ドラマ(2016年)
Chef〜三ツ星の給食〜
『Chef〜三ツ星の給食〜』とは
『Chef〜三ツ星の給食〜』は、2016年10月13日から12月15日まで毎週木曜日22時 - 22時54分にフジテレビ系の「木曜劇場」枠で放送されたテレビドラマである。
全10話。
天海祐希さんが、シェフ役に初挑戦。
天才女性シェフが、失った "三ツ星" を取り戻すべく、どんな状況でも力強く前向きに人生を切り開いていく痛快エンターテインメント作品。
あらすじ
日本だけでなく世界中から注目される三ツ星レストランの天才女性シェフ・星野光子(ほしの・みつこ)。
男性社会ともいわれる料理の世界で、厳しい修業時代を強靱な体力とタフなメンタルで乗り切り、パリの名だたるフレンチレストランで修行し、数々の有名コンクールで優勝。
帰国後は、銀座の有名フレンチレストラン「La Cuisine de La reine(ラ・キュイジーヌ・ドゥ・ラ・レーヌ)」の総料理長に就任した。
繊細な味覚と他の追随を許さない創造性で次々と新たなレシピを生み出し、世界有数のトップシェフまで上り詰め、「La Cuisine de La reine」は三ツ星を獲得。
メディアにも度々取り上げられ、最近ではテレビ番組でコメンテーターも務めるスター的存在に。
そんな光子の料理を求めて世界中のグルメが店に訪れ、予約は3年待ち。
自分の料理に絶対の自信を持つ光子は "自分の料理を残す客など世界に存在しない" とすら思っていた。
しかし、ある日、彼女はレストランのオーナー・篠田章吾とトラブルを起こしクビになってしまう。
その後、オーナーの妨害と高すぎるプライドが災いしてなかなか新しい店が見つからない中、テレビ番組の企画でなんと "学校給食" を作ることに。
世界最高の料理を作ってきた彼女にとっては簡単なことと思いきや、栄養・経費・味覚の違いなど、多くの壁にぶつかり失敗続きに。
しかも、その過程をテレビで放送されてしまい世間の知るところとなってしまう。
それでもここで挫折する光子ではなかった。
子どもたちに「最高に美味しい」と言ってもらうため、さらには失った星を取り戻すため、天才シェフの給食作りが始まる。
シェフ・レストラン系ドラマにハズレなし
『王様のレストラン』『dinner』『グランメゾン東京』と、シェフやレストランをフィーチャーした作品にはハズレが少ない。
シェフ・レストラン系ドラマには人の生き死にを扱うような重さがないし、起こりうるハプニングも高が知れているから、とにかく気楽に観ることができる。
無駄な緊張感がないのだ。
本作もご多分に漏れず、まったくストレスを感じることなく楽しんで観られる作品である。
またシェフ系ドラマではレストランを舞台とすることがほとんどだが、給食をテーマに扱っているところがさらに良い。
おかげで他作品以上に気楽に観れること請け合いだ。
秀逸な結末
シェフ・レストラン系ドラマでの主人公が天才シェフ設定であることはお約束だが、ラストをどのようにするかでそのドラマのセンスが問われる。
無名店から有名店にしたり三ツ星を獲得したりと、だいたいが予想通りの結末で落ち着く。
本作の想定できる最終回の結末としても、「光子が三ツ星シェフに返り咲く」というのがセオリー通りの展開だろう。
しかし本作が扱うテーマは給食であるから、他作品より結末の幅が大きい。
どこに落とし所を持っていくのか期待していたが、あまりに想定以上の結末が待っていた。
「東京都三つ葉市の三つ葉小学校の給食がレストラン以外で初となる一ツ星を獲得しました。
給食が星を獲得したのは世界で初めてと なります。繰り返します…」
なんと、小学校の給食が一ツ星を獲得するという前代未聞の珍事。
しかも、このあとのセリフがまた良い。
「ボブでイランにノーベル文学賞が与えられる時代だ。レッドスタ ーガイドも粋なことを…」
給食に星を付ける意外性には驚いたが、本作にはさらにトンチの効いた結末が待っていた。
光子曰く、「納得いかない!なんですか星一ツなのよ!何で星三ツじゃないのよ!」とのこと。
さらには「来年は必ず三ツ星取るから!」と鼻息を荒くする。
同じ三ツ星シェフに返り咲くにしても、なるほど、こういう結末もあるのか。
数あるシェフ・レストラン系ドラマの中でも、本作の結末は群を抜いて秀逸だ。
何より、光子のような役を天海祐希さんが演じると最強。
やはりシェフ・レストラン系ドラマにハズレなしである。
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