アニメ
ケロロ軍曹
『ケロロ軍曹』とは
『ケロロ軍曹』は吉崎観音先生による漫画作品、およびこれを原作とする一連の作品群の総称である。
またこれらに登場する主人公の名前でもある。
略称は「ケロロ」。
『月刊少年エース』(角川書店、以下『少年エース』)にて連載。
1998年に読み切り『ケロロぐんそー』を発表。
同誌1999年4月号より連載が開始。
単行本は2022年4月現在、32巻まで発刊されている。
2018年6月時点で累計発行部数は1400万部を突破している。
また、『ケロロランド』・『ケロケロエース』(どちらも角川書店)には過去の『少年エース』掲載分が再録という形で収録されている(前者には再録分とは別に、描き下ろしの漫画も掲載されている)。
本作品は第50回(2004年度)小学館漫画賞児童向け部門を受賞し、角川書店の作品では史上初にして現時点で唯一の受賞作となっている。
テレビアニメ『ケロロ軍曹』
2004年4月から2011年4月まで、テレビ東京系列(TXN)でアニメ『ケロロ軍曹』が、2010年4月から2011年4月までテレビ東京のみでアニメ『ケロロ軍曹乙』が、それぞれ放送された。
いずれもサンライズ制作。
劇場版アニメ『ケロロ軍曹』
テレビアニメの制作体制で長編5本・短編3本が公開された。
超劇場版ケロロ軍曹2 深海のプリンセスであります!豪華版 【廉価3800円】 [DVD]
作品の特徴
作品のテーマは「家族」である。
地球侵略をしに来たカエルをモチーフとした宇宙人(ケロン人)・ケロロ軍曹が日向家に居候することによる日常と非日常の融合とそのギャップが生み出すおかしさが話のベースとなっている。
その一方で魅力的な女性キャラクターが多数登場するなど近年の萌え漫画的な要素もふんだんに盛り込まれ、原作では女性キャラクターのお色気要素が数多く存在する。
子供だけでなく幅広い層を取り込んでいる。
ストーリーが進むとケロロの部下が集まり、彼らで地球侵略作戦を練っては試みるも居候先の少女・夏美に懲らしめられたり作戦の詰めの甘さによって自滅したりしてオチがつく、というのがこの漫画の基本パターンとなっている。
また、内容によっては人間の行いに対する警告・教訓の意味合いを持つエピソードも含まれている。
連載が進むにつれてケロン人と地球人達との間にも友情が芽生え、侵略する側とされる側という対立の構図とのギャップも漫画の展開に絡んでくるようになってきている。
基本的には毎回一話完結型で描かれるが例外的に2-4話に分けられたストーリーがあり、単行本化のときに巻をまたぐものもある。
作風は「デフォルメされた、魅力あるキャラクター」「太く、はっきりした線」を基本とし、そして伝統的な漫画のスタイルを踏襲している。
その一方で「デザイン的な絵文字、漫符」「コマの構成をぶち抜く画の配置」等イラストデザイン面でも優れており、イラストレーターとしても活躍する作者・吉崎先生の持ち味が十分に発揮されている。
また、本作では他の作品のパロディやオマージュ、セリフや演出の引用も多く、アニメにおいてもその傾向は引き継がれ、中にはタイトルがオマージュとなっている話や(例:アニメ第1話のタイトル)、一話丸ごとパロディというものもある。
あらすじ
ガマ星雲第58番惑星「ケロン星」から地球(地球外の全宇宙人の呼称は「ペコポン」)の侵略のため、先遣隊が派遣された。
その隊長・ケロロ軍曹、突撃兵・タママ二等兵、機動歩兵・ギロロ伍長、作戦通信参謀・クルル曹長、暗殺兵・ゼロロ兵長(後にドロロと改名)の5名の兵士からなる、宇宙侵攻軍特殊先行工作部隊・ケロロ小隊が地球に降り立った。
しかし地球に降り立つ際に、隊員5名は散り散りになり、小隊長のケロロは一軒の民家に潜伏するが、そこに住むペコポン(地球)人の日向夏美と弟の日向冬樹にあっさりと発見・捕獲される。
本隊はこの状況を危険と判断し、彼ら先発隊5名を残して緊急撤退。
地球に取り残されたケロロは、日向家の居候になり、家の掃除をさせられたり、趣味のガンプラを作ったりして毎日を送っている。
やがてバラバラにはぐれてしまった隊員たちが段々とケロロの下へ集結し遂に5人全員が揃う。
その途中、アンゴル族のヒト型宇宙人の少女・アンゴル=モアまでが日向家に居候を始め、日向家はますます大混乱。
変わりに変わった日向家でのさらにへっぽこな日々が続くことになる。
いくらなんでもパクりすぎ?
時には1話丸ごとパロディに仕立てるほどの豪快痛快アニメ
はじめて『ケロロ軍曹』を観た時は驚かされたものだ。
第1話のタイトルからして凄い。
「ケロロ 大地に立つ であります」。
『機動戦士ガンダム』の伝説の第1話「ガンダム大地に立つ!!」とまったく同じではないか。
はじめて観た瞬間から版権侵害を心配したが、どちらも同じサンライズと知ってからはパクりすぎがむしろ面白くなってきた。
シャアの有名なセリフを堂々とパクり、ガンプラまで登場させてしまうサンライズの開き直りぶりが見事だった。
物語序盤時では『エヴァンゲリオン』の名シーンもパクっていたりと、まるでやりたい放題状態の『ケロロ軍曹』。
しかしそれがたまらなく面白い。
なんといっても、パクりの元ネタがわかった時の爽快感といったら他にない。
しかし『ケロロ軍曹』の人気が上がるにつれて、パクりが減ってきたような気がする。
ほのぼのホームコメディアニメ化してしまったことで、観ることをやめてしまった。
その後、他の作品をパロディ化したアニメが数多く生まれているが、版権侵害を心配するほど豪快すぎるパクりを一番はじめにみせてくれたのは『ケロロ軍曹』だったのである。
その点で『ケロロ軍曹』はエポック的な作品だったのではないだろうか。
現在YouTubeには、一番面白かった序盤の『ケロロ軍曹』数話がアップされている。
気になった人は是非。
著者も久しぶりに観てみようかな。
☆今すぐApp Storeでダウンロード⤵︎