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完全趣味の世界

ioritorei’s blog

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おじさん、ガチャピンと出会う。

 

おじさん、ガチャピンと出会う。

 

 

 

 

 

 

 

今の音楽シーンは、良くも悪くも一極集中の時代。

「推し」の情報を追いかけ、その「好き」が知らず知らずのうちに解析され、アルゴリズムがおすすめしてくる「自分好み」らしき音楽に囲まれて暮らす。

それは、とてもとても快適で居心地が良い生活だ。

自分の琴線に触れてくるのだから、たしかに快適ではある。

が、はたしてそれは「豊か」と呼べるのだろうか?

快適な温室に浸かりすぎると、人は必ず堕落する。

現状維持を善しとする。

新しいことに挑戦しない。

いつの間にか視野が狭くなる。

視野が狭くなるということは、世界を狭めることと同義である。

そんな狭まりかけていた世界を、ある日、カーステレオのラジオから流れてきた一曲がぶち壊してくれた。

Gacharic Spin、通称「ガチャピン」「Mindset」

 

 


www.youtube.com

 

 

MindSet

MindSet

  • Gacharic Spin
  • ロック
  • ¥407

 

 

カーステレオのスピーカーから、突如として鳴り響いたベースのイントロ。

これが錆びつきかけていた琴線を激しく振るわせた。

そのあまりの恰好良さと、地を這うような重低音のドライブ感に、思わずハンドルを握る手に力を込める。

続いて重なるタイトなドラム。

エッジの効いたギター。

そして縦横無尽に暴れ回るバンド全体の完璧なアンサンブル。

一瞬で耳と心を奪われた。

その獰猛なまでにキャッチーなメロディと疾走感は、どこかあのThe Offspringを初めて聴いた時の、もしくはJET「Are You Gonna Be My Girl」を初めて聴いた時の、胸の奥が熱くなるような興奮を思い出させる。

かつて我々がロックに求めていた、理屈抜きの初期衝動と高い演奏技術が、そこには完璧な形で融合していたのだ。

それもそのはず、このGacharic Spin

調べてみると15年以上のキャリアを持ち、国内外の玄人を唸らせてきた超絶技巧バンドで、目の肥えた音楽ファンが集まる大型フェスでも、その圧倒的なライブパフォーマンスで「初見の観客を全員ファンにして帰る」と言われるほどの現場力を持っているらしい。

今、音楽シーンはDTM(打ち込み)サウンド全盛期。

かつてのバンドサウンドはすっかり影を潜める。

ロートルたちはかつての栄光にすがり、時代に取り残されたまま。

もはやあの頃の輝きはない。

おかげですっかり忘れてしまっていた。

ロックが大好きだった自分を。

Deep Purple「Speed King」Bon Jovi「Livin' on a Prayer」に胸を高鳴らせていたあの頃。

よくわからないけどなんだか恰好良かったJimi Hendrix「Purple Haze」、まったくわからなくてそれでもなんとか理解しようと聴きまくった「Red House」

THE BLUE HEARTSXを初めて聴いた時の、あの衝撃と興奮。

Gacharic Spinの音楽は、忘れかけていたあの頃の情熱を呼び覚ましてくれた。

あの日の衝動は、今も死んでなどいなかった。

今どきの音楽はわからんと、昔の曲ばかり聴いている世のオジやオバよ。

今どきの音楽だって悪くない。

むしろオジやオバにだってしっかり時代についていけるところをみせてやれ。

もしもいつものように、自分のプレイリストだけをループ再生していたら、このGacharic Spinというバンドの凄みに触れることは、一生なかったかもしれない。

この出会いは、もう一つ大切なことを教えてくれた。

新しい音楽と出会う、つまりは自分の世界を広げるためには、常にアンテナを広げ、視野を広く持っていなければならない、ということだ。

そう考えると、現代におけるラジオというメディアのありがたさが、改めて身に染みる。

サブスクのAIが弾き出す「あなたへのおすすめ」は、過去の自分の延長線上でしかない。

しかし、ラジオというコンテンツは違う。

ラジオは自分の趣味嗜好の外側から、パーソナリティの熱量や偶然のタイミングによって、全く予期せぬ未知の衝撃を放り込んでくる。

「推し」を一途に愛する楽しさは、たしかに素晴らしい。

経験があるからわかる。

が、それは同時に自分の殻に閉じこもることにもなってしまう。

今見えている世界が、この世のすべてだと勘違いしてしまう。

だからこそ、時にはその温室を飛び出して、偶然が運んでくる風に身を任せてみる。

そしてその風が改めて世界の広さを教えてくれる。

ぬるま湯に浸るにはまだ早い。

耳の肥えた大人が「恰好良い」と本気で唸れる音楽は、まだ見ぬ世界のあちこちに、こうして牙を剥いて待っているのだから。

新しい音楽との出会いは、いくつになっても嬉しい。

歳を重ねてなお、こんな体験ができるのだからアンテナは張っておくものだ。

やっぱりロックは最高。

もちろんYOASOBIだって大好きだけどね。

 

 

Gacharic Spin[通常盤](CD)

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