テレビアニメ
鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST
鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST 13 [Blu-ray]
『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』とは
『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』は、ボンズ制作の日本のアニメ。
テレビシリーズアニメとして2009年4月5日から2010年7月4日までMBS・TBS系列(JNN)ほかにおいて放送された。
「月刊少年ガンガン」で連載されていた、荒川弘先生による漫画作品『鋼の錬金術師』をアニメ化した作品である。
タイトルの英訳である「FULLMETAL ALCHEMIST」を正式タイトルに付加している。
英題は『Fullmetal Alchemist: Brotherhood』。
本作は2003年にも一度アニメ化されているが、これは原作の終了予定の目途も立っていない時期に製作されたことから、ストーリー・設定にオリジナル要素が強い独自の完全オリジナルストーリーとなっており、本作との関係性はない。
だが本作は第1話を除けば、ほぼ原作に沿った展開や内容でストーリーが進行する。
当初は原作が2009年の夏に完結し、アニメも2010年の3月に終了予定であったが、原作の最終回が伸びたため、アニメもそれに合わせて5クールでの放送が決まった。
その結果、原作は月刊少年ガンガンの2010年7月号(2010年6月11日発売)をもって完結したが、アニメもそれとほぼ同時に最終話を迎えることになった。
単行本化されていない部分を描いた第60話後半以降は、ガンガン本誌に掲載されてから短期間でアニメ化される形になったために、荒川氏に完成する前のラフの状態での原稿をもらい、それを元に絵コンテを描いていたようだ。
原作最終話のボリュームが予想以上で(通常の倍の110頁超)、1話でまとめられなかったため、予定していた6月27日放送終了から1話追加して、7月4日に最終話を放送した。
最終話の放送終了後、劇場版『鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星』の制作が発表された。
アニメ制作は引き続きボンズが担当し、世界観やキャストも本作に準じているが、スタッフは一部が本作から変更されている。
キャッチコピーは「この掌にあるのは希望か、 絶望か。最強のダークファンタジーがここに」。
あらすじ
鋼の二つ名を持つ錬金術師エドワード(エド)と鎧の体の弟アルフォンス(アル)。
兄弟は流行り病で亡くなった母親を生き返らせるため、人体錬成という禁忌を侵し、失った肉体を取り戻すため、賢者の石を探して旅をしていた。
旅の途中、錬金術師を狙う男・傷の男(スカー)に襲撃されるが、焔の錬金術師の二つ名を持つロイ・マスタング大佐に助けられる。
その後エドたちは賢者の石の資料を入手し解読するが、賢者の石の材料が大量の生きた人間であると知って愕然とする。
エルリック兄弟をホムンクルスのラスト、グラトニー、エンヴィーが狙っていた。
事件の真相に気付いたヒューズ中佐はエンヴィーに殺害される。
マスタング大佐はホムンクルスたちとの戦いを経て、大総統キングブラッドレイがホムンクルスだと気づき、軍そのものが陰謀に巻き込まれていると推測する。
エドはシン国の皇子リン・ヤオとエンヴィーと一緒にグラトニーに飲み込まれてしまう。
そこで真理の扉とやせ衰えたアルの肉体を見て、体を取り戻せると確信する。
エドとアルはホムンクルスを作ったお父様に会い、恐ろしい陰謀が張り巡らされていることに気付く。
これまでアメストリス国で起こった内乱は国全体に仕掛けられた錬成陣の上で起きており、軍隊はホムンクルスのブラッドレイに掌握され、「約束の日」に向けて準備が整えられていた。
エルリック兄弟、スカー、マスタング達は手を組み、その日を迎え撃つ。
「約束の日」。
お父様はエルリック兄弟、兄弟の師匠イズミ・カーティス、兄弟の父ヴァン・ホーエンハイム、マスタングの5人の錬金術師を人柱として集め、皆既日食に合わせて国土錬成陣を発動させてアメストリス国民を犠牲に神の力を手にいれようとする。
だが、ホーエンハイムが各地に埋めた賢者の石とスカーの逆転の錬成陣により、アメストリス国民の魂は戻される。
お父様との激しい戦いの中、エドは重傷を負う。
アルは自分の魂と引き換えにエドの腕を再生させる。お父様を倒したあと、エドは人体錬成を行い、自分の錬金術師の能力を対価にアルを取り戻す。
戦いが終わり、故郷に戻ったエルリック兄弟。
アルはシン国の錬丹術を学ぶため東へ旅立つことを決める。
原作との違い
『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』は基本的に原作に準拠しているものの、「なるべく視聴者にわかりやすく」「続きが気になる終わり方」にするために、ストーリーの順番入れ替えや、セリフの一部に変更が加えられている。
また、各話ごとの起承転結を考えて、テーマを明確にするために強調するところや簡潔にするところを決めるようにしている。
原作は主人公が数か月登場しない回も多いがアニメではなるべく登場させるように心がけている。
他にも原作にはないアニメオリジナルの描写などが所々に追加されている。
原作者自ら何度か脚本会議に出席しており、脚本会議の様子について「こんな解釈もあるのか!こんな表現もできるのか!と、目からウロコです」と発言している。
また原作以上にフィーチャーした演出が本編やオープニング・エンディングテーマで見られるのが特徴である。
特別演出目白押し!
秀逸なオープニングとエンディング
名曲揃いの主題歌
『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』のテーマ曲には、名曲が非常に多い。
どれもアニメソングだけにとどまらない名曲ばかりだし、鋼錬きっかけで売れたアーティストもいるくらいだ。
そんな名曲が、ドラマチックな場面で、非常に効果的に使われた。
アニメでは、テーマ曲の使い方ひとつで、作品自体の印象がまったく違うものになる。
著者が知る限りでは、『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』以上に効果的にテーマ曲を使いこなしたアニメは他にない。
主要オープニングテーマ
- 「again」 / 歌 - YUI
- 「ゴールデンタイムラバー」 / 歌 - スキマスイッチ
- 「Period」/ 歌 - CHEMISTRY
主要なエンディングテーマ
- 「嘘」 / 歌 - シド
- 「瞬間センチメンタル」 / 歌 - SCANDAL
- 「RAY OF LIGHT」/ 歌 - 中川翔子
まるで映画!?
物語を盛り上げる特別演出目白押しのオープニングとエンディングテーマは必見
アニメの構成といえば、オープニング→本編→エンディング→予告というのが基本形だ。
また近年では、オープニングの前に前回までのあらすじが入ることが多い。
こういう基本形ができた背景には、本編以外をフォーマット化すればスムーズなアニメ制作が可能になることが挙げられる。
毎週放送するアニメは、劇場版と違い、〆切りがタイトだ。
いちいちその回の内容に応じた作り込みは、手間がかかって仕方ない。
手間がかかれば〆切りに間に合わない。
だから結論としては、本来なら週間アニメに劇場版ほどのクオリティを求めてはいけないのだ。
これが従来の考え方だった。
そんな固定観念を良い意味でぶち壊してくれたのが、『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』だった。
『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』では、特に物語の中盤から前述した基本形がまったく無い。
今までの常識がまったく通用しない。
唯一守られていた従来の常識は、オープニングにはオープニング曲が流れ、エンディングにはエンディング曲が流れること。
流れる曲以外は、その回ごとにそれぞれ違う演出になっていたりするから凄い。
しかも物語も後半になると、その傾向はさらに加速する。
最後の10話くらいは、全部特別演出だったんじゃないか?
だからといって、アニメ自体はずっと変わらずハイクオリティのままというのがまた凄い。
週間アニメでここまでやられると、さらに凄い効果を発揮する。
いくら劇場版がハイクオリティだとはいえ、所詮は一発勝負の作品である。
一回の上映ですべてを出し切らなくてはいけなくなる。
だが週間アニメは、話数分だけ見せ場が作れる。
話数分だけ、見せ方を変えることができるのだ。
その回で一番活躍したキャラクターを、エンディングでフィーチャーすることだってできてしまう。
事実、そういう回がいくつかあった。
それがまた最高に格好良くて、最高に泣けてくる演出になるのだ。
主人公たちの父・ホーエンハイムの回なんか、涙なしでは観れないほどだ。
最近のアニメでは、1話限定のスペシャルオープニングやエンディングは常識になりつつあるが、そのエポック的作品こそ『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』ではないだろうか。
全話数をイッキ見するとなると相当なボリュームになってしまうが、10話くらいならのめり込んで観れてしまえるはずだ。
特別演出目白押しの最終回までのラスト10話。
イッキ見するならここがいい。
まるで超大作映画でも観ているような気分になれるだろう。
『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』は、第1話から最終回までの全話がすべてが名作と呼べる、数少ないアニメだろう。
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