憂鬱な雨の日だって音楽ひとつで素敵な日に変わる
雨の日。
嫌いじゃない。
雨音は心を落ち着かせる。
心音と同じだと言われているからだ。
音量が常にほぼ一定で、心地良い音のボリュームで耳に入ってくる雨音。
憂鬱に感じる雨の日だって、楽しみ方はたくさんある。
雨の日が嫌いな人でも、音楽ひとつで素敵な日に変えられるかもしれない。
Rain
『Rain』とは
『Rain』は、大江千里氏の楽曲である。
1988年に発売された7作目のオリジナル・アルバム『1234』の4曲目に収録された。
作詞作曲は大江千里氏。
後に『Sloppy Joe』や『2000 JOE』などのベスト・アルバムに収録され、2018年に発売された『Boys & Girls』には、ジャズ調のインストゥルメンタルが収録された。
歌詞は雨が降る街並みや人を想う不安定な心情を描いたもの。
大江氏は本作の情景について「つつじヶ丘や調布市にあるロータリーを想い描いていた」としている。
曲の中で幾度か転調し、その瞬間で歌詞の時系列が進むという構成になっており、Aメロ部分にはカノン進行が使用されている。
1988年7月21日にEPIC/SONY RECORDSからアルバム『1234』が発売され、『Rain』は『ROLLING BOYS IN TOWN』と『ハワイへ行きたい』の間の4曲目に収録された。
その後『Sloppy Joe』や『2000 JOE』などのベスト・アルバムにも収録された。
2008年のジャズ・ピアニストへの転向後は、本作をジャズ調にリアレンジしたインストゥルメンタルとして演奏しており、2018年に発売されたアルバム『Boys & Girls』には、このジャズ調のインストゥルメンタルが収録されている。
楽曲制作当時にディレクターを担当していた松浦善博氏は、本作を聴いてシングル化を希望していたが、長らくシングル・カットされることはなかった。
2022年3月18日、デビュー40周年プロジェクトの第1弾として、シングル『Rain』とアルバム『Letter to N.Y.』のアナログ盤を5月25日に完全生産限定で発売することを発表。
楽曲の発表から約34年の月日を経てのシングル・カットとなった。
シングルのカップリングには、2018年に発売されたアルバム『Boys & Girls』に収録のジャズ・バージョンを収録。
盤面はクリアブルー仕様になっていて、ジャケットには大川直人氏が撮影した写真を使用。
楽曲が発表されて以降、槇原敬之氏や秦基博氏など他のアーティストによってカバーされており、泰氏によるカバー・バージョンがBillboard Japan Hot 100で最高位64位を獲得した。
秦基博によるカバー
2013年2月21日、同年5月31日に公開のアニメ映画『言の葉の庭』のイメージソングとエンディングテーマを秦基博氏が担当することが発表され、エンディングテーマとして『Rain』のカバー・バージョンが使用されることが合わせて発表された。
同映画の監督である新海誠氏のラブコールに応えてのカバーであるが、泰氏は本作を知らなかったため、「なぜ監督はこの曲を使おうと思ったのか」を考えたとのこと。
アレンジについて、泰氏は「音楽で少し晴れやかな感情を表現しようと、アレンジャーの皆川(真人)さんとサウンドにこだわって作りましたね。ドラムやコンピュータの打ち込みはわざと80年代っぽくしたり、アコギは自分で弾いたり、サウンドメイクは自分らしくできたと思います」と語っている。
また、泰氏は新海監督が「エンディングに込めようとした気持ち」もわかっていたことから、「その気持ちを見ている人に手渡すように」エピローグとして仕上げたと説明している。
2013年5月29日にシングル『言ノ葉』が発売され、『Rain』は2曲目に収録された。
Billboard Japan Hot 100では最高位64位を獲得。
その後、2016年に配信限定で発表されたミニ・アルバム『秦 基博と映画主題歌』や、2017年に発売されたオールタイムベストアルバム『All Time Best ハタモトヒロ』(初回限定はじめまして盤)に収録された。
2013年10月18日に放送されたフジテレビ系『僕らの音楽』では大江氏と共演し、2016年12月7日に放送されたフジテレビ系『2016 FNS歌謡祭 第1夜』ではmiwaさんや藤原さくらさんと共演した。
オリジナルは大江千里
憂鬱さを抱えながらもワクワクすることができる名曲
アニメ映画『言の葉の庭』で、秦基博氏がエンディング曲として歌ったことで一躍有名になった『Rain』。
その完成度があまりに高かったが故に勘違いされがちだが、秦基博氏のそれは実はカバー曲である。
オリジナルは大江千里氏。
言われてみればたしかにという感がある。
大江千里氏特有の男女の機微に触れた文学的な匂いを持った歌詞や、キャッチーでありながらも独特の世界観に浸れるメロディアスさが『Rain』からも感じ取ることができた。
言葉にできず凍えたままで
人前ではやさしく生きていた
しわよせで こんなふうに雑に
雨の夜にきみを抱きしめてた
道路わきのビラと壊れた常夜燈
街角ではそう だれもが急いでた
きみじゃない 悪いのは自分の激しさを
かくせないぼくのほうさ
Lady きみは雨にけむる
すいた駅を少し走った
どしゃぶりでもかまわないと
ずぶぬれでもかまわないと
しぶきあげるきみが消えてく
路地裏では朝が早いから
今のうちにきみをつかまえ
行かないで 行かないで
そう言うよ
秦基博氏のカバー曲が人気となったことで、朝の天気予報でも雨の日は本作(だいたいが秦基博氏のカバー曲の方だが…)がBGMとして流れされている。
不思議なもので、それを聴いただけで気分は前向きになっている。
そのたび大江千里氏が描く世界観の素晴らしさに感じ入ってしまう自分に気づく。
是非一度雨の日に聴いてみてほしい。
本作がどれほどの名曲なのかは、その時はじめてわかるだろう。
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