短編映画(縦型)
レンタル部下
※本稿はネタバレを含みます。ご注意下さい。
現代社会の闇深さを描いた2分40秒の現代人物戯画
短編映画(縦型)『レンタル部下』とは
短編映画(縦型)『レンタル部下』は、現代社会の人と人の関わり方に向き合った2分40秒のショートフィルム。
監督を務めた上田慎一郎氏は、実際に存在するサービスをネット記事で知ったことから着想を得たという。
ショートムービープラットフォーム・TikTokと第76回カンヌ国際映画祭による第2回「#TikTokShortFilm コンペティション」にて、グランプリを受賞。
上田監督は受賞に際して「この作品は現代の日本社会をカリカチュアして描いたものです。しかし世界中の人が共感できる、普遍的な人間関係やコミュニケーションの話にもしたいと思っていました。今回、それが実ったようでとてもうれしいです」とコメントしている。
カンヌ国際映画祭・第2回「#TikTokShortFilm コンペティション」グランプリ作品『レンタル部下』
出演:吉岡眞子、川口貴弘、川口紗弥加、野田英治監督・脚本・撮影・編集:上田慎一郎
録音・音楽:鈴木伸宏
制作応援:イッキ
人間関係は、今や "代行" される時代へ
現代社会の闇深さを風刺を効かせ滑稽に切り取った本作。
演者の微妙な演技力が「コミュニケーション代行」への妙なリアリティを生み出している現代人物戯画である。
そう。
人間関係は、今や "代行" される時代へとなりつつある。
「レンタル家族」や「レンタルフレンド」、「おっさんレンタル」や「退職代行サービス」など、どれも目を耳を疑うようなものばかり。
そこまでして人間関係を避けたいのかと、ただ驚くばかりである。
もはや人と人とのつながりは、 "制度" や "文化" から切り離され、"契約" と "演技" によって代替されるという、関係性の根本的な再構築が進行している。
かつて、家族関係や職場関係に内在していた非言語的で情緒的なやりとりは消え失せ、代わりに関係性は "商品" として再構成され、つながりは "サービス" として提供されるようになった。
かつて当然とされた家族的なつながりは、今や選択し、購入する対象となっている。
たしかに他者との関係を "契約" として再定義してしまえば、人間関係の摩擦や痛みから解放されたように感じるかもしれない。
だがその保護の裏では、人間が人間と関わることの意味や重みが静かに、しかし確実に失われていく。
レンタル家族や退職代行が現代社会における人間関係の正常な対応策となりつつある今、その過程で我々は何を犠牲にしているのか?
本作はそう問いかけているようである。
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