「ROOKIES」や「べしゃり暮らし」がドラマ化され人気を博したが、森田まさのり先生原作の最高傑作は「ろくでなしBLUES」だ。
前記事で書いた「今日から俺は‼︎」とは比べるべくも、ヤンキー漫画としてクオリティーも高い。
万が一、知らない人がいるなら是非チェックして欲しい。
「ろくでなしBLUES」とは
森田まさのり氏原作の少年漫画。
またそれを原作にしたアニメ、実写映画。
1988年25号から1997年10号まで『週刊少年ジャンプ』(集英社)に連載された。
2017年5月時点で累計発行部数は6000万部を突破している。
コミック版は全42巻。
文庫版は全25巻。
雑誌形態の総集編集英社オリジナル版は雑誌掲載時カラー完全再現、B5判、カバー無しで完全版エクストラとして全12巻で2008年 - 2009年にかけて月刊で刊行している。
「ろくでなしBLUES」は東京都武蔵野市吉祥寺にある帝拳高校周辺を主な舞台とした、ヤンキー達による学園モノ漫画だ。
ギャグを所々にちりばめた短編と、他校の強敵とのバトルがメインの長編ストーリーの組み合わせによって構成されており、ボクシングも重要なテーマのひとつになっている。
「何やってんだおまえわ!」や、「そうぢゃねえ!」といった独特のセリフ表記や、キャラクターの独特のポーズ・表情・リアクションも本作の特徴の一つ。
連載期間が1980年代後半から1990年代半ばにまたがっているため、作中に登場する高校生(特に女子高生)のファッションが年を追うごとに徐々に変化している。
初期は膝下スカートに三つ折ソックスだったものが、後期にはミニスカートにルーズソックスに変化するなど時代の移り変わりを感じられる。
登場人物の名前はボクサーやプロレスラーなど格闘家に因んだものが多く、また高校の名前は実在するボクシングジムから取られているものが多い(帝拳、協栄、角海老など)。
サブタイトルのネーミングやストーリーの演出にローリング・ストーンズ、THE BLUE HEARTSの影響が見受けられる。
またブルーハーツ公認で、メンバーをモチーフとしたレギュラーキャラクターも登場している。
舞台は今や住みたい街ランキング常連の吉祥寺
住みたい街ランキングで常に上位を獲得するはるか前から、吉祥寺は有名な街だった。
何故なら「ろくでなしBLUES」の舞台だったからだ。
新海誠監督の背景画が絶賛されるはるか前から、森田まさのり先生の背景画は作り込まれていた。
森田まさのり先生の描く街並みは吉祥寺の街そのままだった。
迫力ある人物描写と緻密な背景描写は「ろくでなしBLUES」の魅力のひとつだ。
吉祥寺を有名にしたのは住みたい街ランキングではなく「ろくでなしBLUES」だ。
魅力的な登場人物たち
前述した通り、登場人物はボクサーやプロレスラーに因んだものが多い。
中学の時大阪から転校してきた。
普段は標準語だが本気で怒ると呂律が回らなくなり、ついには関西弁になる。
他人から借りた原チャリに勝手に命名するわ、自分宛てに届いたエア・メールの差出人がミック・ジャガーだと本気で勘違いしたりとかなりメチャクチャな性格だ。
作中では途方もなく頭が悪いと表現されているが、ただ勉強が出来ないだけで頭の回転は決して悪くない。
凄まじいほど単純な性格で、感動的な話にはとことん弱く涙もろい。
エロネタになると赤面したあげく気絶するなど非常に純情。
どこか抜けており、変なところで小心。
東京四天王に数えられるほどケンカは強いが、力を誇示し威圧することは決してしない。
仲間を大切にするため人望がある。
仲間曰く、前田さんは愛の戦士。
個人的に大好きなキャラが主人公の担任教師である近藤真彦先生。
名前だけ見れば元アイドル現レーシングチーム監督を想像するだろう。
しかし残念ながら取り上げるべきは近藤の方ではなく真彦の方だった。
通称はマサさんでプロレスラー・マサ斉藤に因んでいる。
当初はマサさんと呼ばれると「近藤先生だ」と訂正していたが面倒になったのか途中から訂正しなくなった。
何かの折にマサ斉藤の有名なマイクパフォーマンス『みなさん、こんばんは』と挨拶している。
※故マサ斉藤氏の訃報の際に森田まさのり先生が贈ったイラスト。
サイコーに格好良かった東京四天王
特にケンカが強くて名が売れた4人を東京四天王と呼んだ。
吉祥寺の主人公・前田太尊。
渋谷の鬼塚。
浅草の薬師寺。
池袋の葛西。
東京四天王と呼ばれることでそれぞれが意識し合うようになり、様々な因縁で結ばれることになる。
四天王で最初に登場したのが渋谷の鬼塚。
渋谷というお土地柄もあってか鬼塚はオシャレだった。
ピアスにランチコートと今までのヤンキー像とは異質の存在だった。
次に登場したのが浅草の薬師寺。
薬師寺は恋敵的な存在だ。
四天王制覇が目的というより個人的な問題で太尊に絡んでくる。
そして結果的に恋のもつれが四天王対決となっていく。
そして最後に登場するのが池袋の葛西。
東京四天王と呼ばれることを嫌い、四天王制覇をあからさまに公言している。
一旦は四天王制覇を成し遂げるが、太尊のリベンジ・マッチによって冷めていた葛西は仲間に心を開いていく。
東京四天王の共闘
太尊の実家がある大阪へ行った時のこと。
大阪でも太尊の周りには相変わらずトラブルだらけ。
前にもイザコザがあった極東高校と再び揉め事を起こしてしまう。
太尊はケジメのために極東高校のアタマである川島とタイマンをはろうと学校まで乗り込むが、すんでのところで回避される。
揉め事は一旦終息したものの極東高校は修学旅行で東京へ。
東京へやって来た極東高校の生徒は各地で揉め事を起こし、四天王のそれぞれがケジメに乗り出す。
詳細は割愛するが最後には四天王が共闘することになる。
コレが激にアツい。
150人を相手にたった4人(四天王)で挑むという前代未聞の大ゲンカ。
一見無茶苦茶だがなんと四天王の方が押していたから、四天王それぞれの強さは計り知れない。
最終的な勝敗は太尊と川島のタイマンに委ねられることになる。
ろくでなしぶるーちゅ♡
太尊も千秋も2.5頭身。
コワモテはそのままに「ろくでなしBLUES」の面々が可愛い2.5頭身になって、他愛もない日常から、よく当たる心理テスト、さらには昔話風コントまでをおもしろおかしく描き出す。
「ぶるーちゅ♡」は面白かった。
個人的には中田小兵二のトイレの回が一番面白い。
※この回ではない。
仕事場に飾ってある4コマ pic.twitter.com/gPF11hOPNr
— 森田まさのり (@HITMANmorita) 2021年8月15日
「ろくでなしBLUES」も実は実写化しているのだが…
実は「ろくでなしBLUES」も実写化されている。
しかし残念ながらパッとしなかった。
おそらく原作に忠実にやろうとすれば無理があるし、オリジナルシナリオでやろうとすれば興醒めしてしまうからではないだろうか。
「クローズZERO」の制作陣でリメイクしてくれないだろうか…
ただし、劇団EXILEも実写化というか舞台化?
何やらしているらしい。
拝見していないので内容はわからないが、写真だけ見た感想はかなり良さそうな雰囲気だ。
気になる人はチェックしてみてくれ。
まずは原作を読んで欲しいと願う著者ではあるが…
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