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ioritorei’s blog

完全趣味の世界

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【アニメ『陰の実力者になりたくて!』】中二病全開のタイトルに騙されるな!コメディとシリアスのバランスが絶妙な傑作。

 

 

 

 

アニメ

陰の実力者になりたくて!

 

 

『陰の実力者になりたくて!』とは

 

 

『陰の実力者になりたくて!』は、逢沢大介先生による小説。

Web版は小説家になろうにて2018年1月から掲載中。

単行本はエンターブレイン(KADOKAWA)よりB6判のサイズで2018年11月から刊行され、イラストは東西さんが担当。

2022年9月時点でシリーズ累計発行部数は200万部を突破している。

このライトノベルがすごい!」単行本・ノベルズ部門では2020年版で3位を獲得している。

なお書籍版では4巻以降、Web版とは異なる展開へと分岐している。

メディアミックスとして、坂野杏梨先生による漫画版が「月刊コンプエース」(KADOKAWA)にて2019年2月号から連載中で、スピンオフ漫画『陰の実力者になりたくて! しゃどーがいでん』が同誌にて2019年9月号から連載中。

また、2022年10月からはテレビアニメが放送中。

 

 

陰の実力者になりたくて! 01

陰の実力者になりたくて! 01

 

 

陰の実力者になりたくて! (1) (角川コミックス・エース)

陰の実力者になりたくて! (1) (角川コミックス・エース)

 

 

 

アニメ『陰の実力者になりたくて!』とは

 

 

2022年10月よりAT-Xほかにて放送中。

第1話では「小説家になろう」で「書籍発売記念閑話」として公開され、後に書籍版4巻に収録された主人公シドの転生する前のエピソード「彼の名は影野ミノル」をプロローグとしてアニメ化している。

アニメ企画当時は原作4巻は未刊行だったが、監督の中西和也氏は「この作品の一番の特徴を説明するのに一番判り易い話だった」と語っている。

原作での転生先は中世ヨーロッパ風の世界だったが、アニメでは魔力と魔剣士が存在するのは原作通りだが、蒸気機関車による鉄道が走っていたり銃器があるなど近代に近いテクノロジーレベルで描かれている。

オープニング映像ではそれをより推し進め「もし現代世界にシャドウガーデンがいたら」「本編とは真逆の白を基調としたスーツを身にまとうアルファ達」「青空の下でビルの間を飛翔し敵と戦うシャドウガーデン」という本編ではありえないif(もしも)の世界観を描いている。

 

 

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あらすじ

 

 

物心ついた頃からヒーローでもビランでもなく、文字通りヒーローを陰で助ける様な陰の実力者に憧れていた影野実は、学校では目立たない様に過ごしながら裏では最強の陰の実力者となる為の修行を積んでいた。

やがて核兵器にも勝てる未知の力を求めて過酷な修行に臨む様になるが、高校最後の夏、修行帰りに幻覚を見た事でトラックに轢かれてしまい死亡。

魔力のある異世界に男爵家の息子シド・カゲノーとして転生する。

転生してからの10年間シドは転生前と変わらず実力を隠しながら裏で修行を続けていたが、ある時修行と資金集めの一環で盗賊団を討伐して得た、悪魔憑きが発現した肉塊に魔力実験を施した所、何と肉塊がエルフの美少女に。

シドは「恩を返したい!」と言い出したエルフを納得させるためアルファと名づけ自身の配下とし、「御伽話に登場する魔人ディアボロスの復活を狙うディアボロス教団を潰す!」と適当を語り陰の組織シャドウガーデンを設立する。

ところが、シドが単なる妄想で語った筈の話の一連は実は “嘘から出た実” であり、何とディアボロス云々は本当に存在していた。

こうしてシドことシャドウ自身が事態を把握しないまま、シャドウガーデンはディアボロス教団との戦いに身を投じていく事となる。

 

 

 

主要登場人物

 

 

シャドウガーデン

 

シド・カゲノー / シャドウ / 影野実

声 - 山下誠一郎

 

本作の主人公。

カゲノー男爵家の第2子。

幼いころから陰の実力者に憧れて努力してきたが、あるとき異世界に転生した少年。

このため転生前の現代日本の知識を持っている。

少女たちをノリで配下にし、シャドウガーデンを率いる陰の実力者設定を楽しみ、本人が定める「陰の実力者ムーブ」をその場のノリで実行しているが、自身がでっち上げた設定が実在し、自分が本物の陰の実力者になっていることを知らず、七陰はごっこ遊びの茶番であることをわかっていながら色々と設定を考えて律儀に付き合ってくれている仲間だと思っており、敵も(妙にノリのいい)野盗や犯罪者の類だとしか思っていない。

普段は一般人として生活しつつ、裏では野盗を襲撃して金銭を奪い、闇の実力者としての設備を調えることを生業としている。

このため、七影よりも金の方が大事にしか見えないこともある。

転生前の名前は影野実(アニメでは影野ミノル)。

コミカライズ版のプロローグでは転生前は鍛えすぎてマッチョ体型になっていた(途中で普通の体型に戻っている)が、これは作画担当者の独自設定であり、原作で転生前を描いた「彼の名は影野ミノル」及びテレビアニメ第1話では、戦った敵のセリフで平均的な身長・体重であることが明言されている。

そのキャラクターは中二病に感染した求道者且つ愉快犯。

陰の実力者になることを目指して転生前から最早狂気ともいえる程徹底的に努力し、その意欲と下地もあって作品中最強の魔力、戦闘能力を得ることになり大概の敵を瞬殺している。

ちなみに、本人も(調子に乗ることはあるが)頭は良い方ではなく七陰の一部の方が頭脳は上だと自覚しており、赤点をとらないモブを装える程度にしか鍛えておらず、数日前の自分の行動を覚えていないなどの間抜けな言動を行ったり、自分勝手な想像で事実とは異なるおかしな結論にたどり着くことがある。

妙なところで醒めている部分もあり、自分が子供の夢を追っている狂人と世間から見られる事も自覚すると共に悪の組織なんて実在しないとも考えており、あくまでも自己満足を行動原理としているためか、人助けをしても金銭などの報酬や見返りを求めることもない。

一方で、犯罪者相手には金銭目的の強盗や窃盗を躊躇なく行い、自分の知識を活かして成功した友達という認識のガンマに対して300万ゼニーを借りパクしようと目論むなどズレたところがある。

本人の努力で強大な戦闘力を得ているためか、他人の努力は評価する一方、薬などによる安易な戦闘力の向上や稚拙な技に対しては辛辣な言動になる。

あらゆるものを切り捨ててまで最強を目指したため、他者に対する欲求をも切り捨てているという背景もあって大勢の女性たちから慕われているが恋愛欲求は持たず、性的欲求があるのかすらも怪しく、自身の行為に対して他者がどのような反応をするのか無頓着なのが欠点だといえる。

自分に様々な肉体改造を施しており、魔力の使用に適した肉体に作り変えたり、鍛錬に充てる時間を増やすためショートスリーパーにするなども行っている。

「普段は一般人のフリをしているが実は世界最強」に憧れている狂人なので、行動する時以外は目立たず実力を徹底的に隠すことに徹している。

アンチヒーローらしい登場や活動だけでなく、「学園一の美少女に告白して玉砕する」や「武闘会で優勝候補と対戦して無残に倒される」などモブらしい行動にも憧れて拘って技名をつけているほどである。

自身の欲求しか頭になく良心があるのかすら怪しいのだが、実力者としての美意識に拘っているので一般市民を無意味に攻撃することはなく、基本的には犯罪などで危険な目にあっている人は正体を隠して助けている。

かといって悪党に情けをかけることはなく、シャドウガーデンの利益も含めて周辺の事情など気にせず自分の欲求を優先するという自分勝手な判断さえ迷わず行う。

七陰を含むシャドウガーデンのメンバーは、本来なら死を待つだけの悪魔憑きと呼ばれる状態から救ってくれたり、転生前のうろ覚えの知識や技能などを「陰の叡智」として教え、それらが七陰を中心とした高い能力で再現・開発されることでとてつもない利益を得ていることから、シャドウは卓越した頭脳や知識を持っていると解釈し戦闘力は本物であることも相まって崇拝レベルの忠誠心を得る一方で、本人は助けた恩もあって悪ノリに付き合ってくれる友達程度の感情だと思っている。

日中は家族と過ごし、夜はアルファ達七陰の元に訪れて数年間衣食住の世話をしたり武術・知識・技能などを教えていることからかなり面倒見が良いところも窺える。

部下たちは彼の言動に十手先を見通しているような感銘を受けるが、当人は何も考えておらず、思わせぶりの適当な言動や単なる独り言が、状況とたまたま一致したりするだけなのでスレ違いが生じている。

このため視聴者視点からはコメディーリリーフにも見える。

また、前世において家の教育方針で嫌々ピアノを習い始め、その後は弾けたらかっこいいという理由で練習を続けて熟達しており、それがイプシロンにも伝わっている。

 

スライムボディスーツ、スライムソード

 

シドがシャドウガーデンを設立するよりも前に開発した装備で、シャドウガーデンではメンバー全員が使用する標準装備となっている。

この世界でのスライムは魔力を使って変形する液体状の魔物。

それらを大量に狩り集めてゼリー状に固め、ボディスーツと剣として形成したもの。

魔力伝導率が99%と高い上に使用者の意志一つで自在に変形するので攻防一体の極めて使い勝手のいい装備。

また色を変えることもでき、スライムの量を調整すれば外見を変化させて全くの別人になることもできるため、変装道具としても活用できる。

開発当初は単に黒いスライムが全身を覆っているだけの状態だったが、後に改良されボディスーツらしい外見となった。

コミカライズ版では開発当初は装飾の無いコートのような状態となっている。

ちなみに、これを開発する前はずた袋で顔を隠していた。

 

武術

 

転生前の武術を元に、転生後の世界における一般的な流派よりもはるかに実戦的な戦闘術を身に着けており、それらを七陰にも教えたためシャドウガーデンのメンバー全員にその戦闘術が伝わっている。

それ以外にも、基本に忠実な凡人の剣技、美しさに重点をおいたスタイリッシュな剣技、予備動作すら認識できない本気の剣技といった様々な剣技だけでなく鋼糸を使う技などを考案・習得しており、それらと徒手格闘を組み合わせて戦っている。

作中では「防御するだけで敵を手詰まりにさせる」といった武の極みともいえる域に達している描写もある。

 

アイ・アム・アトミック

 

Web版旧名アイ・アム・テポドン

「核(核兵器の爆発)で蒸発しないためには、自分が核になればいい」という発想で生み出されたシャドウの奥義。

スライムソードに魔力を集中した状態で突くことで、一直線に伸びる光の奔流を生み出す。

その威力は射線上の存在が塵も残さず蒸発する程。

派生奥義はアイ・アム・オールレンジアトミック、アイ・アム・リカバリーアトミック、アイ・アム・アトミックレインなど。

コミカライズ版では突いた瞬間に光が縦に伸びる巨大な爆発を起こし、地形を変えるほどの大穴を開けている。

テレビアニメ版では破壊規模が広がり、突くのではなくその場で剣を振るって起爆している。

 

モブ式奥義四十八手


シド時に使用する、彼の考えるモブらしいやられ方(死に方)の数々。

攻撃を受ける直前に用意した血糊を使って出血を偽装し、あたかも攻撃でやられたかのように見せかけたり、脳への血流を魔力で制御して心臓を止めての死んだふりなどができる。

そのため外見は重症や致命傷を負っているような状態に見えても、実際は軽傷程度に抑えていたり、修行の成果や魔力による治癒で本当に重傷でも問題なく活動できる。

シド本人はモブらしいと思っているようだが、大怪我を負っているように見える外見のまま平然と復活するため、本人の思惑とは逆に目立ってしまっている。

元々は「モブらしい敗北」をするために編み出したものだが、敵などに襲われた場合に死んだフリやシャドウの姿への交代として使用する場合もある。

選抜大会のローズ・オリアナとの試合において使用した際は、四十八手全てを使うことにこだわり過ぎて何度も吹き飛ばされては復活するため、ローズに「不屈の精神で肉体の限界を超越し、絶対に勝てない相手に挑む」と感銘を受けさせ、シェリーには「何度も立ち上がる姿がカッコいい」と評価されていた。

 

 


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七陰(しちかげ)

 

アルファ

声 - 瀬戸麻沙美

 

七陰の第一席。

シャドウガーデン最初のメンバーで金髪のエルフ。

七陰でも最高の頭脳と戦闘力を併せ持つ完璧超人。

実質的な統括役を務めることもあってか七陰間でも敬称で呼ばれており、シャドウに対してはシャドウガーデンの中で一人だけ呼び捨てにするなど、他の七陰よりも気安く接している。

悪魔憑きによって身体が醜く崩れ、売られて輸送中のところを盗賊に襲われて廃村に持ち込まれ、その廃村を更にスタイリッシュ盗賊スレイヤーとして盗賊狩りを行っている最中のシャドウが襲撃。

魔力制御の実験台としてシャドウに持ち帰られ、実験の結果悪魔憑きが完治し体が元に戻った。

この時恩を返すと言い出した彼女に対し、シャドウが陰の実力者ごっこにアルファを付き合わせるために、ディアボロス教団の話をでっち上げたのがこの物語の始まりになっている。

独自に調査・検証することでシャドウが語ったでっち上げの設定や転生前の知識が真実だと確信し、シャドウに全幅の信頼を寄せている。

クレア誘拐事件の後に他の七陰と共に各地へ散った後、自分と同じく悪魔憑きとなった人物を治療しナンバーズなどのメンバーとして加入させていき、彼女を中心にしてシャドウガーデンという組織が、シャドウの与り知らぬところで巨大化していった。

実は英雄オリヴィエの子孫。

彼女やベアトリクスに容姿が似ている。

 

 


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ベータ

声 - 水瀬いのり

 

七陰の第二席。

何かあるたびにシャドウの英雄譚を綴る白銀髪のエルフ。

アルファとは悪魔憑きとなる前から知り合いであった。

七陰の中でも1、2を争うほどにシャドウに心酔している。

戦闘力は高いが戦闘そのものには興味はなく、自分なりの研鑽などは行わず教わった通りの戦闘術を忠実に守り様々な事をそつなくこなすため、二つ名は「堅実」。

シャドウガーデンに加入直後、人を殺すことに慣れずに寝られなかったところ、寝物語としてシャドウから様々な文学作品を聞かされている。

後にそれらを元に自身の文才も活かして世間に出版したところ大ヒット。

このため表舞台では多種多様なジャンルの作品を発表する男女問わず人気の売れっ子小説家ナツメとして名声を博している。

売れっ子小説家という立場が情報を集め易い上に上流階級にも顔が効き、その結果偽装とはいえシャドウと恋人関係になったアレクシアを嫌ってはいるが、正体を明かさずにローズと共に友人関係になっている。

 

 

ガンマ

声 - 三森すずこ

 

七陰の第三席。

七陰でも最高といえる程卓越した頭脳を持つが、運動能力が低いエルフ。

シャドウによる商品の知識を得て、「ミツゴシ商会」の会長兼「ミツゴシ銀行」の頭取を務める。

何もない所でも転ぶほどの運動音痴であり、二つ名は「最弱」。

自身が他の七陰よりも弱いため後方支援を任されていることを理解してはいるが、本人はシャドウと並んで戦いたいと願っている。

他の七影と同様に強大な魔力を持っているため防御力や力は常識外れの域にあり、運動神経や戦闘センスのなさから技術の習得が無理だと悟ったシャドウから教わった「魔力をたくさんこめて叩き切る」というスタイルで、剣を魔力任せで無茶苦茶に振り回すことで一応戦うことはできる。

戦闘センスのなさからデルタには見下されているが、その戦闘スタイルからシャドウ曰く同類。

シャドウガーデン加入直後は戦闘センスが全く無いことがコンプレックスとなっておりシャドウガーデンを去ることも考えていたが、シャドウが「陰の叡智」と称して前世の知識を語ったことで武力ではなく知力で戦う決意を固め、現在の立場に落ち着いた。

 

 


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デルタ

声 - ファイルーズあい

 

七陰の第四席。

犬の獣人の少女。

以前の名はサラ。

七陰の中でも戦闘能力が突出しており、荒々しい戦い方をするが天性の戦闘センスを持ち、潜伏や獲物の感知も優秀な生粋の狩人。

圧倒的なパワーを持つが脳筋なので搦め手に弱い。

頭が悪くて戦闘技術を覚えられないというガンマとは別の意味でシャドウから技術の習得が無理だと判断され、ガンマ同様「魔力をたくさんこめて叩き切る」という力任せのスタイルで戦う。

嗅覚や聴覚などの感覚器官はシャドウも種族差を痛感して自分より上と認める程。

別名は「鉄砲玉」及び「特攻兵器」。

コミカライズ版では「無鉄砲特攻兵器」と長くなっている。

戦闘力を至上としがちな獣人の中でも特に極端であり、一目見てシャドウを格が違う相手と悟り従順になり、アルファにも知能の差で負かされたために言うことを聞くなど自分より強い者には服従するが、弱い者には従わず、特にガンマは模擬戦などで叩きのめし見下している。

また、シャドウガーデンの目的やディアボロス教団との関係性などは全く理解しておらず、自分の体を直してくれたシャドウに対する恩義と上記の実力主義により、シャドウガーデンというよりシャドウとアルファの命令をきいている。

シャドウを「ボス」と呼ぶ。

 

 

イプシロン

声 - 金元寿子

 

七陰の第五席。

魔力制御能力が群を抜いている子供体型のエルフ。

元々の身分は家柄もよく、才色兼備で文武ともに優秀な能力を示しそれを誇るほどプライドが高い性格だったが、悪魔憑きになったことで全てが崩壊し、シャドウに救われた。

表舞台ではシロンという名前で、シャドウから教わった曲とピアノの腕を披露し、有名な作曲家兼ピアニストとして活動している。

子供体型にコンプレックスを持っており、天然物の爆乳の持ち主であるベータを敵視している。

魔力の斬撃を飛ばすことを得意とする程の魔力制御から二つ名は「緻密」。

スライムボディスーツを一目見るや「盛れる」と判断し、魔力制御の訓練を誰よりも長期間行い、発育のいいベータを観察し続け、就寝以外常にスーツを着用して理想のプロポーションを偽装し続けている。

しかし、シャドウ自身はその胸が盛っているものであると見抜いており、自分とは異なる方面での魔力制御技術に感銘をうけて時折凝視している(この視線をイプシロンはプロポーションに見とれていると勘違いし、ベータに自慢している)。

ちなみに卓越した魔力制御を身に着けるまでは、七陰の中でも頭脳と戦闘力共に下から二番目、総合能力でも上に二人いると自身が回想している。

突出した長所が無いことに自分の立場が無い危機感を感じ、シャドウを誘惑する美貌を求めてスライムボディスーツによる体型の偽装を始めた。

 

 

ゼータ

声 - 朝井彩加

 

七陰の第六席。

世界各地で諜報活動を行なっている隠密担当の獣人。

小説・漫画では未だ出番がないが、テレビアニメ版ではショートヘアの獣人として登場している。

 

 

イータ

声 - 近藤玲奈

 

七陰の第七席。

技術面で優れているがマイペースな研究担当のエルフ。

小説・漫画では未だ出番がないが、テレビアニメ版では出番が用意されているのはゼータと同様。

テレビアニメ版のOPにおいてはシャドウガーデンとして活動するとき以外は、ほぼ寝続けている。

 

 


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主題歌

 

  • 「HIGHEST」

 

OxTによるオープニングテーマ。

作詞はhotaru、作曲はTom-H@ck、編曲はKanadeYUK。

 


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  • 「Darling in the Night」

 

七陰によるエンディングテーマ。

作詞は烏屋茶房、作曲・編曲は篠崎あやと、橘亮祐。

歌 - アルファ(瀬戸麻沙美、第2話)、ベータ(水瀬いのり、第3話)、ガンマ(三森すずこ、第4話)、デルタ(ファイルーズあい、第5話)、イプシロン(金元寿子、第6話)、ゼータ(朝井彩加、第7・9話)、イータ(近藤玲奈、第8話)

 

テレビアニメのエンディングではエピソードごとに一人ずつ歌うソロの歌となっている。

CDでは全員が同時に歌っているバージョンが収録されている。

 

 


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コメディとシリアスのバランスが絶妙な傑作

 

 

中二病全開のタイトルに騙されるな

 

『陰の実力者になりたくて!』

この、いかにも中二病全開のタイトルを見たり聞いたりして、放送開始前や直後に即リタイアした人も多いと聞いた。

たしかにタイトルは狙いすぎた感が満載。

どういう内容の物語なのかも一目瞭然。

出オチ感に溢れている。

想像通り、第1話はベッタベタな展開。

うん、たしかにこれなら先が見えてしまった気がして離脱するのも頷ける。

しかし、この "いかにも" なタイトルに騙されてはいけない。

本作の魅力は、この "いかにも" にこそ隠されているのである。

 

 

"勘違い" こそ本作の醍醐味

 

タイトルから想像する通り、本作の主人公が中二病全開勘違いキャラであることは間違いない。

しかし我々のタイトルへの認識からして、すでに原作者のミスリードのような気がする。

あえて勘違いを誘発させられている?

主人公は実は「陰の実力者」に相応しい最強チート設定。

それも自らの鍛錬で鍛え上げたガチ勢。

だから本物になれるだけの素質を持っている。

そこが本作の肝である。

「嘘から出た実」を成立させるだけの土壌がちゃんと整っているのだ。

主人公は自身がでっち上げた「陰の実力者」という中二病設定が、本当は実在し、すでに自分が本物の「陰の実力者」になりかけていることをまったく知らない。

主人公をサポートする「七陰」を、"ごっこ遊びの茶番であることをわかっていながら色々と設定を考えて律儀に付き合ってくれている仲間" だと思っており、敵も "(妙にノリのいい)野盗や犯罪者の類" だとしか思っていない。

せっかく望み通り「陰の実力者」になれているのに、肝心要の主人公本人がまったく気づいていない。

あくまで、手の込んだごっこ遊びとしか思っていない。

このズレが、主人公の最強チート設定と七陰のガチぶりと相まって異常に面白い。

視聴者はタイトルで勘違いさせられ、主人公は己の置かれた環境と立場を勘違いし、七陰は主人公の人物像を勘違いしている。

まさに勘違いの連鎖が生んだ面白さ。

勘違いこそ、本作の醍醐味なのである。

 

 

七陰、最高

 

昨今では、美少女が登場しないアニメなどというのは、まず存在しない。

どんな作品でもひとりくらいは美少女キャラが登場する。

あまり美少女アニメに興味がない著者でも、その作品ごとにお気に入り美少女キャラがいないわけではない。

それでも所詮はお気に入り程度。

推しとはまた別の話である。

美少女キャラに情熱を傾けない著者であるが、本作に登場する七陰は、久しぶりにどハマりしたキャラクターだった。

ビジュアルが良いのは当たり前だが、なんといってもそれぞれのキャラが良い。

一人ひとりがしっかりキャラ立ちしていて、それぞれに魅力がある。

また、オン(シリアス)とオフ(コメディ)のギャップも良い。

主人公を心酔しているにもかかわらず、肝心の主人公からは才能を妬まれていたりするから、それがまた面白い。

制作陣の小出しぶりが、焦ったくもいじらしい。

なかなか本格的に七陰を活躍させてくれない勿体つけようは、少なくとも著者のツボだけは見事に突いている。

回を増すごとにどんどん巨大化していく組織にワクワクもする。

このようなすべての要素が相まって、「七陰、最高」ということになる。

美少女キャラにハマるのは久しぶりだ。

七陰のキャラは全員好きだが、なかでも今一番のお気に入りはデルタ。

しかし本格的な活躍は一度きり。

でも、不思議と嫌ではない。

それほど勿体つけ方と魅せ方が巧い。

気になった人は是非。

 

 

 

第1期がいきなり全20話放送という本気ぶり

 

 

数多登場する近頃のアニメ業界で、2クールぶっ通し放送できる作品といえば、その数は激減する。

それこそ鬼滅の刃』『SPY×FAMILY』クラスの有名作に限られてしまうだろう。

それを本作がやってのけたのは驚きだった。

原作未読の著者にとっては無名作品でも、ライトノベル界やコミック界ではそんなに期待の有名作品だったのか?

とにかく、アニメ第1期がいきなり全20話放送という事実からは、制作者サイドの本気ぶりが窺える。

おまけに第2期の放送も決定。

ノリノリだ。

本作は、もしかしたら思いもよらない大作になるのかもしれない。

今はただ、大きな期待感と共に第2期の放送を待ちたいと思う。

 

 

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