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ioritorei’s blog

完全趣味の世界

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【Netflixドラマ『地面師たち』】実力派豪華俳優陣の演技で魅せる傑作クライム・サスペンス。

 

Netflixドラマ

地面師たち

※本稿にはネタバレを含みます。ご注意下さい。

 

 

実力派豪華俳優陣の演技で魅せる傑作クライム・サスペンス

 

 

 

 

 

 

 

『地面師たち』とは

 

 

"こいつら全員、土地〈トチ〉狂ってる―"

 

『地面師たち』は、新庄耕先生の小説を原作として2024年7月25日(木)よりNetflixにて世界独占配信が開始された配信ドラマ。

映画、TVドラマ、CFやミュージックビデオなど様々なジャンルで活躍する映像ディレクター・大根仁氏。

冤罪事件を元にしたドラマ『エルピス-希望、あるいは災い-』で社会派エンタテイメントとして第60回ギャラクシー賞 テレビ部門大賞ほか高い評価を得た大根氏が、次に手掛けるのは自身が熱望してやまなかった、実在の地面師事件に着想を得た新庄耕先生の小説『地面師たち』

不動産売買をエサに巨額の金を騙し取る詐欺師集団<地面師>による前代未聞の事件を描く、クライムノベルの映像化に挑む。

W主演として、綾野剛氏(Netflixシリーズ『幽☆遊☆白書映画『カラオケ行こ!』他)が地面師詐欺の道に踏み込む男・辻本拓海を、巨額詐欺を率いる大物地面師・ハリソン山中を豊川悦司氏(映画『仕掛人・藤枝梅安㊀㊁』『キングダム2 遥かなる大地へ』他)が演じる。

映像化困難と言われた傑作クライム・サスペンスが、ここに誕生!

 

 

地面師たち Blu-ray BOX

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小説『地面師たち』

 

原作となった『地面師たち』は、新庄耕先生による小説である。

小説は「小説すばる」2019年1月号 - 10月号に連載。

同年12月、集英社から刊行。

第23回大藪春彦賞候補。

土地の所有者になりすまして売却をもちかけ、多額の代金をだまし取る不動産をめぐる詐欺を行う「地面師」の犯罪を描く。

2017年に実際に起きた被害額約55億円に上る積水ハウス地面師詐欺事件」※1をモデルとしている。

2024年7月、続編『地面師たち ファイナル・ベッツ』集英社から刊行。

海外に逃亡したハリソン山中が、シンガポールで新しい地面師詐欺チームを結成し、北海道・釧路での200億円不動産詐欺に挑む。

 

 

地面師たち (集英社文庫)

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地面師たち ファイナル・ベッツ (集英社文芸単行本)

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※1.積水ハウス地面師詐欺事件

積水ハウス地面師詐欺事件は、2017年6月1日に、積水ハウスが地面師グループに土地の購入代金として55億5千万円を騙し取られた事件である。

 事件の舞台は、東京都品川区西五反田2-22-6、山手線五反田駅から徒歩3分の立地にある旅館「海喜館」。

不動産業界ではかねて注目の案件だった。

所有者の元にはリーマンショック前あたりからデベロッパーなどの不動産会社の社員が寄っていたが、所有者は断固としてその土地の売却を拒んでおり、客を装って接客時に旅館売却を迫る不動産関係者に嫌気が差して常連以外を宿泊させなくなった。

「海喜館」は2015年3月に廃業となったが、所有者はなおも売却せずに旅館に居住し続けた。

この土地に目を付けた地面師グループは「海喜館」の土地を狙った。

 

 

 

 

 

 

 

主要登場人物

 

 

辻本拓海

演 - 綾野剛

 

真面目なサラリーマン風の風貌で交渉役として活躍する地面師。

地面師をする以前は高級デリヘルの送迎ドライバーをしていたが、仕事中のトラブルをきっかけにハリソン山中と接触する。

かつては横浜で父が経営している小さな不動産会社で営業として働いていたが、自身が成立させた取引で地面師詐欺に遭い、会社は倒産。

父が辻本が留守中に放火による一家心中を図り、母親と妻と幼い息子を亡くす。

火災から生き延びた父は、千葉刑務所で刑に服している。

 

 

ハリソン山中

演 - 豊川悦司

 

地面師集団のリーダー。

暴力団幹部。

1980年代後半のバブルで地上げ屋として名を馳せ、地面師詐欺集団を束ねて大規模な不動産詐欺を複数仕掛けた。

バブル崩壊後、一度は実刑判決を受けて出所後は鳴りを潜めていたが、ITバブルを機に再び動き出した。

英語が堪能で趣味はハンティング。

ワインやウイスキーなど高級酒にも精通している。

誰に対しても敬語で話すという紳士的な性格だが、猟奇趣味を楽しむ一面もある。

 

 

後藤

演 - ピエール瀧

 

司法書士でそれ以外にも複数の不動産関係の資格を持つ法律屋。

法律の知識を活かし、買い手との交渉や仲介を担当する。

関西弁を話し、口が達者で高圧的な性格。

妻子持ち。

山下や陣内など複数の偽名を名乗るが、本名は後藤義雄。

 

 

麗子

演 - 小池栄子

 

手配師

地主などに成り済ます人物のキャスティングを担当。

身寄りがなく、目先の金に困っている曰く付きの老人を常に数十人ストックしている。

地主の経歴などを覚えさせる教育担当でもある。

本名は稲葉麗子。

 

 

竹下

演 - 北村一輝

 

土地や物件の情報を仕入れ、地主の情報のリサーチ・土地価格の評定などをする情報屋。

重度の薬物中毒者。

オロチを下っ端としてこき使っており、横柄な性格。

分け前について不満を抱いている。

 

 

オロチ

演 - アントニー(マテンロウ)

 

竹下の使いパシリ。

口数が多く腕っぷしが強い。

辻本には「地面師になりたい」と漏らしている。

 

 

長井

演 - 染谷将太

 

身分証や公的証書の偽造を手掛けるニンベン師。

ハッキングのスキルにも長けている。

猫好きで、ウーバーも来ない様な工業地帯にある廃ビルを根城にしている。

 

 

辰(下村辰夫)

演 - リリー・フランキー

 

山中たちを追う警視庁捜査二課の刑事。

階級は警部。

定年が近く、持病を抱えている。

 

 

倉持

演 - 池田エライザ

 

辰と組む新人刑事。

刑事ドラマが好きで捜査一課志望。

 

 

真木

演 - 駿河太郎

 

投資用ワンルームマンションの開発、販売を手掛ける新進の不動産企業「マイクホームズ」の社長。

恵比寿駅近くの土地にかかる不動産取引で地面師の標的となる。

 

 

青柳

演 - 山本耕史

 

石洋ハウス※2開発事業部部長。

大井町の開発プロジェクトが頓挫したことで、数十億円規模の案件のために代替となる土地を探すことに焦っていたので、港区高輪の土地にかかる不動産取引で地面師の標的となる。

パワハラ気質で、土地を手に入れるためならコンプライアンスも気にかけない。

ブローカーや地上げ屋にもコネがある。

安倍川に育てられ、現在の開発本部長の地位まで昇り詰めた生粋の社長派。

須永とは出世競争で対立している。

 

※2.石洋ハウス

国際事業も手掛ける業界最大手の不動産企業。

社内では、会長の和田島と社長の安倍川の間で派閥争いが起きている。

和田島は国外案件の指揮を執っており、安倍川は国内案件の決裁権を持っている。

 

 

須永

演 - 松尾諭

 

石洋ハウス商業事業部部長。

港区高輪の不動産取引を当初から怪しんでおり、青柳に対して地面師詐欺ではないかと直接訴えている。

コンプライアンスに反する青柳のやり方を古いと一蹴した。

青柳とは出世競争のみならず、会長派として派閥争いでも対立している。

 

 

演 - マキタスポーツ

 

地上げ屋

地面師に石洋ハウスへのコネを紹介する。

青柳と組んだ事件で3年の懲役から出所している。

 

 

ナレーション - 山田孝之

 

ナレーションにも実力派俳優が。

実写版『闇金ウシジマくんで主人公のウシジマを演じ、役との一体化ぶりが天才の誉れ高い。

言われなければ気づかないキャスティング①。

 

 

音楽 - 石野卓球

 

言われなければ気づかないキャスティング②。

OP曲やED曲は電気グルーヴでも何度も担当しているが、いわゆる「劇伴」みたいなものは実は今回が初めて。

ちなみに本作劇伴に電気グルーヴの面影は一切ない。

 

 

 

あらすじ

 

 

前代未聞!100億円を巡る驚愕の不動産詐欺事件!!

 

再び土地価格が高騰し始めた東京。

辻本拓海(綾野剛)はハリソン山中(豊川悦司)と名乗る大物不動産詐欺師グループのリーダーと出会い、「情報屋」の竹下(北村一輝)、なりすまし犯をキャスティングする「手配師」の麗子(小池栄子)、「法律屋」の後藤(ピエール瀧)らとともに、拓海は「交渉役」として不動産詐欺を働いていた。

次のターゲットは過去最大の100億円不動産。

地主、土地開発に焦りを見せる大手デベロッパーとの狡猾な駆け引きが繰り広げられる中、警察が地面師たちの背後に迫る。

次々と明らかになる拓海の過去とハリソンの非道な手口。

前代未聞の綱渡りの不正取引、迫りくる捜査......。

果たして100億円詐欺は成功するのか?

 

 


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実力派豪華俳優陣の演技で魅せる傑作クライム・サスペンス

 

 

実力派豪華俳優陣

 

土地を金に変える地面師たち〈騙す者〉、土地欲しさになぜか巧妙な手口にハマってしまうデベロッパー(土地や街の開発業者)〈騙される者〉、そして詐欺師を追う警察〈追う者〉のそれぞれの構図において、欲望にまみれまさに土地に狂わされた登場人物たちが勢揃いし、泥臭い騙し合いとギリギリの心理描写、そして命懸けの緊迫したスリリングな展開に一瞬たりとも目が離せない映像となっている。

まさに全員 "土地〈トチ〉狂っている" 登場人物たちを演じる役者陣はあまりにも豪華な顔ぶれ。

綾野剛氏、豊川悦司氏と共に前代未聞の100億円詐欺に挑んでいく地面師チームに、北村一輝氏、小池栄子さん、ピエール瀧氏、染谷将太氏、アントニー氏(マテンロウ)。

そんな彼ら地面師詐欺の餌食になっていくデベロッパーら不動産業者、地主、そして彼らを取り巻く怪しい登場人物に、松岡依都美さん、吉村界人氏、松尾諭氏、駿河太郎氏、マキタスポーツ氏、山本耕史氏。

そして詐欺事件を追う警察に池田エライザさん、リリー・フランキー氏と、豪華演技派俳優陣の面々が脇を固め、曲者揃いでアウトローな登場人物たちを見事に演じ切っている。

豪華実力派アンサンブルキャストによる狂気のキャラクターと緊迫感、そしてリアリティ溢れる映像表現により、未だかつて見たことがない100億円を賭けた地面師詐欺の裏側、「地面師」の世界を本物のスリルで描く究極のクライム・サスペンス。

 

 

シナリオの良さもさることながら実力派豪華俳優陣による名演怪演に魅せられた傑作

 

100億円を巡る驚愕の不動産詐欺事件。

この触れ込みだけで知的好奇心は刺激される。

現実に起きた事件をモデルにしているという点も、ノンフィクション好きにはたまらない作品だ。

シナリオは申し分なし。

この手の作品で一番気になるのが事の成否だろうが、視点が善悪で頻繁に入れ替わるおかげで最後までしっかりハラハラドキドキさせてくれる。

蓋を開けてみれば王道の結末ではあったが、下手に搦手を使わなかった恩恵は十二分に得られたように思う。

劇中でも触れられているが、地面師たちにとって100億円規模の不動産詐欺とは  "死人がゴロゴロ出る" ような命懸けのヤマである。

だから本作には酷く暴力的な描写が何度も登場する。

それも存分に金を掛けて入念に描かれた、地上波ではまず放送できないレベルのバイオレンスである。

これだけエグいシーンを観続けさせられれば、並の作品ならば後味が悪くなりそうなもの。

だが、不思議と視聴後の余韻はそれほど悪くないものだった。

それもこれも、納得できる結末を導き出した王道シナリオのおかげであろう。

もし奇を衒った結末だったなら、こうはいかなかったと思う。

もちろんバイオレンス以外のシーンも非常に丁寧に作り上げられており、映像や演出は劇場版のクオリティ。

劇場版のネックになるのが上演時間だが、連ドラ並みの尺を使える本作の物語には何ら過不足を感じさせない。

全7エピソードは実に最適の尺であったと思う。

これだけ切り取ってもすでに傑作と呼ぶに相応しい仕様。

だがそれらを差し置いても圧倒され目を奪われたのが、実力派豪華俳優陣による名演・怪演の数々である。

過去を分断する綾野剛氏の二面性。

紳士的な顔から滲み出る豊川悦司氏の静かな狂気。

触れたら切れそうな北村一輝氏のチンピラ感とジャンキーぶり。

以前よりも凄みを増したピエール瀧氏の胡散臭さ。

そしてどんな作品にも適応するオールラウンダーの小池栄子さん。

特に意外性のあるキャスティングというわけではないものの、皆が普段よりもより真に迫る演技をみせてくれている。

それは主演・助演に限らない。

脇役まで実に素晴らしい演技をみせてくれている。

山本耕史氏の濃い演技はさらに濃くなり、ライバル役に据えられた松尾諭氏と絶妙な掛け合いをみせてくれている。

あまり絡んだ記憶がないこのキャスティングの妙は、実に痛快であった。

その他駿河太郎氏、マキタスポーツ氏、池田エライザさん等、皆が素晴らしい演技をみせてくれる中で、ある俳優の演じたあるシーンがずっと頭から離れないでいる。

それはリリー・フランキー氏の最後の出演シーン。

それもおそらくは見せ場であるダイ・ハードを模倣したシーンでなく、その前のシーンの演技である。

「自分と家族の命、どちらを取るか」という、究極の選択をハリソン山中(豊川悦司)に迫られた辰(リリー・フランキー)。

家族は絶対に見捨てられないが、自分の命に対しても覚悟を決められない地獄のジレンマ。

銃を突きつけ死を迫るハリソン山中に何もできず、叫びたくても叫べない究極の葛藤を見事快演してみせたリリー・フランキー氏。
あの演技は本当に凄かった。
もし現実で選択の余地がない苦渋の選択を迫られ、自ら死ねと銃を突きつけられれば、とても格好つけてなんかはいられない。
できることといえばガタガタ震え、恨み顔で相手を睨みつけることぐらいだろう。

それは他人にはみせられないほど格好悪い姿だ。

だがロマンスグレーを誇るリリー・フランキー氏が、その姿を躊躇いもなく体現してみせてくれているのだ。

著者にはそれがめちゃくちゃ格好良い姿にみえた。

本当に凄いお芝居をみさせてもらったと心から思う。

シナリオで魅せる作品は数あれど、演技で魅せてくれる作品は稀である。

故に本作は久方ぶりに出逢えた、演技で魅せてくれる非常に稀有な傑作だといえる。

目を覆いたくなるようなシーンも多々あるが、俳優陣の名演・怪演を是非ご覧あれ。

 

 

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