《復活希望》
超実験型街ぶら番組
バカリズムの30分ワンカット紀行
テレ東の独自性×お家芸=街ぶら番組の新境地!ワンカット長回しで全編ノーカット放送がクセになる新感覚映像紀行バラエティ
『バカリズムの30分ワンカット紀行』とは
『バカリズムの30分ワンカット紀行』は、BSテレ東にて2017年4月3日から2020年9月19日まで放送されていたバラエティ番組である。
1台のステディカムで、テーマの街や施設の様子をワンカットの長回しで撮影し それを編集せず(※早回し編集はあり)に、全編ノーカットで放送する超実験型の街ぶら番組。
MCのバカリズムと女性アシスタントが、スタジオ(主にテレ東試写室)でVTR鑑賞しコメントしていく。
1発本番撮影のために、事前に長期のロケハン・綿密な段取りや仕込み・リハーサルを敢行する。
VTRの出演者は、基本的にその街の住人・関係者が番組に協力し芝居を含めたガイドをする。
中盤からは、ラッパー・お笑い芸人・大学のアナウンサー部などの常連ゲストが徐々に増えていった。
番組の構成は、OPトーク(主にバカリズムがアシスタントに質問する)→本編→ワンカット紀行撮影ウラ話→番組提供(出演者集合写真)→ED&ワンカット紀行メイキングの順で進行する。
2017年4月3日BSジャパン毎週月曜23:30~24:00の枠で番組がスタートして間もなく、画期的な番組構成にテレビ業界で話題になる。
2017年9月16日の「鎌倉から江の島まで120分ワンカットSP」で番組初の2時間スペシャルを放送。
2018年4月3日からは放送時間を変更し、アシスタントも内田理央さんから畠山愛理さんに変わった。
2020年4月3日からは、アシスタントが角谷暁子さん(テレビ東京アナウンサー)に交代。
新型コロナウイルスの影響で、野外ロケ中止の間は総集編やリモートワンカット紀行を放送した。
2020年9月19日の「秋の1時間ラストに衝撃の展開SP」で約3年半(全169回)の放送が終了した。
番組概要
今見たい日本全国の魅力あるスポットを "30分ワンカット"でお届け!
ずっと繋がっている…!?
30分ワンカットの中毒性のある映像紀行バラエティ
おなじみのメジャースポットから、意外と知らないマイナーなスポットまで。
30分ワンカットで撮影すると、どうなるんだろう…?
一体どんなルートを、どんな風に歩いて、どの店に立ち寄って、どんな人と出逢うのか?
とにかくたくさんロケをして、細かく編集して、ナレーションで作りこんで、ギュっと凝縮することを「よし」とする現在のテレビ番組の潮流。
この番組は、その窮屈さを一切捨てる!
ナレーションも一切ナシ!
日本のメジャースポットからマイナースポットまで、日本が世界に誇る魅力あるスポットの全てを、30分ワンカットで撮影してありのまま紹介!!
ず~っと繋がってる…!!
中毒性がある新感覚映像紀行バラエティ!
テレ東の独自性×お家芸=街ぶら番組の新境地!ワンカット長回しで全編ノーカット放送がクセになる新感覚映像紀行バラエティ
テレ東の独自性
テレ東(テレビ東京)は、重大な事件が起きても基本的には全く番組編成を変えない独自性が魅力(?)の放送局である。
重大事件・事故が起こると番組編成を即座に変更するNHKなどに対し、テレ東では速報はテロップのみで行うことが多いことから、誰が呼んだか人はそれをテレ東伝説と呼ぶ。
要因としては、系列局が少ないため(僅か5局)報道ネットワークが貧弱なこと、報道スタッフがあまりにも少ないこと、親会社も専門紙なため取材力が弱いことなどが挙げられるが、そんなウィークポイントですらネタにできるのがテレ東の実に懐の深いところ。
事実、テレ東アニメ『ケロロ軍曹』でもネタにされ、登場キャラクターに「テレビ東京が特番を放送するのは地球滅亡の時」(劇中ではテレ東をモデルにした「テレビ奥東京」)と言わせたほどである。
しかも、テレ東広報は人手不足を理由とし「そう見られても構わない」と、この冗談を半ば公式に認めているから如才がない。
そういった奔放な社風も相まってか、実に独自性に溢れた番組がテレ東では多数制作されている。
テレ東のお家芸
旅・グルメ番組といえば、もはやテレビ東京のお家芸とも呼べる看板コンテンツである。
たとえば『出没!アド街ック天国』は1995年の放送開始から20年を超える長寿番組であり、街を徹底的に紹介する地域密着系都市型エンターテインメントという、新たなジャンルを切り拓いたパイオニアとして今なお根強い人気を誇っている。
2007年から始まった『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』も、手を変え品を変えていまだに放送され続けている人気番組で、放送当時視聴率競争の激戦区である土曜夜のゴールデンタイムにおいて10%を超える好調な視聴率になっていたことから、テレ東の業績が好調なことへの成功例として多く取り上げられる。
2013年に始まった『YOUは何しに日本へ?』もある意味では旅番組であり、そのヒット以降『世界が驚いたニッポン! スゴ〜イデスネ!!視察団』(テレビ朝日)、『所さんのニッポンの出番!』(TBSテレビ)など外国人の口から日本を礼賛する趣旨の番組が各局で急増し、その火付け役にまで位置づけられている。
このような背景もあってか、旅・グルメ番組にかけるテレ東の情熱は並々ならぬものがある。
そんなテレ東が新たにぶち上げた新ジャンルが、超実験型街ぶら番組『バカリズムの30分ワンカット紀行』なのである。
テレ東の独自性×お家芸=超実験型街ぶら番組
ワンカット長回しで全編ノーカット放送がクセになる新感覚映像紀行バラエティ
『バカリズムの30分ワンカット紀行』の特異性な、なんといってもワンカット長回しで全編ノーカット放送である。
ワンカット長回し全編ノーカット放送ということは、自ずと1発本番撮影となる。
だから事前に長期のロケハン・綿密な段取りや仕込み・リハーサルを敢行する必要がある。
そのため、その模様が映し出されるメイキングまでもがちゃんと面白いのもまた『バカリズムの30分ワンカット紀行』の特異性といえる。
1発本番撮影であるから、多少のNGももちろんそのまま放送される。
VTRの出演者は、基本的にその街の住人・関係者が番組に協力し芝居を含めたガイドをするが、ほとんどが素人であるから画面から伝わってくる緊張感は半端ない。
その緊張感は視聴者にも当然伝わる。
その心境たるや、学芸会で初舞台を踏む我が子を見守る親心のようである。
しかしその街の住人や関係者の地元愛は実に微笑ましくもあり、観ている者を幸せな気分にしてくれる。
それは小さな幸せではあったが、忙しない日常をほんの束の間忘れさせてくれた『バカリズムの30分ワンカット紀行』も2020年、約3年半(全169回)の放送が終了を迎える。
テレビ離れが囁かれる昨今。
何度も擦り倒した内容を何度も焼き直し、似たような番組がタイムテーブルを埋めつくす中で、『バカリズムの30分ワンカット紀行』のような中毒性のある新しい試みのチャレンジ番組は減少の一途を辿る。
テレビ離れを嘆くテレビ関係者は、ゆめゆめ忘れることなかれ。
予算は掛けずとも、アイデアと手間暇さえ惜しまなければ良い番組は必ず作れる。
『バカリズムの30分ワンカット紀行』のワンカット長回し全編ノーカット放送は、如実にそれを物語る。
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