TBSドラマ
新しい王様
『新しい王様』とは
『新しい王様』は、TBSと動画配信サービスParaviの共同制作によるテレビドラマだ。
Season1(全8回)はTBS系列で2019年1月8日より1月17日の平日23:56 - 24:26に放送。
Season2(全9回)は1月18日よりParaviで独占配信という形をとっていたが、Season2も2月19日より毎週火曜1:58-2:28に地上波で放送されることになった。
山口雅俊氏によるプロデュース・脚本・演出で、藤原竜也演じる自由人・アキバと香川照之演じるファンド会社代表・越中がテレビ局の買収を企むというストーリー。
山口雅俊氏は近年では『闇金ウシジマくん』シリーズで知られるクリエイターで、かつてはフジテレビの『ナニワ金融道』シリーズや『カバチタレ!』といった金融モノのドラマを多数手がけている。
あらすじ
主人公のアキバ(藤原竜也)は、かつて日本郵政などに大型買収を仕掛けて世間を騒がせた男。
現在はアプリ開発で生計を立てながら、ときどきテレビに出演する文化人兼投資家となっていた。
越中ファンド代表の越中勲(香川照之)とは過去になんらかの因縁がある犬猿の仲だったが、中央テレビ買収のために手を組むことになる。
何を考えているのかわからないアキバと、セレブのパーティーや食事会に美女を派遣する人材派遣会社の駆け出し社長・鴨宮コウシロウ(杉野遥亮)、闇金の取り立てから逃げようとしていたところをアキバに助けられた看護学校に通う三井エイリ(武田玲奈)の3人を中心に、テレビ局やセレブたちの人間模様が描写され、そこで「現代におけるお金の意味」が繰り返し問われるドラマとなっている。
元ネタはライブドアによる2005年の『フジテレビ買収騒動』?
本作について山口氏は「特定のモデルはいません」とインタビューで語っているが、アキバ(藤原竜也)のモデルは誰がどう見ても元ライブドア社長の堀江貴文氏だろうと思われる。
Season2に入るとテレビ局買収の攻防が物語の中心となっていくのだが、これは2005年に起きた、堀江氏によるフジテレビ買収騒動が下敷きになっているのではないのだろうか。
だとすると、越中ファンド代表の越中勲(香川照之)のモデルは投資家・村上世彰氏と推察できる。
情報過多の社会を生き抜くために
何気なく見始めたドラマではあったが、実に面白い作品だった。
金融モノというとどうしても『闇金ウシジマくん』や『ナニワ金融道』のようなアウトローなものか、『半沢直樹』のようなシリアスなものを想像しがちになる。
だが『新しい王様』は、そのどれとも異なる印象を受けた。
『フジテレビ買収騒動』がモデルになっているとはいえ、内容はずっとクリーンで金融モノにありがちな違法行為はみられない。
金絡みの欲深い人間ドラマは多少みられるが、至って健全な金融ドラマだと思う。
だが一番興味深かったのは、劇中で示したこれからのTVの在り方だった。
TV離れが叫ばれる昨今だが、TVがなくてもいいと本気で思っているのだろうか。
TVで有名になった人がネットでも活躍し、ネットで有名になった人がTVに進出してくる。
なんだかんだ言っても、TVとネットは相互関係にあるのだ。
TVが無くなってしまったら、ネット単体だけではすぐに立ち行かなくなってしまうのではないか。
情報の取り扱いひとつとっても、誰が挙げたのかもわからない情報で溢れ返るネットより、たとえそれが誤報であっても、責任の所在がハッキリしているTVの方が、より確度の高い情報だといえなくもない。
これからさらに進むであろう情報化社会で、情報を正しく取捨選択するスキルは必須だ。
フェイクニュースについての理解を深めるためにも、『新しい王様』を観たことはとても勉強になったと思う。
いろいろな要素が詰まっているから、とても勉強になる。
何より嬉しいのが、観やすい30分ドラマだということ。
サクサク先に進んでいけるからストレスフリーで観ていられる。
視聴環境が整っているなら、とにかく本当に面白いから、皆さんにも是非観てほしい作品だ。
内容とはまったく関係ないが、藤原竜也演じるアキバは過去イチでハマり役だったと個人的には確信している。
藤原竜也氏の演技だけでも、間違いなく一見の価値ありだ。
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