The Brave / YOASOBI
『葬送のフリーレン』OP曲の英語版MV公開
YOASOBIの新曲「勇者」の英語版「The Brave」のミュージックビデオが、2023年11月24日23:30からYouTubeにて公開中。
「勇者」とは
「勇者」(英語: "The Brave" )は、日本の音楽ユニット・YOASOBIの楽曲。
配信限定シングルとして2023年9月29日にソニー・ミュージックエンタテインメントからリリースされた。
本楽曲はYOASOBIの配信限定シングルとしては「アイドル」以来20作目、約5ヶ月ぶりのリリースとなる。
本楽曲はテレビアニメ『葬送のフリーレン』のオープニングテーマとなっており、原作者の山田鐘人監修、木曾次郎著の本楽曲制作用の書き下ろし小説『奏送』を基に制作された。
YOASOBIの2人は原作漫画のファンであり、作品を読んでいた時に感じていた「常に漂うどこか寂しい空気感」や「旅をしていく中でフリーレンが知らない感情に気付いていく心の動き」などをどれだけ楽曲に詰められるかこだわって本楽曲を制作したとコメントしている。
2023年9月23日に行われたテレビアニメの完成披露イベントではYOASOBIからのコメント映像が上映され、作詞・作曲・編曲を手掛けたAyaseは「フリーレンの感情の変化や勇者に対する思いなどをストレートに曲に込めた」とこだわりをアピールし、ikuraは旅の中で変化するフリーレンに思いを寄せ「感情の記憶をしっかり表現できたらいいなというふうに思っています」とコメントしている。
2023年9月1日、テレビアニメのオープニングテーマがYOASOBIの「勇者」、エンディングテーマがmiletの「Anytime Anywhere」になることが発表された。
また、本楽曲を収録した3作目のEPである『THE BOOK 3』が2023年10月4日にリリースされることも発表。
2023年9月27日、YOASOBIは本楽曲を同月29日に配信リリースすることを発表し、配信ジャケットを公開した。
また11月22日には、「勇者」の英語バージョンである「The Brave」を配信リリースすることを発表しジャケットを公開。
11月24日に配信でリリースされた。
【YOASOBIの英語版楽曲の凄さ】日本語のように聴こえるが全編英語詞
「YOASOBIの英語版で好きなのは、日本語版と似ているところ。歌詞の使い方がとてもスマート。ただ訳すだけじゃなく日本語に近い言葉を選んでる。」
YOASOBIの英語版楽曲は、これまでのアーティストのそれとは完全に趣きが異なる。
YOASOBIは "English.ver" として、「夜に駆ける(Into The Night)」や「怪物(Monster)」など、一部の楽曲の歌詞を英訳してリリースしていることでも知られている。
初めて「夜に駆ける(Into The Night)」を聴いた時の衝撃たるや、想像を遥かに超えたものだった。
その衝撃とは他ならぬ、全編英語詞なのに日本語のように聴こえることだった。
しかしただ日本語のように聴こえるというだけでは、巧いと思うことはあってもさほど騒ぎ立てることではない。
しかしYOASOBIの英語版楽曲は、日本人が歌う英語詞楽曲の概念を根底から覆すものだった。
YOASOBI英語版の凄さは、オリジナル日本語詞の言葉の音を英語版でも再現しつつ、かつ歌詞の意味までをもオリジナルからしっかり踏襲していることにある。
【 完全生産限定盤 】 YOASOBI/勇者 CD + 巻物ブックレット(山田鐘人 監修 楽曲用原作小説『 奏送 』収録)
「夜に駆ける(Into The Night)」
「怪物(Monster)」
英語版に受け継がれる音と意味
アニメ『葬送のフリーレン』オープニングテーマ「勇者」でも、オリジナルの日本語詞の世界観を緻密に翻訳した歌詞が、日本のみならず海外のファンをも喜ばせているようだ。
意味を揃えるだけではなく、日本語の音に寄せた秀逸な歌詞は英語版「The Brave」でも健在。
英語なのに日本語にも聴こえてしまう訳詞への驚きと共に、英語版「The Brave」は海外からも注目が集まっているようだ
それも納得。
歌い出しからすでに秀逸。
- 歌い出し
日本語版:「まるで御伽の話」
↓
英語版:Many days tinted in fairy tale scenes
- サビ
日本語版:「同じ道を選んだ」
↓
英語版:Odyssey we shared, on the same path
Ayaseにより作詞・作曲・編曲された同曲の訳詞を担当したのはKonnie Aoki。
2021年にリリースされたYOASOBIの「夜に駆ける」英語版となる「Into The Night」なども手掛け、"空耳" のように聴こえるという曲への深い理解や徹底して妥協しない訳詞で話題になった。
加えて英語版の好評価は、YOASOBIというユニットへの評価の高さへと繋がる。
ファンからは「歌詞英訳してる人も凄いし歌ってるikuraちゃんも原曲の感じを残しつつネイティブの発音で歌えるのがスゴすぎ」など、英語版のこだわり抜いた訳詞を受け、日本語版と遜色ない歌唱力を披露するikuraちゃんに対して感嘆の声も上がっている。
The Brave / YOASOBI
歌詞の英語を日本語の音を寄せるだけの楽曲なら、これまでいくつか存在してきた。
だが意味までオリジナル日本語詞に準じた作品は、YOASOBI以前には存在しなかったと著者は記憶している。
それはYOASOBIが手掛けた数あるアニメ主題歌の中でも、歌詞と物語のシンクロ率が屈指の高さを誇る「勇者」英語版「The Brave」でも健在だ。
名曲「勇者」の詞の中でも、一番泣ける名フレーズを一部抜粋してみてみよう。
Like a fairy tale
(おとぎ話のような)
A proof of reaching the end
(終わりに到達した証)
Encounters that changed me
(私を変えた出会い)
A journey of a hundredth part
(百分の一の旅)
Someday, when the wind
(いつか、風が吹いたら)
Carries away your courage
(勇気を奪ってしまう)
Even if it disappears from everyone's memories
(たとえみんなの記憶から消えても)
I will take it with me into the future
(未来へ持って行きます)
※日本語訳はここではあえて直訳
付けた日本語訳を、ここではあえて直訳してみた。
直訳にしたのには理由がある。
なぜかというと、意訳したならそれはそのままオリジナルの日本語詞になるからだ。
そしてそれは、YOASOBI英語版歌詞の翻訳のクオリティの高さを如実に物語る。
実に秀逸で素晴らしい訳詞だが、YOASOBI英語版楽曲の素晴らしさは実はそれだけに留まらない。
YOASOBIのこの姿勢からは、海外を意識した日本人としての誇りをも感じさせるからだ。
モノマネすることで、アメリカへの憧れを表現し続けてきた過去との訣別。
欧米化を善しとした前時代的な考え方からの別離。
日本語の音と表現を大切にした、言わば日本語文化そのものを尊重したYOASOBIの英語版楽曲は、これからの日本人にとって海外進出の礎になるだろう。
YOASOBIのこれからの、さらなる活躍に注目だ。
彼らが世界の中心のJapaneseとなる日も、そう遠くはないかもしれない。
☆今すぐApp Storeでダウンロード⤵︎