日本映画
スオミの話をしよう
※本稿はネタバレを含みます。ご注意下さい。
長澤まさみ、究極の七変化!俳優への全幅の信頼が三谷幸喜の新境地を開く
日本映画『スオミの話をしよう』とは
脚本と監督三谷幸喜
5年ぶり待望の最新作にして最高傑作!
主演・長澤まさみ&超豪華キャストと贈る三谷ワールド全開のミステリー・コメディ!
2022年に放送されたNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で日本中の話題をさらった三谷幸喜氏。
国民的脚本家・演出家・映画監督として、これまで日本中にたくさんの笑いと感動を届けた三谷氏が、脚本と監督をつとめる待望の映画最新作『スオミの話をしよう』。
中井貴一氏が記憶喪失の総理大臣を演じ、興行収入36.4億円の大ヒットとなった前作『記憶にございません!』以来5年ぶり、映画監督作品としては9作目となる本作ももちろんオリジナル作品。
主人公<スオミ>を演じるのは、映画・ドラマ・舞台と多方面で活躍し、多彩な役柄を確かな演技力で演じ、数々の賞の受賞も果たしている、人気・実力ともに日本エンタメ界を代表するトップ俳優・長澤まさみさん。
三谷幸喜作品には、脚本を務めたTVドラマ『わが家の歴史』(10年)に出演以降、三谷作・演出の舞台「紫式部ダイアリー」で主演を務め、大河ドラマ『真田丸』(16年)への出演や、『鎌倉殿の13人』(22年)では語りを務めるなど、三谷氏からの信頼は厚く、「いつか長澤さんと映画をやりたいと思っていた」と、本作への出演が実現。
長澤さんの三谷映画への出演は、今作が初めてとなる。
また、三谷映画で女性が主人公となるのは、深津絵里さんが主演を務め大ヒットを記録した『ステキな金縛り』(11年)以来。
物語の中で<スオミ>を愛した5人の男たちを演じるのは、西島秀俊氏、松坂桃李氏、遠藤憲一氏、小林隆氏、坂東彌十郎氏という日本エンタメ界きっての実力派俳優陣。
一癖も二癖もある男たちを 魅力たっぷりに演じる。
加えて、三谷氏が絶大な信頼を寄せる三谷作品常連の瀬戸康史氏と宮澤エマさん、NHK連続テレビ小説『虎に翼』(24年)の轟太一役で注目を集める戸塚純貴氏らが集結。
西島氏、松坂氏は三谷幸喜作品には初出演、戸塚氏も三谷演出作品には初出演となる。
撮影の約1か月前から監督と俳優陣によるリハーサルが入念に行われ、他の映画にはない三谷幸喜氏ならではのアプローチでユニークな人物像と世界感が作り上げられ、また、「最後まで楽しい映画にしたい」という三谷監督の想いから、舞台のカーテンコールを思わせる、メインキャスト陣全員が歌って踊る多幸感溢れるゴージャスなミュージカルシーンも誕生。
三谷脚本に息を吹き込む超豪華俳優陣による演技合戦と、三谷演出によって引き出される、俳優陣の新たな一面は必見!
観客の心を一瞬たりとも離さない、新たなる三谷エンターテインメント!!
制作:大多亮市川南
プロデューサー:玉井宏昌・石塚紘太
アンシェイトプロデューサー:石原隆
ラインプロデューサー:森賢正
撮影:山本英夫(J.S.C.)
照明:小野晃
録音:瀬川徹夫
美術:積木陽次
音楽:荻野清子
衣裳デザイン:宇都宮いく子
装飾:田村一徳
編集:松尾浩
スクリプター:山縣有希子
音響効果:倉橋静男
VFXスーパーバイザー:田中貴志
カラーグレーダー:齋藤精二
美術プロデュース:三竹寛典
アートコーディネート:杉山貴直
キャスティング:杉野剛助監督:是安祐
製作担肖:鍋島章浩
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あらすじ
その日、刑事が訪れたのは著名な詩人の豪邸。
<スオミンが昨日から行方不明だという。
スオミとは詩人の妻で、そして刑事の元妻。
刑事は、すぐに正式な捜査を開始すべきだと主張するが詩人は「大ごとにするな」と言って聞かない。
やがて屋敷に続々と集まってくる、スオミの過去を知る男たち。
誰が一番スオミを愛していたのか。
誰が一番スオミに愛されていたのか。
スオミの安否そっちのけで、男たちは熱く語り合う。
だが不思議なことに、彼らの思い出の中のスオミは、見た目も、性格も、まるで別人…。
スオミはどこへ消えたのか。
スオミとは一体、何者なのか。
極上ミステリー・コメディの幕が上がる一!
登場人物
スオミ
演 - 長澤まさみ
失踪した人妻。
草野圭吾
演 - 西島秀俊
4番目の夫。
かなり神経質な警察官。
寒川しずお
演 - 坂東彌十郎
5番目の夫。
身勝手な芸術家。
魚山大吉
演 - 遠藤憲一
1番目の夫。
血の気の多い庭師。
宇賀神 守
演 - 小林隆
3番目の夫。
情に厚い謷察官。
十勝左衛門
演 - 松坂桃李
2番目の夫。
怪しげなYouTuber。
小磯杜夫
演 - 瀬戸康史
草野の有能な部下。
乙骨直虎
演 - 戸塚純貴
寒川の世話係役。
薊
演 - 宮澤エマ
神出鬼没な女。
長澤まさみの、長澤まさみによる、長澤まさみのための映画
本作の魅力はなんといっても三谷幸喜監督ならではの「ワンシチュエーション・コメディ」の妙と、主演の長澤まさみさんが魅せる圧倒的な演技の幅に集約される。
一軒の豪邸を舞台に、スオミを愛した5人の男たちが集結して繰り広げられる丁々発止の軽快な会話劇は、三谷幸喜脚本ならではの魅力が存分に堪能できる。
近年はキャスティングの顔ぶれがまったく変わらない印象だった三谷幸喜作品だが、本作は少し違った。
常連の登場は最小限に抑え、西島秀俊氏、松坂桃李氏、遠藤憲一氏、小林隆氏、坂東彌十郎氏という、ほとんどが三谷作品初出演の俳優陣を(相変わらず)豪華にキャスティング。
これがなかなか絶妙で、普段はシリアスな役が多い俳優陣が、三谷幸喜氏の演出によってコミカルで少し情けない男たちを全力で演じてくれている。
彼らがそれぞれの「自分だけが知っているスオミ」を主張し合う滑稽な姿は、まるで舞台演劇を観ているような臨場感。
これがなかなか見応えがあり、近頃はまったく感じられていなかった〈これぞ三谷作品!〉を存分に感じさせてくれる。
だが、そんか魅力もただの露払いでしかなかった。
本作最大の魅力は、なんといってもヒロイン・スオミを演じる長澤まさみさんの多才な演技である。
劇中一番の見せ場であろう、5人の元夫たちの回想に登場するスオミ。
「おしとやかなお嬢様」「勝ち気な女性」「中国語を操る謎の女」など、それぞれ全く異なるキャラクターとして描かれたスオミを、コロコロと、まるで名人が噺す落語のように見事に演じ分ける長澤まさみさん。
1人の俳優がこれほどまでに異なる人格を演じ分ける鮮やかさは、圧巻と言う他ない。
このシーンを観てしまうと、本作は長澤まさみさん無しでは成立しないとさえ思えてくる。
事実、きっとそうなのだろう。
三谷幸喜氏の長澤まさみさんへの全幅の信頼が感じられる、まるで当て書きしたような脚本。
本作は、"長澤まさみの魅力を堪能するための映画" だとしか思えない。
そしてその目論み通り、"長澤まさみの魅力を堪能できる映画" だと断言できる。
正直、近年の三谷幸喜作品のマンネリ化は酷いものだった。
同じような脚本と、変わらないキャストに、少しウンザリしていた。
が、本作では久しぶりに面白い三谷幸喜脚本を観られた気がする。
三谷幸喜氏が長澤まさみさんという稀代のコメディエンヌに「君ならここまで振り切れるはずだ」と挑戦状を叩きつけ、長澤さんがそれを見事に打ち返した本作。
気になる人は、是非。
ちなみに ヒロインの名前「スオミ」の由来は、三谷幸喜氏が自宅で洋画のBlu-rayを鑑賞していた際の、偶然の出来事にあるという。
設定画面の言語(字幕)選択のリストの中に「suomi(スオミ)」という表記を見つけたことがきっかけとなり、その響きの可愛らしさに強く惹かれ「いつか自分の作品のヒロインにこの名前をつけたい」と心に決めていたらしい。
劇中でも明かされているが「スオミ(Suomi)」とは、フィンランド語で「フィンランド」または「フィンランド語」を意味する言葉で、フィンランド人は自国のことを「スオミ」と呼び、その由来は「湖沼の国」にあるとされている。
劇中では、掴みどころがなく、接する相手(夫たち)によって全く異なる顔を見せるミステリアスなヒロインの象徴として、この独特な響きを持つ名前が採用された。
この縁(なのか?)もあって、本作はフィンランドのヘルシンキ国際映画祭でも特別招待上映され、三谷幸喜氏自身も現地を訪れている。
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