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ビバリーヒルズ・コップ:アクセル・フォーリー
※本稿にはネタバレを含みます。ご注意下さい。
エンタメ洋画はかくあるべき!アメリカの古き良き80年代ムービーがあの頃の雰囲気そのままに完全復活!!
『ビバリーヒルズ・コップ:アクセル・フォーリー』とは
『ビバリーヒルズ・コップ:アクセル・フォーリー』(原題:Beverly Hills Cop: Axel F)は、エディ・マーフィ主演による大ヒットアクションコメディ映画『ビバリーヒルズ・コップ』シリーズの30年ぶりの続編。
『ビバリーヒルズ・コップ』(1984年)、『ビバリーヒルズ・コップ2』(1987年)、『ビバリーヒルズ・コップ3』(1994年)と続いた映画『ビバリーヒルズ・コップ』シリーズの第4弾。
2024年7月3日よりNetflixで配信開始。
かつて高級住宅街ビバリーヒルズで数々の難事件に挑んだデトロイト市警の型破りな刑事アクセル・フォーリーは、娘の命が危険にさらされたことから、新たな相棒と組んで事件を追うことに。
時代の変化によって以前と同じような捜査ができないアクセルだったが、ビリー・ローズウッドやジョン・タガートら旧知の仲間たちの力を借りながら、持ち前の行動力と正義感で事件の真相を暴いていく。
アクセルの新たな相棒をジョセフ・ゴードン=レビットが演じ、テイラー・ペイジ、ケビン・ベーコンが共演。
さらに、ビリー・ローズウッド役のジャッジ・ラインホルドやジョン・タガート役のジョン・アシュトンら過去作でおなじみのメンバーも集結した。
シリーズ1作目と2作目を手がけたジェリー・ブラッカイマーがプロデューサーに名を連ね、『アクアマン』のウィル・ビールが脚本を担当。
シリーズ4作目となる本作は当初、1990年代半ばにエディ・マーフィ自身の製作会社である「エディ・マーフィ・プロダクションズ」による製作のもとで公開されると発表されたが、その後、製作そのものが頓挫していた。
2006年にプロデューサーのジェリー・ブラッカイマーが映画シリーズを復活させる意向を表明し、その製作が再度発表されたが、最終的には製作を断念し、ロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラに製作権利を譲渡している。
同年9月、以前の草稿をいくつか組み合わせた脚本がエディに提示され、彼は「オリジナルの感触」を再現しようとしていると表現された、その脚本の概要に「非常に満足」していると報じられた。
エディは『ビバリーヒルズ・コップ』第4弾を製作する動機のひとつが、第3作目が「ひどい」ものだったという事実の埋め合わせであり、「あのまま(シリーズから)離れたくなかった」という自身の考えを認めている。
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あらすじ
あのアクセル・フォーリー刑事(エディ・マーフィ)が、さらにヒートアップしてビバリーヒルズに帰ってくる!!
娘の命が危険にさらされたことをきっかけに、親子は新たな相棒(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)と組むことに。
ビリーやジョンなどお馴染みの仲間の力も借りつつ、アクセルは新たな陰謀を暴いていく。
山寺宏一氏が30年ぶりにアクセル役の吹替にカムバック
アクセル役の日本版声優に山寺宏一氏が30年ぶりのカムバック。
さらに、かつてのアクセルの相棒ウィリアム・"ビリー"・ローズウッド役に井上和彦氏、第1・2作で活躍したジョン・タガート役に池田勝氏、第1・3作に登場した "サージ" ことセルジュ役に堀内賢雄氏と懐かしの顔ぶれが大集結。
そして初登場となるアクセルの娘ジェーン役に田村睦心さん、ボビー役に内田夕夜氏、フジテレビ版の『ビバリーヒルズ・コップ2』でビリーを演じていた安原義人氏が、ケビン・ベーコンが演じるケイドに扮する。
登場人物
※日本語吹替で過去作からの続投キャストはテレビ朝日「日曜洋画劇場」版の声優陣が続投している。
アクセル・フォーリー
ミシガン州デトロイト出身の、口八丁手八丁で活躍してきた敏腕警部補。
友人や上司が死傷した事件の捜査でたびたびビバリーヒルズを訪れている。
ボビー・アボット
演 - ジョセフ・ゴードン=レヴィット / 日本語吹替 - 内田夕夜
ジェーンの元ボーイフレンドであり、アクセルの新しいパートナーになるビバリーヒルズ警察の刑事。
ジェーン・サンダース
演 - テイラー・ペイジ / 日本語吹替 - 田村睦心
アクセルとは疎遠になっている。
ケイド・グラント
ウィリアム・"ビリー"・ローズウッド
演 - ジャッジ・ラインホルド / 日本語吹替 - 井上和彦
私立探偵。
ジョン・タガートの元相棒。
前作『ビバリーヒルズ・コップ3』までビバリーヒルズ警察に所属していたが、本作ではある事件をきっかけに離れている。
ジョン・タガート
演 - ジョン・アシュトン / 日本語吹替 - 池田勝
前作では、すでに警察を引退していたが本作では復帰している。
アシュトンは『ビバリーヒルズ・コップ2』から35年ぶりに同役に復帰した。
ジェフリー・フリードマン
演 - ポール・ライザー / 日本語吹替 - 及川いぞう
デトロイト市警所属の警察署の副署長で、アクセルの元相棒。
ポールは『ビバリーヒルズ・コップ2』から35年ぶりにこの役に復帰した。
セルジュ
演 - ブロンソン・ピンチョット / 日本語吹替 - 堀内賢雄
ヴィクター・メイトランドに雇われていた画廊の元セールスマン。
事件を捜査するアクセルに度々協力する。
『ビバリーヒルズ・コップ3』以来、28年ぶりの再登場となる。
エンタメ洋画はかくあるべき!アメリカの古き良き80年代ムービーがあの頃の雰囲気そのままに復活!!
『ビバリーヒルズ・コップ』シリーズ(1984年~)の主演といえばこの人、エディ・マーフィである。
『ビバリーヒルズ・コップ』のアクセル・フォーリー刑事は言わずと知れたエディの当たり役だ。
素行は良くないが、タフでガッツがあって、義理人情に厚い。
そして最大の武器はハッタリとユーモア。
身ひとつならぬ、口先だけで巨大な事件や陰謀に立ち向かう。
時には堂々と嘘をつきながら、ユーモラスに事件を解決していく。
まさにコメディアンのエディにピッタリの役だ。
しかし、もはやあったかどうかも記憶が朧げな第3作では、エディの魅力が十分に発揮できていなかったように思う。
あれから30年。
「あのまま(シリーズから)離れたくなかった」という心残りを払拭するように、本作でのエディは第1・2作を彷彿とさせる絶好調ぶりをみせている。
普通に還暦超え相応の体型になっていて、「現場で現役の刑事」にしては少し無理がある肉体になってはいたが、それはそれとして本作にはエディの魅力がしっかりとあった。
なんならアクセル・フォーリー=エディのイメージを決定付けた、第1作の次くらいに調子が良かったかもしれない。
やっていることは、基本的にこれまでのシリーズと変わらない。
アクションはやや現代風になっているが、やはり最大の見どころはエディの話芸である。
口先ひとつで困難を次々と解決していくエディの姿は実に痛快である。
とはいえ、忘れてならないのがアクセル・フォーリーが元祖不適切刑事だということ。
厳しくなった現代のコンプライアンスに配慮して、得意の口先が鈍っていないか気になるところだろう。
シリーズを追い続けたファンなら、日和ったアクセル・フォーリーなんて見たくもないのが本音というもの。
だが安心してほしい。
あの頃のアクセル・フォーリーが本作で完全復活を遂げているから。
むしろ本作では、厳しくなった現代のコンプライアンスを逆手に取った演出が随所に見受けられて目新しさを感じられる。
昔と同じ手口で現状打破を図ろうとするも、雲行きが怪しくなって娘に助け舟を出されるアクセル・フォーリーの姿は、 アメリカの古き良き80年代ムービーの印象を残しつつも、本作が決して時代錯誤な作品ではないことを証明している。
とはいえ本作の最大の魅力は、なんといってもアクセル・フォーリーの昔と変わらぬ破茶滅茶ぶりである。
本作を観ていると、エンタメ洋画はかくあるべきだと痛感させられる。
アメリカの古き良き80年代ムービーが、あの頃の雰囲気そのままに完全復活を果たしてくれたことはこの上ない歓びだ。
本作は「人生を変える1本」や「大傑作!」と呼べる作品ではない。
だが、お茶の間で気楽に楽しみたい1本であることは間違いない。
字幕ではなくぜひ吹替版で
本作は字幕ではなくぜひ吹替版でご覧になっていただきたい。
それはもちろん山寺宏一氏など吹替声優陣の懐かしい声や演技の見事さという一因があるのだが、もうひとつ大きな理由がある。
吹替と字幕と齟齬である。
アクセル・フォーリーという人物は前述した通り、口も悪けりゃ手癖も悪い元祖不適切刑事である。
そのウィットに富んだ言葉遣いにはえも言われぬ艶と毒があり、字幕では決して表現し切れない深い味わいがある。
そしてその味わいを醸し出してくれているのが、 山寺宏一氏などの吹替声優陣なのである。
字幕ももちろん悪くはないのだが、表現が少し堅かったような印象を受けた。
だから本作に限っては、字幕ではなくぜひ吹替版で。
日本人にはその方が本作を何倍も楽しめるはずである。
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