其の五十五
美しき日本語の世界。
「灯台下暗し」っていうけどいったいどこの灯台?
「灯台下暗し」
「灯台下暗し(とうだいもとくらし)」とは、明かりを放つ灯台の真下は光が届かずに暗いという様子を喩えたことわざだ。
転じて、「身近なところにある大切なものや問題点に気づかない」「遠くばかり見て肝心な足元を見落としてしまう」ことを意味する。
「灯台下暗し」という言葉は、多くの場面で遣われやすい。
それは、我々が往々にして遠い場所や大きな問題に意識を向けがちな一方、身近な所で起きていることや存在しているものを見落としてしまう、人間の心理を巧みに表しているからである。
たとえば、プロジェクトの大きな目標を追いかけている最中に、簡単な確認ミスを放置して余計なトラブルを招いたり、遠くの魅力的な観光地を探すあまり、自分の住んでいる町にある素晴らしい観光スポットを知らなかったりするのは、まさに「灯台下暗し」の例といえる。
名言「灯台下暗し」手書き書道色紙額/受注後の毛筆直筆(千言堂)
江戸時代には遣われていた「灯台下暗し」
海を照らす灯台は、遠海から陸地の位置がわかるようにと建てられているものである。
「灯台下暗し」とは、先に述べたように「人は身近なことには気づきにくい」という喩えであるが、実はこの「灯台」とは、海岸に建てられている灯台のことではない。
たしかに船の安全を守るための海の灯台も、その真下は暗いだろう。
だが、「灯台下暗し」の語源はそれではない。
この言葉は江戸時代には遣われていたとされている。
江戸時代に灯台があったとは思えない。
では、「灯台」とは何なのか。
昔の照明器具の中には、薄い皿のような器に油を入れ、ロウソクの芯のようなものを浸しておき、そこに火を灯して周囲を照らすものがあった。
この照明を「灯台」と呼んでいた。
構造上、この灯台の真下には灯りが届かないため、「すぐ真下の足元が見えない」ことが転じて「身近なことには気づきにくい」という言葉が生まれたのである。
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