長編アニメ
LUPIN THE IIIRD 銭形と2人のルパン
※本稿にはネタバレを含みます。ご注意下さい。
- LUPIN THE IIIRD 銭形と2人のルパン
- 劇場版『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』前日譚の主役は銭形!これぞモンキー・パンチが描いた "ジャパン・コミック" の世界観!!
劇場版『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』前日譚の主役は銭形!これぞモンキー・パンチが描いた "ジャパン・コミック" の世界観!!
アニメ『LUPIN THE IIIRD 銭形と2人のルパン』とは
『ルパン三世』約30年ぶりとなる2Dアニメ
劇場版『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』の前日譚――。
本作は、銭形警部を主人公に据えた渾身のハードアクションだ。
極寒の地、ロビエト連邦で発生した空港爆破テロ。
容疑者として浮かび上がったのは、まさかのルパン三世。
しかし、銭形が追い詰めた "もう1人のルパン" は、無実を主張する。
正義を貫く男・銭形は、謎に包まれた “偽ルパン" と対峙することになる――。
監督は、2014年より『LUPIN THE IIIRD』を手がけてきた小池健氏。
銭形警部(山寺宏一)をはじめ、ルパン三世(栗田貫一)、次元大介(大塚明夫)、石川五ェ門(浪川大輔)、峰不二子(沢城みゆき)のレギュラー陣が集結。
国家の陰謀、爆破テロの真相、交錯する二人のルパン――銭形の信念が試される。
シリーズ史上最も渋く、哀愁と激情に満ちた熱きバディアクションが幕を開ける。
あらすじ
銭形警部はロビエト連邦の空港で爆破テロに遭遇し、犯人の顔がルパン三世だったことに驚く。
すぐに見失うが駅で別の "ルパン" を発見し列車内でルパンを拘束するも、次元大介の助けで脱走を許してしまう。
一方、峰不二子はサーカス団に潜入し、空中ブランコの乗り手として最高指導者ブレーリンの寵愛を受けていた。
軍縮条約パレードを目前に控え、国家保安委員会のカラシコフはルパンをテロ実行犯かつアルカ合衆国のスパイと断定し追跡するが、銭形は疑念を抱いていた。
そして、首都で国家保安委員会に追い詰められたルパンの前に立ちはだかったのは、彼の無実を信じる銭形だった――。
だが、その瞬間、新たな爆破が銭形を襲う……。
主役は銭形
テレビシリーズやテレビスペシャルといった既存作品に慣れきってしまった人には、どうにも馴染みにくいであろう作画が特徴の『LUPIN THE IIIRD』シリーズ。
その画はモート・ドラッカー※の影響を色濃く残し、登場人物は長身でひょろりとした線で描かれる。
アニメの義賊的なイメージとは趣が異なり、ルパンは殺人すら厭わない悪党として描かれるほか、ハードボイルド色が強い描写や性的な描写が頻繁にある、殺伐としたハードでダークな作風。
これぞモンキー・パンチ先生が描いた、"アメリカン・コミック" に対比される "ジャパン・コミック" の世界観だ。
既存作品ですっかり子供向けになってしまった雰囲気のあるルパンだが、これぞルパンの本来の姿である。
"シリーズ史上最も渋い" と謳うだけあって、本作に既存作品にありがちなギャグ的要素は一切ない。
すべての登場人物が、とにかくクールで超ハードボイルド。
特に主役の銭形は惚れ惚れするほど渋く描かれ、既存作品でよくみるドジな存在ではない。
頑固ではあるが、強い信念を持つ正真正銘の正義漢。
それが本作の銭形像であり、とにかくめちゃくちゃ格好良い。
「とっつぁん」として既存作品ですっかり茶化されてしまっていた銭形だが、ルパン同様これこそモンキー・パンチ先生が描いた本来の姿なのかもしれない。
また、本作ではお馴染みのメンバーの若かりし頃も描かれている。
それを窺えるのがルパンと銭形のやり取り。
二人の間にはまだルパンが銭形を「とっつぁん」と呼ぶような、既存作品でお馴染みの関係性が見て取れない。
ただ、本作においても互いに認め合う様子は窺え、相手に助け船を出すシーンや互いの信念をぶつけ合うシーンからは、既存作品にある二人の奇妙な信頼関係を感じさせる。
既存作品、特に年々薄っぺらくなっているテレビスペシャルに辟易している人にはおすすめの作品。
骨太で重厚。
長編とはいえ1時間を切る短めの作品だが、見応えは十分。
劇場版へと繋ぐ前日譚として非常に優秀な作品だが、もちろん単編として観てもまったく問題はない。
ただしハードボイルド色があまりに強く、殺伐としたハードでダークな作風の本作に、万人受けは難しいと思われる。
特にハードボイルド作品は、近年では時代錯誤の絶滅危惧種だ。
だからこそ、こういう作品がこれから先も根強く生き残っていってくれることを切に願う。
※.モリス・"モート"・ドラッカー
(1929年3月22日~2020年4月9日)
アメリカの風刺画家であり、50年以上にわたってMadに寄稿したことで最もよく知られているアメリカの漫画家であり、主要な長編映画やテレビシリーズの風刺を専門としていた。
劇場版『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』予告
さてさて一癖も二癖もある連中に囲まれて30年ぶりにどんな事件を巻き起こしてやろうかな
あのルパン三世が、約30年ぶりに2Dの劇場アニメーションとして帰ってくる!
タイトルは『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』。
舞台は、地図に載っていない謎の島。
お宝を狙って乗り込んだルパン一行を待ち受けていたのは、"不死身の血族" と呼ばれる正体不明の存在だった。
前代未聞のスケールとドラマで描かれ、すべての「ルパン三世」に繋がる原点ともいえる究極の物語が幕を開ける。
原作はモンキー・パンチ先生。
監督は国内外でそのスタイリッシュな演出が高い評価を得ている「ルパン三世」シリーズ〈LUPIN THE IIIRD〉全作を手がけた小池健氏。
脚本は高橋悠也氏、音楽はジェイムス下地氏。
栗田貫一氏、大塚明夫氏、浪川大輔氏、沢城みゆきさん、山寺宏一氏らおなじみのキャストが集結。
主題歌はB’zの書き下ろし楽曲「The IIIRD Eye」。
"誰も知らないルパン三世" が、ついにスクリーンに姿を現す。
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