はじめに
その時旬の若手有名俳優を一堂に集め制作されるドラマは各時代ごとに存在するが、『未成年』もそのひとつだった。
出演はいしだ壱成・桜井幸子・香取慎吾・反町隆史・河相我聞・北原雅樹・浜崎あゆみなど。
(※敬称略)
ドラマ
未成年
『未成年』とは
『未成年』は、TBS系列の金曜ドラマ枠で1995年10月13日から12月22日まで放送されたドラマで主演はいしだ壱成氏。
野島伸司氏が脚本を手がけた1993年の『高校教師』、1994年の『人間・失格〜たとえばぼくが死んだら』と、このドラマを合わせて一般的に『TBS野島三部作』という。
後年の『聖者の行進』(1998年)などを含む場合は『TBS野島伸司シリーズ』という。
同年代の若者5人を中心に、青春の過程で起こる様々な苦悩と葛藤を生々しく描いたこの作品は、出演芸能人の出世作としても知られている。
後年歌手として大ブレイクした浜崎あゆみさんの数少ない女優出演作のひとつでもある。
全11回。
若者の青春群像劇として放映当時に大ブームを巻き起こし、平均視聴率は20.0%、第8回は最高視聴率23.2%(関東地区 ビデオリサーチ調べ)を記録した。
本放送では「罪を犯した登場人物が未成年であるにもかかわらず容疑者として実名・顔写真がニュースで公開される部分」を、ビデオ・DVD版では別のカットに差し替えている。
(※ただし未成年の容疑者を実名報道しても、少年法には抵触しない。)
余談ではあるが後年、SMAP・中居正広は本作品を「慎吾が出てたドラマの中で一番好き」と絶賛している。
第1回の放送では当時結成されたばかりのTHE HIGH-LOWSのライブ会場でロケが行なわれた。
TBS系TV金曜ドラマ「未成年」オリジナル・サウンドトラック
あらすじ
高校3年生の戸川博人(ヒロ)は同級生で野球部員の田辺順平、中学時代の同級生で暴力団構成員の坂詰五郎とバカをやったり、アルバイトで日々を過ごしていた。
しかしヒロは出来のいい兄・辰巳にコンプレックスを抱き、何事も無気力で卒業後の進路も決まっていない。
しかし、ある日ひょんな事から知的障害を患う室岡仁(デク)、有名進学校に通う神谷勤と出会い友人となる。
そんな彼らもそれぞれに悩みを抱えていた。
博人は女子大生の新村萌香と出会い、好意を抱くが彼女は兄の恋人で重い病を抱えていた。
順平は同級生の安西加代子に片思いをしているが、当の加代子は博人の事が好きだった。
五郎は恋人のアリサの為に堅気になる事を考えていたし、デクは家庭で疎まれている。
一見恵まれていそうな勤も受験勉強のストレスや母の過保護に悩んでいた。
また勤は有名女子校に通う令嬢・田畑瞳に片思いをするが、彼女は家庭教師の子を身ごもっていた。
そんな彼らの抱える悩みや様々な事情が引き金となり、彼らは重大な事件を起こしてしまい社会の注目を集める。
再び時代はめぐる
1970年代に活躍したカーペンターズを主題歌に起用
主題歌、挿入歌共にカーペンターズの楽曲が使用されている(ドラマのヒットを受けて発売されたベスト盤は300万枚のセールスを記録した)。
オープニング曲には『Top of the World』。
エンディング曲に『青春の輝き[原題:I Need To Be In Love]』が使用された。
また『愛は虹の色[原題:Desperado]』が第8話、第9話の挿入歌として。
『ふたりの誓い[原題:For All We Know]』と
『見つめあう恋[原題:A Kind of Hush]』、
『Superstar』が第10話の挿入歌として。
『Yesterday Once More』が最終話の挿入歌として使用されている。
ドラマに使用された楽曲は、まさにカーペンターズづくしで再流行のキッカケとなった。
反町隆史がメチャクチャ格好いいドラマ
しかしリアタイ視聴では浜崎あゆみには気づかず…
記憶が曖昧なのだが、反町隆史氏を初めて知ったのが『未成年』だったと思う。
暴力団構成員・坂詰五郎役ということで、かなりアンダーグラウンドなツッパった人物を演じていたのだがなんとなく似合う。
後に『GTO』でも似たような役を演じているが、彼がこういう役を演じる時は決まって何故か少しバカっぽい。
だが、若さゆえだろう。
この時の反町隆史氏はハマり役だった。
ちなみに原作を読んでいたから、ドラマ『GTO』はほとんど観ていないのだけど。
また、後に歌姫へと見事な変貌を遂げる浜崎あゆみさんも今作品に出演していた。
しかし残念ながら、リアタイ視聴時はまだまだ無名だった浜崎あゆみさん。
誰だかよく知らないが可愛げな娘が出演しているという認識しかなく、後に再視聴した際、ようやくそれが浜崎あゆみさんだったことを知る。
歌姫のイメージしかない浜崎あゆみさんのドラマ出演は驚きでしかなかった。
女優・浜崎あゆみさんなんて、今ではなかなか見れないレア映像だ。
1993年の『高校教師』、1994年の『人間・失格〜たとえばぼくが死んだら』に続く作品なだけに、やはり内容は過激な方だが『人間・失格〜たとえばぼくが死んだら』ほどは酷くない。
思春期にありがちなプチ家出がどえらい事件に発展してしまうという、あまりに現実離れしたまさにザ・フィクション的展開なのだが、多感な思春期の希望や絶望や苛立ちを見事に描いていた。
良くも悪くも、今の若者にこれほどのエネルギーがあるのだろうか?
今の若者が『未成年』を視聴したら、果たしてどう感じるのか非常に興味がわく。
地上波ではコンプライアンス規制に引っかかるのかが非常に微妙なラインだと思われるが、今の若者には是非何かしらで観て欲しいドラマである。
最終回の演説は必見だ。
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