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完全趣味の世界

ioritorei’s blog

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【日本映画『六人の嘘つきな大学生』】魅力的なタイトルに惹かれドロドロ就活サスペンスを期待していたら…。

 

日本映画

六人の嘘つきな大学生

※本稿はネタバレを含みます。ご注意下さい。

 

 

魅力的なタイトルに惹かれドロドロ就活サスペンスを期待していたら…

 

 

 

 

 

 

 

日本映画『六人の嘘つきな大学生』とは

 

 

浅倉秋成先生の同名ベストセラーを人気若手俳優陣の共演で映画化したミステリー・サスペンス。

人気企業の新卒採用試験を舞台に、最終選考に残った6人の大学生が、それぞれの罪を暴いた謎の告発文に翻弄されるさまと犯人探しの行方を描く。

出演は浜辺美波さん、赤楚衛二氏、佐野勇斗氏、山下美月さん、倉悠貴氏、西垣匠氏。

テレビドラマ『毒島ゆり子のせきらら日記』の矢島弘一氏が脚本を担当。

監督は『キサラギ』『シティーハンター』『ストロベリーナイト』の佐藤祐市氏。

 

 

六人の嘘つきな大学生

六人の嘘つきな大学生

 

 

六人の嘘つきな大学生 Blu-ray豪華版

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原作:『六人の嘘つきな大学生』

 

『六人の嘘つきな大学生』は、浅倉秋成先生による小説。

2021年3月2日にKADOKAWAより刊行。

オーディオブック化、舞台(リーディングアクト)化、漫画化、ラジオドラマ化された他、2024年には映画版が公開された。

 

 

六人の嘘つきな大学生 (角川文庫)

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あらすじ

 

 

誰もが憧れるエンタテインメント企業 "スピラリンクス" の新卒採用で最終選考まで残った6人の大学生たち。

彼らに与えられた課題は、6人で1ヵ月後のグループディスカッションに臨むこと。

内容次第では全員内定もあり得るとのことで、6人は協力して準備を進めていく。

しかし本番直前、6人で勝ち残る1人を決めるという課題の変更が告げられる。

こうして会議室に集められた6人を、謎の告発文という思いもよらぬ最大の試練が待ち受けていたのだったが…。

 

 


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登場人物

 

 

嶌 衣織

演 - 浜辺美波

 

洞察力に優れた主人公。

 

 

波多野祥吾

演 - 赤楚衛二

 

まっすぐな性格のムードメーカー。

 

 

九賀蒼太

演 - 佐野勇斗

 

冷静で的確なリーダーシップをとる慶大生。

 

 

矢代つばさ

演 - 山下美月

 

語学力と人脈に自信を持つ学生。

 

 

森久保公彦

演 - 倉悠貴

 

口数が少なく分析力に優れた学生。

 

 

袴田亮

演 - 西垣匠

 

スポーツマンでボランティアサークル代表。

 

 


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物語の違和感と余韻

 

 

就職活動、特に新卒採用に関しては圧倒的な売り手市場である昨今。

高望みさえしなければ、仕事などいくらでもあるのだろう。

しかし、超人気IT企業「スピラリンクス」の選考現場は違った。

そこは、数千人から数人しか選ばれない、あまりに過酷な超買い手市場である。

そんな異常な空間を舞台に描かれる本作『六人の嘘つきな大学生』

タイトルからしてすでに魅力的だ。

想像力が刺激され、どんな泥仕合が繰り広げられるのか、様々な憶測が脳内を飛び交う。

序盤はまさに、その憶測通りの作風で展開される。
おためごかしの仲間ごっこ。

それぞれが腹に一物抱えながら、内定を目指して共に笑い合う。

しかし、状況は一変。

それぞれの思惑が暴かれ、物語は緊迫感を増して加速していく。

それでも、これは想定の範囲内。

タイトルから、人間の本質を描く作品であろうことは、ある程度予想できていた。

予想と違っていたのは、それぞれが足を引っ張り合うこの泥仕合が最後まで続かなかったことだ。

物語の中盤、この泥仕合は早くも決着する。

キャスティングを考えれば、結果も想像通りである。

しかし、物語は思わぬ方向へと向かっていく。

言わずもがな、真犯人探しである。

真犯人の目処も、おおかたはついていた。

ただひとつわからなかったのは、 なぜ犯人自らが率先して墓穴を掘るような真似をしたのか。

それも、動機を聞けば納得…とはいかない。

なぜなら動機があまりに弱すぎるからだ。

「そんなことで?」と首を傾げる安直な動機は 、まるで『名探偵コナン』の犯人たちのような唐突さを覚えてしまった。

「思わぬ方向」と感じたのはそのためである。

今さら真犯人を探し出して何になる?

はたして、そこまでやる必要があるのか?

動機だけでなく、万事がこんな印象だった。

たしかにトラウマになったとしてもおかしくない事態ではあったのだが、何年も経過して、なお執念深く真犯人を探し出すほどのことだったのか?

採用側が、「ご縁がなかった」という言葉でお断りを入れるのは、不採用に執着させないためである。

どんな異常な状況であろうが、いかなる採用試験もだいたいそんなものだ。

何が起きても「ご縁がなかった」だけ。

次に気持ちを切り替えるしかない。

過去をいつまでも引きずってなどいられないのである。

どんなに執着しようが、結果が変わることなどありはしないのに…。

そう考えてしまうと、本作で起こるすべてに違和感がつきまとう。

着眼点が面白かっただけに、この温度差は如何ともしがたい。

本作は、いったい何を見せたかったのだろう?

いまいちよくわからなかった作品。

だからといって、つまらなかったわけではない。

就活・密室・暴露。

スリリングなシチュエーションと、そこに放り込まれた人間の醜い本性を赤裸々に炙り出す。

そうかと思いきや、最後の一線を超えることなく、物語は解決に向かう。

おそらく本作はシチュエーションを楽しむ作品なのだろう。

他人の秘密を暴き立てる胸糞展開を予想し、事実途中まではそうであったのだけれど、観終えた後の余韻はけっして悪いものではなかった。

ただひとつ、この物語が示したかったメッセージがあるとしたら、それは「第一印象って、案外間違っていないのかも?」ということ。

他人の隠された一面、たとえば悪意や過去を知ってしまうと、それがその人の「すべて」だと思い込んでしまいがちになる。

けれど、最初に出会ったときに感じた「この人は良い人そうだ」「波長が合う」というポジティブな直感もまた、間違いなくその人の真実なのである。

人の印象は出会った瞬間にほとんど決まるというが、本作を観たらまんざらそれも嘘でもないような気がした。

突拍子もない展開ではあったが、ドロドロした人の裏側を見せられた後だからこそ、最初に見ていた光の部分がより強調され、不思議な感覚を得ることができた。

きっとこれが余韻の良さに繋がったのだろう。

何より、エンターテインメントとしてそれなりに面白かったとは思う。

特に、二転三転するシナリオに翻弄され熱演する若手俳優たちの姿は、一見の価値があるのではないだろうか。

興味がある人はぜひ。

 

 


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