ドラマ
飯を喰らひて華と告ぐ
「どうしたらそうなる?」…店主と客のまったく噛み合わないやり取りが不思議とだんだん癖になる異色人情グルメドラマ
ドラマ『飯を喰らひて華と告ぐ』とは
グルメ×勘違い
絶品料理とシュールな笑いがクセになる "新感覚" グルメドラマ開店!!
この店主、言うこと全部ズレている。
路地裏にひっそりと佇む中華屋のような店構えの料理屋「一香軒」。
客の望むものは「何でも出す」と豪語する謎の凄腕店主が営むこの店では、毎日様々な人間ドラマが生まれている。
訪れる客は、老若男女、千差万別。
なかには店主に無理矢理連れられてきた者もちらほらいるが、皆が東京という大都会で人生に迷い、少しだけ疲れている。
そんな客たちの人生の悩みを瞬時に見抜き、その客にベストマッチした最高のクオリティの料理を提供する店主。
料理の腕は間違いなく一級品だが、問題は毎回繰り出されるおそるべき "勘違い力"。
「どうしたらそうなる?」という斜め上からの勘違いと、もはや奇跡的な思いこみで、全く見当はずれなアドバイス&名言を自信満々に放つのだ。
そんなズレまくった店主に客たちは困惑したり、腹を立てたり、笑い出したり。
でも全員が店に来た時より、帰る時には少しだけ元気になっているのが不思議なところ。
気付けばあなたも、この風変りな店主のトリコになっているはず。
原作は白泉社「ヤングアニマルWeb」連載中の足立和平先生による、同名料理漫画『飯を喰らひて華と告ぐ』。
圧倒的な画力で魅せた原作の調理シーンは実写版でも大きな見所のひとつ。
「ハンバーグ」「カツカレー」「豚キムチ」「アジの姿造り」など、1話ごとに登場するバラエティに富んだ絶品料理の数々は視聴者の胃袋もがっつり掴むことになるだろう。
主演は仲村トオル氏。
男気があり人情厚くお客さんに接する姿を時に力強く、凄く親身なのに凄く的外れな勘違いをする様を時にコミカルに演じ、空気は読めないけど憎めない、人間味溢れる唯一無二のキャラクターを作り上げている。
制作スタッフには気鋭の若手クリエイターが集結した。
監督・脚本は映画『ウーマンウーマンウーマン』やドラマ『直ちゃんは小学三年生』などを手掛けた近藤啓介氏。
同じく脚本をコントグループ「テニスコート」のメンバーであり、ソロプロジェクト「画餅(えもち)」主宰の神谷圭介氏と、劇団コンプソンズの主宰・金子鈴幸氏が務めている。
彼らの独特のテンポと絶妙な台詞まわしでオリジナリティあふれるコメディドラマに仕上がっている。
そして、主題歌はフィッシュマンズの名曲「ごきげんはいかがですか」。
独自の浮遊感あるサウンドと切ない歌詞がドラマにエモさを加えている。
味はピカイチ、心はイマイチ。
胃袋掴んで心を離す "異色" の人情グルメドラマが完成した。
原作:『飯を喰らひて華と告ぐ』
『飯を喰らひて華と告ぐ』は、足立和平先生による日本の漫画。
「ヤングアニマル」(白泉社)にて、2021年18号から21号での短期掲載を経て、2022年3号から2023年24号まで連載された。
その後、2023年12月8日より2024年6月28日まで「ヤングアニマルWeb」(白泉社)に移転し連載された。
あらすじ
路地裏に佇む料理屋「一香軒」で、客の望むものは「何でも出す」と豪語する謎の凄腕店主(仲村トオル)。
人生に少しだけ疲れた客たちの悩みを瞬時に見抜き、その客にベストマッチした最高のクオリティの料理を提供するが、恐るべき "勘違い力" でまったく見当外れのアドバイス&名言を自信満々に言い放つ。
しかし、なぜか全員、店を後にする頃には少しだけ元気になっているのだった…。
主題歌
- 「ごきげんはいかがですか」 フィッシュマンズ
1991年リリースのミニアルバム「Corduroy's Mood」に収録された、 フィッシュマンズ初期の名曲。
「どうしたらそうなる?」…店主と客の一切噛み合うことのないやり取りが不思議とだんだん癖になる異色人情グルメドラマ
思わず検索してしまう謎名言
第1話より:美きものにて事を成す
美味しいご飯を食べることで、本来の力を発揮すべきであるということ。
第2話より:天下人、早飯すらも口直し
誰にでも時に信じられないような失態を犯すことはあるが、一流の者はその失態さえもこれからの人生の糧にしていくということ。
第3話より:鬼に交わるふんどし賢者
見た目は派手にしていても、中身はまるで違う。
人を見た目で判断してはいけないという
こと。
第4話より:弱きヘチマも輪廻のごとし
最期の最期まで一貫して善行を積むのが良い という教え。
誰もが来世では特に存在意義を持たないヘチマという立場になり得ることから。
第5話より:老いぼれ涙の萬治し
どれほど衰えていたとしても人を想う化な る心さえあれば、それがすべてを善くするという意。
本作の魅力は、なんといっても店主と客の一切噛み合うことのないやり取りと、店主の謎名言である。
まったく聞いたこともないけれど、それがさも偉人の言葉のように堂々と語られている謎名言は、聞いたら調べて確認したくなること間違いなし。
初めて聞いたけど、こんな名言本当にあるの?
知らないと恥ずかしい?
そんな不安に駆られ、思わず検索してしまうのだ。
そして調べてみると、この名言の真偽がさらによくわからなくなってくる。
たとえば第1話の謎名言 「美きものにて事を成す」を検索してみる。
すると、
AI による概要
「美きものにて事を成す」は「美味しいご飯を食べることで本来の力を発揮すべきである」という意味のことわざです。
ドラマ『飯を喰らひて華と告ぐ』の飯華格言としても知られています。
と、検索結果。
その他をどんなに見渡してみても、残るはドラマ絡みの検索結果のみ。
しかしAI は、この名言があたかも昔から存在しているかのように説明してくれる。
「飯華格言 "としても" 」ということは、何かの引用なのか?
じゃあ、飯華格言って何?ということになる。
そこで今度は、「 飯華格言」で検索してみる。
すると、
AI による概要
『飯を喰らひて華と告ぐ』は、漫画家・足立和平による漫画作品です。
と、検索結果。
なるほど、飯華格言とは "『飯を喰らひて華と告ぐ』格言" の略なのであると、ここでようやく気づくのだ。
そうか、これは新作落語みたいなものか。
要する造語なのである。
それがわかると、これら謎名言を、あまりに堂々と言ってのける店主が、滑稽ではあっても何やら格好良くみえてくるから不思議である。
店主と客の一切噛み合うことのないやり取りが不思議とだんだん癖になる
本作のもうひとつの魅力。
それが店主と客の一切噛み合うことのないやり取りである。
店主から一方的に投げられっぱなしで意味不明の、まったく通じ合わない会話。
これがなかなか癖になる。
それは店主の思いこみによる恐るべき勘違いから始まる。
ズレまくった会話は、初めのうちこそ意味不明なものでしかない。
だが、客の「どうしたらそうなる?」というお約束のツッコミて、次第に笑えてきてしまう。
もちろんズレまくった店主に客たちは最初は困惑したり、腹を立てたり、笑い出したりする。
しかし店主のあまりに我が道を突き進む勢いと、(ある意味では)真っ直ぐな純粋さに押し切られて、客たちはそれまで抱えていた些細な悩みなどどうでもよくなってしまう。
そんな客たちの気持ちが、だんだん少しわかってきてしまうから不思議である。
特段波がある作品ではない。
ただただ、勘違い店主の酷い妄想に付き合わされているだけだ。
なのに早く次が観たくなる。
さらには1話12分というテンポの良さも手伝って、どんどん次が観たくなる。
最近ではめっきり渋い役が板についている仲村トオル氏の演技も、回を追うたびどんどんエスカレート。
あの『あぶ刑事』のプリティ町田を彷彿とさせるはっちゃけた演技は、この店主がかつてダンディー鷹山とセクシー大下に鍛えられたトオルの歳を重ねた姿のように見えてくる。
それがなんだか懐かしいような、とても貴重なものを観ているような…。
あまりにくだらなすぎて逆に新鮮。
すでに地上波放送は終了しているが、シリーズ化を熱望する。
近年、こんな仲村トオル氏にはなかなかお目にかかれない。
興味がある人は是非。
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