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ioritorei’s blog

完全趣味の世界

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【短編アニメーション映画『LUPIN THE ⅢRD 次元大介の墓標』】喫煙シーンが『LUPIN THE ⅢRD』シリーズに深みを与える。

 

短編アニメーション映画

LUPIN THE ⅢRD 次元大介の墓標

※本稿にはネタバレを含みます。ご注意下さい。

 

 

喫煙シーンが『LUPIN THE ⅢRD』シリーズに深みを与える

 

 

 

 

 

 

 

短編アニメーション映画『LUPIN THE ⅢRD 次元大介の墓標』とは

 

 

原点回帰「LUPIN the Third」シリーズ、待望の第2弾登場!

ハードで危険なヤツらが帰ってきた。


2012年深夜に放送された27年ぶりのTVシリーズ『LUPIN the Third~峰不二子という女~』は、モンキー・パンチ先生原作に漂う危険なテイストを存分に活かし大きな話題を呼んだ。

そのアダルトでヤバい香りに満ちた世界を引き継いだのが、シリーズ第2弾となる本作『LUPIN THE ⅢRD 次元大介の墓標だ。

今回の主役は孤高のガンマン・次元大介

ターゲット奪取作戦、強敵との対決、そしてルパンと「相棒」になっていく男の生き様を、ハードボイルドかつダンディズム満載のアクションで描き切った。

ハードで危険。

そして痛烈に面白い。

ルパン三世」史上に輝く傑作エピソードの誕生だ。

 

 

 

作品概要

 

 

監督・小池健はじめトップクリエイターが集結!

 

本作の監督は、アダルトで端正な作画とアグレッシブな演出で国内外を魅了するクリエイター小池健氏(代表作『REDLINE』『アニマトリックス ワールド・レコード』)。

前作『LUPIN the Third~峰不二子という女~』ではキャラクターデザインと作画監督を務め、世界観の構築に深く関わった。

本作では、熟知した世界でルパンの、次元の、不二子の魅力を存分に引出し、超一級のエンタテインメント作品に創り上げた。

 

 

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あらすじ

 

 

秘宝「リトルコメット」を狙い東ドロアに潜入したルパン三世次元大介

東ドロアは犯罪率が低い世界屈指の平和な国。

だが自国の歌手クイーン・マルタが、隣国・西ドロアで暗殺され、この事件を契機に、西ドロアと一触即発の緊張状態が続いていた。

ルパン達は「リトルコメット」を盗み出すが、何故か行く先々に警察が待ち構えている。

かいくぐり逃走するルパンと次元だったが、どこからも死角のはずのビル影から飛び出した瞬間、一発の銃弾が次元を襲う!

一体誰が何のために次元を狙ったのか?

次元は自分の身体を貫いた弾丸を見て気づく。

西ドロアで暗殺されたクイーン=マルタを撃った弾丸と同じものだった。

次元はルパンとともに墓地を訪れる。

そこには「次元大介」の名が記された墓が!次元は噂を耳にしていた。

ターゲットの墓を事前に用意する殺し屋・ヤエル奥崎のことを。

その男に墓を用意され生き延びた者はいないという。

ヤエル奥崎は個人的な意思では動かない。

背後に依頼主がいるはず…。

その頃不二子は狙った獲物のために秘密クラブへ潜入するが、オーナーに見つかり捕らえられてしまう。

ルパンと次元は、墓に残された花を手掛かりに、ヤエル奥崎のアジトを特定、潜入する。

武器工房のような一室にモニターがあり、そこには囚われた不二子の姿が!

驚く2人の前に、遂にヤエル奥崎が姿を現す。

ついに対決の時を迎える二人のガンマン、ヤエル奥崎と次元大介

一瞬の間。

空気を切り裂き銃声が響く。

撃たれたのは――!!!

あばよ、次元…!

 

 


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ルパンと次元に喫煙シーンはよく似合う

 

 

健康増進法の施行や、喫煙の害に関する情報が広まったことで、テレビドラマや映画における喫煙シーンは減少傾向にある。

だが、日本のアニメ文化の中で、タバコは重要な演出技法である。

アニメにおける喫煙シーンは、偶然映り込む可能性のある映画やドラマとは違い、制作側が意図的にあえて画に描かないと表現できない演出だ。

もちろん、登場人物の性格付けという意味もある。

だが喫煙シーンはそれ以上に、セリフ以外の繊細な表現を担ってくれている側面が大きい。

たとえば会話シーン。

お互いが滑舌良く、セリフの応酬にひとつの無駄もなく、理路整然と、延々と続いていく会話は、観ていて逆に不自然だ。

実際の会話でしばしば起こり得る無言の間隔。

そこを喫煙シーンで埋めることで、会話に間を作り、言葉だけでは表現できない、含みと深みのあるリアルさを出すわけだ。

特に本作のようなハードボイルド作品にとって重要なのは、いかにセリフで "説明しない" かということ。

そこで重要になってくるのが、喫煙シーンである。

喫煙シーンがあれば必然的にセリフが減る。

セリフが減れば、それ以外の演出を駆使することになる。

すると自然と表現に奥行きが出る。

そのシーンの喫煙行為自体が意味を持ち、そこにあえてセリフやナレーションを入れなくても物語の補助線が引かれる。

本作では、ラストシーンがまさにそれに該当する。

一連のゴタゴタがひと段落し、一服を決め込むルパンと次元。

死線をくぐり抜けた後だけあって、実に美味そうに煙草をくゆらせる※二人。

この時ルパンは、たったひと言「格別な味だ」とだけ漏らしている。

このたったひと言に、どれだけの情感が込められているのか。

あえて余分なセリフで "説明しない" このラストシーンは、煙草がなければけっして成立することはなかった。

煙草が社会悪と見なされる今。

テレビドラマやテレビアニメに喫煙シーンがあると子供への影響が…と騒ぐうるさ方には、ルパンの「格別な味だ」というセリフの真意はわかるまい。

時代の潮流に抗ってこそハードボイルド。

煙草表現無くして、クールジャパンは成り立たない。

コンプライアンスに縛られていては、本当に素晴らしい作品は生まれない。

 

 

※.くゆらせる

 

ioritorei.com

 

 

 

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