アニソンの "じゃないほう"
『新世紀エヴァンゲリオン』編
アニソンの "じゃないほう"
今でこそその傾向も弱くなったが、昔のアニメにはその作品を代表するテーマ曲が、必ずといっていいくらい存在した。
その曲はアニメと同義に語られるほど人気を博す。
まさに王道のアニメソング(以下、アニソン)。
しかし天邪鬼の著者はどうやら邪道を好むらしい。
一般的なアニソンランキングにランクインしない王道 "じゃないほう" の曲が、なぜか心に強く響いたりする。
本稿(シリーズ)では、そんな "じゃないほう" の曲に熱くフィーチャーしていきたい。
エヴァといったらこれ!
「残酷な天使のテーゼ」
テレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』テーマ曲「残酷な天使のテーゼ」(英: A Cruel Angel's Thesis)は、高橋洋子さんの11枚目のシングル。
1995年10月25日にスターチャイルドから発売された。
「テーゼ」とはドイツ語で命題・定立を意味する。
アニメと共に本曲もヒットし、シングル発売・放映終了から25年経過しても、エヴァンゲリオンシリーズを象徴する楽曲としてのみならず、アニメソングの枠を超えた高い人気と知名度を保っている。
ほとんどの人が、そう信じて疑わないだろう。
その気持ちは痛いほどわかる。
だが、「残酷な天使のテーゼ」よりもっとテンションが爆上がりする名曲がエヴァには存在するのだ。
エヴァの "じゃないほう"
「魂のルフラン」
「魂のルフラン」(英: Soul's Refrain)は、高橋洋子さんの14枚目のシングル。
1997年2月21日にスターチャイルドから発売された。
本楽曲は、1997年3月15日に公開されたアニメ映画『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』の主題歌(エンディングタイトルロール)に使用されている。
同映画の前売券第3弾の特典ビデオ『新世紀エヴァンゲリオン GENESIS 0:0' THE LIGHT FROM THE DARKNESS』には、本楽曲のプロモーションビデオが収録されている。
テーマは「輪廻」である。
楽曲名に含まれる「ルフラン」とは、「リフレイン」(refrain)のフランス語読みである。
作詞を担当したのは「残酷な天使のテーゼ」(以下、残テ)と同じく及川眠子さん。
いやはや、エヴァといったら残テじゃなくて「魂のルフラン」(以下、ルフラン)でしょう。
どんなに残テが社会でもてはやされていても、ルフランの魂を揺さぶるような衝撃には敵わない。
なぜ、残テじゃなくルフランかって?
それはエヴァという作品は、旧劇場版をもって完結していると頑なに信じているからである。
庵野イズムは旧劇場版にこそ、顕著に表れている。
そしてエヴァンゲリオンという得体の知れない作品の結末は、新劇場版のようなはっきりとしたものであってはいけない気がする。
すべての観た者それぞれに答えがあるようで、それでいて作った本人にしか答えがわからないような、酷く抽象的な表現こそエヴァンゲリオンがエヴァンゲリオンたる所以である。
それでこその庵野秀明監督作品なのだ。
そんな旧劇場版のテーマ曲が神でないわけがない。
残テは神降臨のための露払い。
ルフランの荘厳さにこそ、エヴァンゲリオンの本質が込められている。
ついでにいうと(今はどうか知らないが)、残テは単発だけどルフランは確変。
ルフランが流れてきた時の高揚感たるや、残テとは比べものにならない。
だからというわけでなく、「魂のルフラン」の描く世界観こそ、=エヴァンゲリオンだと信じてやまない。
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