知識の泉
今すぐ誰かに話したくなる知的雑学
「どこの馬の骨」なんて言わせない!人類より圧倒的に「骨のある」サラブレッドの血統事情
知識は力なり
かの有名なイギリスの哲学者、フランシス・ベーコンは言った。
「知識は力なり」と。
この言葉には、読んで字の如く「知識は自身の力になる」という意味とは別に、「経験によって得た知識を、いかにして実践的に使用することができるのか」という意味も込められている。
雑学も同様だと思う。
実際には、生きていく上で何の役にも立たないと思われている、どうでもいい情報群。
それが雑学という分野といえるだろう。
しかし雑学で得た知識を、どのように使うのかは人それぞれ。
普段の話のネタに困っている人。
トーク力を上げたい人。
飲み会やデートなどで知識を披露したい人。
知識を吸収したいけどあれこれ調べるのが面倒な人。
そして、物事の本質や奥深さを知りたい人。
純粋に「なるほど!」と思いたい人まで。
当たり前に感じていたことも、角度を変えた視野からみることで、別の面があることに初めて気付かされる。
その知識を他人にひけらかすだけでなく、その知識をもとに、固定観念から解放され、世の中の見え方を変えようではないか。
さすれば、「知識は力なり」の言葉の意味を実感できるはずである。
あなたは自分が「どこの馬の骨」かわかりますか?
「どこの馬の骨かもわからない奴に、娘はやらん!」
よくドラマなんかで頑固親父が放つ定番のこのセリフ。
「どこの馬の骨」とは身元や素性がまったく不確かな人間をあざける言葉である。
たしかに、そんな人間はごまんといる。
だが、もしこの相手が競馬界の主役「サラブレッド」だったなら、このセリフは特大ブーメランとなって頑固親父に突き刺さることになるだろう。
なぜなら、サラブレッドはこの地球上で、人間よりも遥かに完璧な氏素性、つまり血統を持っているからである。
サラブレッドのご先祖様を遡るとたった3頭の馬に行き着く。
競馬ファンには常識かもしれないが、一般的にはあまり知られていないこの事実。
そもそもサラブレッドの歴史は、18世紀初頭のイギリスに始まる。
驚くべきことに、現在世界中にいる何十万頭ものサラブレッドの父系(父の父のそのまた父……)を遡っていくと、例外なくすべて、三大始祖と呼ばれるこの3頭の馬に辿り着くのだ。
- ダーレーアラビアン※1
- ゴドルフィンアラビアン
- バイアリーターク
「お前の先祖は誰だ?」と聞かれて、300年前の特定の1頭まで正確に家系図を遡れる人間がどれほどいるだろうか。
サラブレッドの世界では、それが絶対に可能なのである。
そもそも、サラブレッド(Thoroughbred)という名そのものが、「完全に(Thorough)育てられた(Bred)」、つまり「純血」を意味する。
彼らの血統は『ジェネラルスタッドブック』という血統登録書で一元管理されており、この本に親の記録がない馬は、どんなに足が速くても絶対にサラブレッドとして認められない。
つまり競馬の世界において、血統のわからない馬は文字通り「どこの馬の骨かわからない馬」として排除されてしまうのである。
自分のルーツを数十代も遡れば、誰がどこで交わったか分からなくなるのが人間だ。
それもそのはず、現在の日本の戸籍制度が確立されたのは、たかだか150年ほど前の明治時代※2。
しかしサラブレッドは違う。
徹底的なデータ管理の元で純血を守り、300年間も「どこの馬の骨か」を証明し続けているサラブレッドからして見れば、人間のほうがよっぽど素性不明な存在だ。
次に誰かから「どこの馬の骨だ」と言われたら、心の中でこう呟いてみよう。
「サラブレッドじゃあるまいし、そんなの分かるわけないだろう」と。
※1.ダーレーアラビアン
現代のサラブレッドの9割以上を占める圧倒的主流。
※2.現在の日本の戸籍制度が確立されたのは、たかだか150年ほど前の明治時代
日本の戸籍制度の歴史は非常に古く、形式的な起源は6世紀中頃(540年頃)の「帝紀・旧辞」に基づくものとされている。
だがそれは一部の格式高い家系のみの話。
一般庶民を含めた本格的な全国統一制度は明治時代の1872(明治5)年の「壬申戸籍(じんしんこせき)」から始まる。
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