明日ではなく今日。
今、この時を精一杯生きるあなたのために素敵な言葉を綴ろう。
料理店の女将・千恵子(深夜食堂より)
訪れた人々はマスターが作る料理でお腹と心を満たしていく、深夜食堂こと「めしや」。
ある夜、偶然葬式帰りの常連客の来店が相次ぐ中、ストレス発散のために喪服を着るという風変わりな女性がやってくる…ほか2話のオムニバスで構成される劇場版「続・深夜食堂」でのヒトコマ。
余貴美子さん演じる料理店の女将・千恵子は
「めしや」の常連で、「めしや」のぬか床は実は千恵子自慢のぬかを足したものだったりする。
マスターにホの字だが、ふたりの関係については不明。
ある老婦人が息子のピンチに上京してくるが、それは詐欺の可能性が高かった。
だが、そうとわかっても息子となかなか連絡を取ろうとしない老婦人の態度に疑問を感じた女将・千恵子。
「もしかしたら息子はすでにこの世にはないでは?」「そして老婦人はそれを認めたくないのでは?」と推察する。
その時のひと言。
人って答えを出さないまま
漂ってたい時があるのよね
頭ではわかっていても、心のどこかでは認めたくないこと。
白か黒でキッチリ分類することを嫌い、グレーのままであって欲しいと願う気持ち。
そんなことのひとつやふたつ、誰にでもあるのではないだろうか。
世の中、曖昧のままでいた方がいいこともある。
少しテイストは違うかもしれないが、歴史の謎なんかが、もしかしたらそれに当たるのかもしれない。
人は常に歴史の真相を追い求めながらも、心のどこかで真相を知ることでガッカリしてしまうことを恐れている。
都合の良い理想像を勝手に作り上げてしまっているから、理想像とかけ離れた姿ならば真実なんか知りたくない。
まるで憧れすぎた人には、逆に会いたくない気持ち。
知りたいような知りたくないような。
結局、曖昧なままの方がいいこと。
酷く矛盾しているようだが、人間の本質とはそんなジレンマにあるような気がする。
人は矛盾した相反する理想像を共に抱えて生きている。
人が想像の世界で生きていたならば、その矛盾は解消されるのだろうか…
現実は残酷である。
しかし残酷な世界だと感じるのも、そこから逃避したいと願うのも、人間以外あり得ない。
だから答えを出さないまま漂うことができるのも、人間だけに許されたとっておきの処世術。
時には宙ぶらりんでもいいじゃないか。
…だが、残念ながら現実から逃げてばかりもいられないのもまた、残酷な現実なのである。
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