことかと

 

最終的には政府与党の判断だ

 

勉強になるだろ

 

この部屋に正義はないよ

 

あるのはそれぞれの立場の都合だけだ

 

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久能整(映画「ミステリと言う勿れ」より)

 

"女の幸せ" とかにも騙されちゃダメです

 

それを言い出したのは

多分おじさんだと思うから

 

女の人から生まれた言葉じゃ

きっとない

 

女性をある型にはめたるために

編み出された呪文です

 

だって "男の幸せ" って言い方は

されないでしょ

 

片方だけあるのは

やっぱりおかしいんですよ

 

ただのおじさんの意見や感想が

自然の摂理や事実みたいに言われてしまってるんです

 

赤峰ゆら:たしかに

"女は愛嬌" "女の武器は涙" "女の友情は脆い"

どれもこれも男の感性か願望でしかないもんね

 

はい

 

世の中に残っているそういう言葉は

おじさんが言ったものがほとんどで

 

おじさんの趣味と都合が隠されている

 

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森川イクミ(アニメーション映画「ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜」より)

 

この会社には

ビジョンとプランがない

 

あるのは昔の思い出と

足の引っ張り合いだけ

 

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有馬かな(アニメ「【推しの子】」より)

 

SNSは有名人への悪口を可視化

 

表現の自由と正義の名の下

毎日のように

誰かが過剰なリンチに遭ってる

 

みんな

自分だけは例外って思いながら

しっかり人を追い込んでるのよ

 

何の気なしな独り言が

人を殺すの

 

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久能整(映画「ミステリと言う勿れ」より)

 

僕はアメリカの刑事ドラマをよく見るんですが

 

刑事が犯人を殺したり

逆にひどい目に遭ったりした時

必ずカウンセリングを受けさせられてる


カウンセラーのOKが出ないと

仕事に復帰できないんです


それって多分

人の弱さを認めてるからだと思う

 

人は弱くて

壊れやすくて

 

病むことも

倒れることもある

 

それが当たり前だと

 

だから修復する

治そうと思う

 

それができると信じてる

 

翻って日本では弱さを認めない

 

弱い者は負けで

壊れないのが正しい

 

壊れたら退場で

悩むことすら恥ずかしい

 

相変わらず根性論です

 

弱くて当たり前だと誰もが思えたらいい

 

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御上孝(日曜劇場「御上先生」より)

 

そんな簡単にみえるものを

 

闇とは呼ばない

 

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BPO(「いい番組って?」ラジオ版<2023>より)

 

とある番組をみて

笑う人たちがいた

 

同じ番組をみて

泣く人たちがいた

 

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御上孝(日曜劇場「御上先生」より)

 

原爆を肯定する言葉が載っている教科書がある

 

なぜならそれは

その国の正義だからだ

 

同じように

人や国の数だけ正義があるんだ

 

自分の正義だけが通ると信じていたら

誰とも話はできないよ

 

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思考し試行する

 

 

批判的思考(クリティカルシンキング)。

物事や情報を無批判に受け入れるのではなく、多様な角度から検討し、論理的・客観的に理解すること。

物事の本質を見極めるために、多角的な視点から論理的に考える思考法である。

思い込みや既成概念にとらわれず、客観的に分析・評価し、当たり前とされていることも疑いながら考える。

批判的思考を持つことで得られるものは大きい。

様々な視点から検討することで、表面的な情報だけでなく、問題の本質的な原因を特定するのに役立ち、誤った情報や誤解に基づいた判断を避け、より正確な問題解決に繋げる。

複数の視点から情報を分析するから感情や先入観に捉われず、客観的な事実と論理に基づいて判断を下せるようになる。

批判的思考によって、相手の立場を考慮しつつ、自分の考えを明確に伝え、理解を深めることもできる。

考えることを放棄し、起きている物事に何の疑問を持たない現代日本人に今、批判的思考は最も必要なスキルなのである。

ここで挙げた名言・苦言が思考を刺激し、批判的思考スキル習得の一助になれば幸いに思う。

 

 

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これってカバー曲だったの?【Change the World / Eric Clapton (1996年)】 ベイビーフェイスがプロデュースしてエリック・クラプトンが歌った大ヒットラブソング。

 

ずっとオリジナルだと思っていた名曲

Change the World / Eric Clapton (1996年)

 

 

ベイビーフェイスがプロデュースしてエリック・クラプトンが歌った大ヒットラブソング

 

 

 

 

 

 

 

「Change the World / Eric Clapton (1996年)」とは

 

 

「Change the World」(チェンジ・ザ・ワールド) は、1996年のジョン・トラヴォルタ主演映画フェノミナン』サウンドトラックに収録されたエリック・クラプトンの大ヒットチューン。

R&Bプロデューサーで、当時グラミー賞の常連であったベイビーフェイス(Babyface)が、大御所ロック・ミュージシャンをプロデュースしたことで話題となり、楽曲の美しさもあって、シングルは大ヒットした。

本作はグラミー賞の最優秀レコード賞・最優秀楽曲賞・最優秀ポップ男性ボーカル賞を受賞し、RIAAが選んだ世紀の歌では270位にランクされている。

 

 


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Change the World

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Change the World

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オリジナルはワイノナ・ジャッド

 

 

アメリカのミュージシャンであるトミー・シムズ、ゴードン・ケネディ、ウェイン・カークパトリックによって制作された「Change the World)」(チェンジ・ザ・ワールド)を最初にリリースしたのは、アメリカの女性カントリーシンガーであるワイノナ・ジャッド。

ワイノナ・ジャッドは1983年、母のナオミ・ジャッドとの親子デュオ「ジャッズ(The Judds)」を組んでデビュー。

1991年ジャッズ解散後、ワイノナはカントリー歌手としてソロで、20枚以上のシングルに加えて、多くのアルバムをリリースした。

彼女の最初の3枚のシングルは「She Is His Only Need」「I Saw the Light」「No One Else on Earth」であった。

「Only Love」(1993年)や「You Be Loved You」(1996年)と同様に、3枚ともアメリカのシングルチャートで連続して1位に。

彼女のアルバムのうち3枚は、RIAAによってプラチナ以上の認定を受けている。

「Change the World)」(チェンジ・ザ・ワールド)は、そんな彼女が1996年2月にリリースしたアルバム『Revelations』に収録されている。

アルバムは全米アルバムチャートで最高9位を記録するなどヒットしたが、残念ながらこの曲はシングルカットされなかった。

 

 


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これってカバー曲だったの?

 

 

ロック・ミュージック史上にその名を深く刻むCreamの創設メンバーのひとりにして、今なお高い人気を誇るエリック・クラプトン

クラプトンが歌った「Change the World)」(チェンジ・ザ・ワールド)は日本での人気も高く、この曲はクラプトンの代表曲のひとつとして認知されている。

おまけにR&B界の敏腕シンガー・ソングライター/プロデューサーとして、1980年代後期から頭角を現したベイビーフェイスとのデュエット・ナンバーであるこの曲。

売れないわけがない。

当然クラプトンの作詞作曲、もしくはベイビーフェイスとの共作&共演曲と思われがちだ。

しかしクラプトンにしてはやけに優しく柔らかなメロディだと思っていた。

まさか本作がカバー曲で、まさかオリジナルを歌ったのが女性カントリーシンガーだったとは。

歌詞にある "Star" "Sun(light)" "King" "Queen" "Fool" "Love(rs)" そして "World"…。

この曲に出てくるキーワードは、タロットカードの中のラッキーアイコンたち。

歌詞がやたらロマンチックすぎて、クラプトンっぽくない。

だが、ラブソングにこういうキーワードを持ち込める感性は嫌いじゃない。

なるほど、本作が売れた要因のひとつは、ロマンチックな楽曲とクラプトンとのギャップ萌えだったのかもしれない。

カバー曲だというのにオリジナルと同年リリースというのは、なんだか大人の事情が隠されていそうでモヤっとする。

だが、こうしていろいろわかってくるとオリジナルにも興味が向く。

こんな素晴らしい楽曲を最初に世に出したアーティストのことを、もっとよく知りたくなる。

素敵なアーティストとの出会いは、何にも変えがたい歓びのひとつだ。

これを機にオリジナルを歌ったワイノナの楽曲を聴き漁ってみようと思う。

 

 


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【歴史の闇に葬られた真実】「吉良上野介」が悪者として語り継がれるようになった奇妙な経緯。

 

歴史の闇に葬られた真実

 

 

吉良上野介

 

 

 

 

 

 

 

歴史は勝者によってつくられる

 

 

我々がよく知る歴史の記述は、必ずしも客観的な事実の記録ではなく、勝者の視点や都合の良いように解釈・再構成されることが多い。

歴史は、過去の出来事を単に記録するだけでなく、その出来事をどのように解釈し、どのように伝えるかによって、人々の認識や価値観を形成する力を持つ。

そのため、勝者が自らの正当性や優位性を強調するために、歴史を都合よく書き換えることがあるのだ。

たとえば戦争や革命などの歴史的な出来事では、勝者が自らの行為を正当化し、敗者を悪として描くことで、自らの立場を強化しようとすることがある。

また、国家の成立や発展の過程でも、建国の英雄や偉人たちの物語を美化し、都合の悪い事実を隠蔽することがある。

このことから歴史の解釈や記述において、権力や支配者の影響がいかに大きいかがよくわかる。

だが歴史の解釈はひとつではない。

歴史を鵜呑みにしていいのか?

勝者の言い分は、本当に正しいのか?

教科書に書かれたことを疑うことで、初めてみえてくるものがある。

そのためには、敗者や弱者の視点から歴史を再考することが肝要だ。

歴史を多角的に捉え、様々な視点から検証することで、より客観的な歴史認識に近づくことができる。

 

 

 

勝者=善と単純に結びつけてしまう思考の危険性

 

 

特に中学・高校の日本史の教科書は政治史が中心で、必然的に勝者の歴史が描かれ、それが日本史の流れとして理解される。

勝った側が善とされ、敗者は悪とされることで、結果的に「正義は勝つ」と教え込まれる。

勝者が善で、敗者が悪という歴史観の極致が「征伐」という言葉である。

たとえば豊臣秀吉の天下一統の流れを追う時、無意識のうちに四国征伐九州征伐小田原征伐、さらに朝鮮征伐という言い方がされてきた。

これは敗者は悪とされ、悪人だったために、正義、すなわち勝者によって滅ぼされたという論理の組み立てで、勧善懲悪という考え方を深くすり込まれてきた。

そのせいで、現代日本人は多角的な考え方が苦手になってしまったように思えてならない。

勝者=善という決めつけは、思考の柔軟性を奪ってしまう。

敗者=悪という決めつけが、同調圧力を生み出す。

敗者にも成したことがあり、言い分だってあるのだ。

固定観念ほど怖いものはない。

歴史の闇に葬られた真実に目を向けることで、固定観念にとらわれない、柔軟な思考を手に入れる。

本稿がその一助になれば幸いだ。

 

 

 

大衆(マスコミ)によって形成された今日の吉良上野介

 

 

仮に古今悪党ランキングというアンケート調査があったとしたら、間違いなくトップにくるであろう人物。

それが赤穂事件の敵役、吉良上野介である。

この300年というもの上野介は芝居や小説、映画などによって散々悪者扱いされてきた。

もはや我々日本人の遺伝子に、吉良上野介=悪党という情報がすり込まれているのではないかとさえ、思えるほどである。

上野介は、何故ここまで人々のそしりを受けなければならなかったのか。

上野介は、本当にそれほどの悪人だったのだろうか。

ここは芝居の「忠臣蔵」から離れて、史実から見えてくる真の吉良上野介像を探りながら、300年間積りに積もった彼の言い分に耳を傾けてみたい。

吉良上野介義央(よしひさ)は1641(寛永18)年、三代将軍・家光の治世に江戸で生まれた。

祖父・義弥の代より高家と呼ばれる幕府の礼式を司る家柄であり、吉良家はその中でも筆頭格であった。

先祖を辿ると足利氏の祖(義康)に行き着くという名門で、三河国幡豆郡生良庄などを領地とし、合計4200石を頂いていたが、石高以上に内証は裕福だった。

また、将軍家や紀州徳川家などの有力大名家とも縁戚関係にあり、権勢を恣にしていた。

上野介は13歳で幕府に出仕し、日光東照宮への代参、朝廷年貢への将軍名代などを若いながらも無難につとめ、将軍家から信任を勝ち得ていった。

18歳で米沢藩主・上杉定勝の娘・富子を娶り、これ以後上杉家と懇意になる。

24歳の時、上杉家の嫡男が病没すると長男・三郎(綱憲)を上杉家養嗣子として相続させた。

後に綱憲の次男・左兵衛義周(つまり上野介の実孫)を吉良家の跡取りとしてもらい受けている。

上野介は典礼にも詳しく、公家を殿中に接待する折には有職故実の指南役として、諸大名にも尊大な態度で接したという。

その上野介の尊大さが、やがて悲劇を生むことになる。

1701(元禄14)年3月14日、江戸城において天皇の勅使を迎え、大切な儀式が執り行われようとしていたこの日、勅使饗応役を命ぜられていた播州赤穂藩主・浅野内匠頭長矩が松の廊下で突然、指南役の上野介に斬りかかった。

内匠頭は即座に周囲の武士に取り押さえられたため、上野介は軽傷を負っただけで済んだが、殿中はまさに蜂の巣をつついたような騒ぎとなった。

これを聞いてカンカンに怒ったのが、五代将軍・綱吉だ。

綱吉は幕府の最高裁判所ともいうべき評定所を開くこともせず、即日、内匠頭を切腹させてしまう。

一方、刀を抜いて応戦しなかった上野介の方は「神妙である」としてお構いなしとなった。

主君内匠頭の不始末によって赤穂藩5万3千石は断絶となり、筆頭家老・大石内蔵助良雄ら藩士はその日から路頭に迷うことになった。

江戸市中はしばらくこの刃傷事件の話でもちきりとなったが、その1年9ヶ月後、江戸の人々、いや日本全土を仰天させる、さらなる大事件が勃発する。

なんと、大石内蔵助ら旧赤穂藩士47人が「主君の無念を晴らすため」と称し、本所松坂町の吉良邸を襲撃し、上野介を討ち取ってしまったのである。

この襲撃事件に対し、主人や親への忠義・忠孝心が最も尊ばれた時代だけに老若男女、武家も町人も一様に「天晴れ、武士の鏡である」と狂喜した。

困惑したのは幕府である。

主君の仇をとることそれ自体は称賛されて然るべきだが、市民と一緒になって赤穂浪士を賛美したのでは、暗に最初の将軍家の裁定が間違いだったと認めることになる。

さらにまた、夜間徒党を組んで人の家に押し入ることを黙許したとあっては、天下の法も秩序もあったものではない。

私闘か義挙か、処罰か助命かーーー。

悩んだ末に幕府が下した裁定は、討ち入りに参加した浪士全員を切腹に処することだった。

単なる打ち首と違い、切腹であれば浪士たちの武士としての面目は保たれ、それでいて江戸の治安を騒がせた犯罪者として処罰を加えたことにもなる。

まさに、苦肉の折衷案であった。

一方、主人の首を取られた吉良家に対しても、評定所の裁定が下された。

その結果は現代の常識や価値観からすれば、何とも腑に落ちないものだった。

襲撃を受けた際、薙刀をふるってよく奮戦した上野介の養嗣子・義周は除封の上、信濃高島藩へ配流を申し渡される。

父(上野介)を守りきれなかったのは子として不手際極まりない、という無茶苦茶な理由だった。

これではどちらが被害者か分かったものではない。

それだけ世間に赤穂浪士に対する同情の声が渦巻いており、そうした市民感情に配慮した偏った裁定であると言わざるを得ない。

いずれにしろ義周は討ち入り事件から4年後、牢獄のような劣悪な配流生活に体を蝕まれ、21歳の若さで病没する。

足利以来の名門・三河吉良氏の嫡流はこうして断絶した。

たしかに上野介という人物は名門であることを矜持とし、江戸城内の大名・旗本から嫌われていたことは事実のようである。

刃傷事件に先立つこと3年前、やはり勅使饗応役をつとめた津和野藩主・亀井茲親が上野介から侮辱を受け、上野介を斬ろうとしたことがあった。

また、上野介が津軽公の屋敷に招待されご馳走を出された折など、「おかずは良いが、飯が不味い」と聞こえよがしに言ったという。

そんな権柄ずくな上野介だが、自分の領地の農民などにはまた違った一面を見せている。

たとえば、度重なる水害問題を解決するため山間部に大規模な堤防を築かせたり、新田開発にも積極的に取り組んだりした。

今日なお、上野介が吉良町周辺では名君として敬慕されている所以である。

上野介という人は、典型的な内柔外剛の性格だったに違いない。

しかし、だからといって刃傷事件の非はすべて、上野介の側にあったとは言い切れない。

今日では内匠頭の性格に起因するところが大であると考えられている。

それが証拠に、内匠頭という殿様は生来短気で、しかも母方から受け継いだ痞(緊張から起こる興奮や頭痛)という病に度々苦しめられていたことが分かっている。

刃傷事件の前々日にも、勅使饗応という大役に緊張したものか、痞を発していたことが記録によって明らかだ。

つまりは、短気な内匠頭と尊大な上野介が出会ったことで起こった偶発的な悲劇。

それが松の廊下における刃傷事件発端の真相だろう。

この刃傷事件だけなら後世、ここまで上野介が悪者になることはなかったはずだ。

しかし、その後で起きた討ち入り事件によって上野介のキャラクターが確立してしまった。

主君の仇を討つという大義名分の前に、刃傷事件の発端はどうあれ、

という図式が成立してしまったのである。

しかも赤穂浪士たちは様々な苦難を乗り越えて本懐を遂げた後、桜の花が散るが如く死出の旅路についた。

この忠義の者どもの潔い死に様に感動した後世の人々は、浪士たちをいよいよ美化し、さらに潔さを際立たせるために上野介を必要以上に悪玉に仕立ててしまったのである。

つまり大衆(マスコミ)によって今日の吉良上野介像が形成されたと言ってよい。

上野介自身、刃傷事件にしても討ち入り事件にしても、自分がなぜ襲われるのかよく理解していなかったはずだ。

無論、泉下の上野介の魂魄は今も自身の無実を叫び続けているに違いない。

 

 

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