アニメ
ようこそ実力至上主義の教室へ
『ようこそ実力至上主義の教室へ』とは
『ようこそ実力至上主義の教室へ』(英題: Classroom of the Elite)は、衣笠彰梧先生によるライトノベル作品。
イラストはトモセシュンサク氏が担当している。
略称は「よう実」 。
MF文庫J(KADOKAWA)より2015年5月から刊行されており、2020年1月から『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編』にタイトルを変更して続刊中。
韓国やアメリカをはじめとした複数の国において本作の翻訳版が刊行されている。
物語の舞台は進学・就職率ともにほぼ100%といわれる名門校・高度育成高等学校。
しかし、実際は完全実力主義の高校であり、進路が約束されるのは卒業時に最も成績の良かった1クラスのみであるうえに、成績を残せない最底辺の生徒は退学処分となってしまう。入学した生徒たちは学校側が課すゲーム的なルールに基づいた特別試験をクラス対抗で争うこととなり、獲得したポイント数によってクラスランクが変動する。
本作では学力や身体能力のみならずコミュニケーション能力や発想の独創性、交渉力など様々な能力が求められる。
さらに個人が利己的に振る舞うことが結果的にクラスの敗北を生むため、他クラスに勝利するためにはクラス全員が一丸となることが必要不可欠となる。
問題児揃いのDクラスに配属された主人公・綾小路清隆は、Aクラスを目指すクラスメイト・堀北鈴音に協力することとなり、クラスメイトが引き起こす問題を解決しながら、その裏でとてつもない実力を発揮していくこととなる。
『このライトノベルがすごい!』(宝島社)では2020年度から3年連続で文庫部門トップ5入り、2020年度から3年連続で読者投票1位を達成。
10 - 20代から圧倒的な支持を集めている。
2022年2月時点で電子版を含めたシリーズ累計発行部数は600万部を突破している。
また、メディアミックスとしてコミカライズ化とテレビアニメ化が行われている。
コミカライズに関しては2本の本編コミカライズが連載中となっており、スピンオフコミカライズが2017年から2018年まで連載された。
テレビアニメに関しては第1期が2017年に放送され、続編となる2期が2022年7月、第3期が2023年に放送予定となっている。
ようこそ実力至上主義の教室へ 1 (MFコミックス アライブシリーズ)
アニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ』とは
『ようこそ実力至上主義の教室へ』は、衣笠彰梧先生によるライトノベル作品『ようこそ実力至上主義の教室へ』を原作としたテレビアニメ。
第1期はAT-X、TOKYO MXほかにて2017年7月から9月まで放送された。
原作小説の1年生編1 - 3巻の内容を基にアニメ化されている。
また2022年2月には続編の製作が発表された。
第2期『ようこそ実力至上主義の教室へ 2nd Season』は2022年7月、第3期は2023年にそれぞれ放送予定で、原作の1年生編が全てアニメ化される。
Classroom Of The Elite Blu-Ray/DVD(ようこそ実力至上主義の教室へ 全12話)
あらすじ
物語の舞台は進学・就職率共に100%と言われる進学校・東京都高度育成高等学校。
同校では全生徒に月10万円相当のプライベートポイントが支給されるだけでなく、授業中の私語や居眠りなどのサボタージュも黙認されていた。
新入生である主人公・綾小路清隆が配属されたDクラスは問題児ばかりであり、彼らは同校の好待遇を利用し、自堕落な生活を送っていた。
しかし、入学から1か月後、毎月振り込まれるはずのポイントがDクラスの生徒には振り込まれておらず、その原因が今までの自堕落な生活によって学校からの評価を大きく落としたことであることが担任から告げられる。
Dクラスの面々は同校が優秀なものだけが好待遇を受けられる実力主義の学校だという事実を知ることとなる。
各国の反響
2017年7月にテレビアニメが放送されると人気は急速に拡大し、原作小説シリーズの重版へと繋がった。
放送前の2017年5月時点でシリーズ累計発行部数は50万部だったが、放送開始後の同年8月には原作小説の累計発行部数が100万部を突破し、原作小説だけで少なくとも50万部以上の売上増となった。
また、『BOOK☆WALKER 電子書籍ランキング』ではテレビアニメ放送前の2017年度上半期ランキングで総合55位だったが、テレビアニメ放送後の2017年度年間ランキングでは総合5位を獲得した。
中国のオタク文化事情に精通した百元籠羊氏は、中国における本作の反響について以外のように述べている。
中国では配信開始以降急速に人気が高まり、非常に熱心なファンを獲得している。
「学校での評価が即座に金銭的なものになる」というのは中国の学生にとっては非常に心惹かれる、自分の妄想をテーマにしたような作品に感じられたりもする。
そして設定に興味を感じて見始めて、主人公のキャラクターや頭脳戦ベースのストーリー展開にハマってしまう人もかなり出た。
また『Anime News Network』のコラムにて、ライター兼ジャーナリストのGabriella Ekensは本作について「表面的には世界で最も豪華な高校で奇妙なマキャヴェリズムを持った高校生たちが馬鹿げた計画を行うアニメの1つにしか見えない。しかし、学校教育における競争型エリート主義の根底にある価値観とそれが彼らにとって何の役に立つのかについて、驚くほど知的に表現している」と分析する。
また、彼女は本作のサブタイトルとなっている文学的な引用ついて以下のように述べている。
『ようこそ実力至上主義の教室へ』のサブタイトルに使用されている文学的な引用は一貫して的を射ている。
第1話のサブタイトル「悪とは何か――弱さから生ずるすべてのものだ」は悪名高い哲学者・フリードリヒ・ニーチェが残した言葉だが、彼は過激な個人主義者で、人間の繁栄を自著によって促そうとしていた。
彼の自著は、しばしば権威主義的なエリートによる人類の支配を提唱しているように誤解されているが、実際はそのような専制政治を批判していたのである。
『ようこそ実力至上主義の教室へ』も同様に危険なゲームをしているのである。
以降のエピソードではニーチェが多大な影響を受けた哲学者・アルトゥル・ショーペンハウアーや、資本主義の最初の理論家・アダム・スミス、人間の自由についての難しさと必要性を説いた哲学者・ジャン=ポール・サルトル、民主主義の時代を切り開いたフランスの作家・ジャン=ジャック・ルソーなどが残した言葉を引用している。
興味深いのは、製作陣がより具体的に引用しているのが、ルソーの「エミール」(「教育」)であるということだ。
『ようこそ実力至上主義の教室へ』は、このような目的のために作られたシステムを乗り越えるために奮闘する若者たちを描いているため、この種のことを風刺していると言えるのではないだろうか。
Gabriella Ekens
原作ファンには不評?
アニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ』は、どうやら原作ファンには不評らしい。
どうやらその理由はアニメの構成にあるらしく、原作のシナリオが不必要に前後しているからだという。
原作至上主義者たちの批判したい気持ちは痛いほどわかる。
原作者が考えに考え抜いた構成を、アニメの都合でねじ曲げるのはやはりいただけない。
いただけなくはあるのだが、原作を知らなければそれはそれでひとつの作品として、視聴者には受け止められる。
批判したい気持ちはわかるが、原作未読の著者にとってアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ』は、申し訳ないが非常に面白い作品だった。
登場キャラのイラつきを第3話まで何とか堪えて…
アニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ』を面白いとはいったものの、最初は登場キャラクターに正直イラついた。
絵に描いたような「いい子」でいようとするキャラクターには嫌悪感しかなかった。
あのままだったら、途中で観るのをやめていただろう。
だがやはり、それほど単純な話ではなかったようだ。
最初に感じたイラつきは、正確には第2話の最後で解消され、第3話で面白さが勝っていた。
もしこれから観ようと思っている人がいたら、なんとかそこまでは堪えて欲しい。
そこからが面白くなっていく。
主人公キャラの大化け
前述した分岐点では、時を同じくして主人公もキャラ変している。
いや、キャラ変という表現が果たして正しいのかは微妙だが、想像していたキャラとは違うことが明らかになる。
それまでの主人公のキャラクターは、事なかれ主義の「日和見タイプ」だとばかり思っていたのだが、こういう雰囲気のキャラには珍しく「能ある鷹タイプ」であった。
学園モノではよくいる「目立ちたくないタイプ」には違いないが、主人公が実は凄い能力を秘めているという設定は嫌いではない。
むしろ大好きだ。
主人公の今後の活躍に期待は募るばかりだ。
あえて言えば学園知能戦モノ
あらゆる学園行事を知恵と策略を駆使して他クラスと争い、その順位を競う『ようこそ実力至上主義の教室へ』を、あえてカテゴライズするとしたら学園知能戦モノと名付ける。
そこには知恵と策略だけでなく、心理戦や人心掌握術までありとあらゆる知性が必要とされる。
さらにまだ高校生という青さも相まってくるから興味は絶えない。
まだまだこれからというところで1期は終了してしまったから、とにかく『2nd Season』が待ち遠しい。
2022年7月4日よりTVアニメ2期放送
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