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完全趣味の世界

ioritorei’s blog

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【アニメ『あかね噺』】誰もが知っている話を、いかにして面白おかしく聴かせるかーー究極の話芸「落語」の真髄。

 

アニメ

あかね噺

※本稿はネタバレを含みます。ご注意下さい。

 

 

誰もが知っている話を、いかにして面白おかしく聴かせるかーー究極の話芸「落語」の真髄

 

 

 

 

 

 

 

アニメ『あかね噺』とは

 

 

目指すは、頂ーーー噺で、勝つ!

その身一つで、芸を極めよ――

 

幼い頃から噺家の父・阿良川志ん太(あらかわしんた)の背中を見て、その魔法のような落語に魅せられていた桜咲朱音(おうさきあかね)は、父が真打昇進をかけて挑んだ大一番の舞台で、衝撃的な事件を目撃する。

6年後――そこには、落語界の最高位 "真打" を目指して突き進む高校生になった朱音の姿があった。

話芸の極致で噺家たちが鎬を削る、本格落語ものがたり――ここに開幕。

 

 

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原作:末永裕樹 作画:馬上鷹将『あかね噺』(集英社)

 

『あかね噺』は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)において、2022年11号から連載中。

落語家の父親を尊敬する少女が「真打」になるべく噺家として奮闘する女性落語家を描いた物語。

2026年1月時点で累計発行部数300万部を突破している。

落語監修は落語家の林家けい木(2025年3月に林家木久彦に改名。林家木久扇一門)が担当している。

 

 

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あらすじ

 

 

小学5年生の桜咲朱音は、噺家の父・阿良川志ん太の背中を見て、その魔法のような落語に魅せられていた。

志ん太は自分の夢を支えてくれている家族のため、落語界の最高位 "真打" への昇進試験に挑む。

朱音たちが見守る中、実力を発揮した志ん太だったが、昇進試験は誰もが思いもよらない衝撃的な展開を迎えるーーー。

 

 


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登場人物

 

 

阿良川 あかね / 桜咲 朱音

声 - 永瀬アンナ

 

落語家の最高位 "真打" を目指す女子高生。

負けん気が強く、これと決めたらとことんやり抜くタイプ。

父・志ん太の落語が好きで、幼い頃から父の稽古の様子をこっそり覗いては、見よう見まねで再現していた。

志ん太の真打昇進試験でのとある出来事をきっかけに、本格的に落語の道を志すことに。

 

 

阿良川 志ん太 / 桜咲 徹

声 - 福山潤

 

朱音の父。

阿良川志ぐまの弟子で "二ツ目" の落語家。

自分の夢を支えてくれている家族のため、そして何より朱音の期待に応えるため、落語家の最高位 "真打" への昇進を目指して奮闘している。

 

 

阿良川 志ぐま

声 - てらそままさき

 

志ん太の師匠であり、朱音も弟子入りすることになる、阿良川四天王の一角。

人情噺の名手で、"泣きの志ぐま" と評される。

一門のトップである阿良川一生は兄弟子にあたる。

 

 

阿良川 まいける

声 - 島﨑信長

 

朱音が弟子入りする阿良川志ぐま一門の落語家。

朱音の兄弟子。

遊び人で、女性を見るとすぐに口説こうとする軽薄な一面があるが、"二ツ目" でありながらその実力は "真打" に近いと言われている。

 

 

阿良川 こぐま

声 - 小林千晃

 

朱音の兄弟子。

階級は "二ツ目"。

勉強熱心な秀才で、落語についても深く調べることから、志ぐま一門の "寺子屋" と呼ばれる。

口数が少なく、人付き合いは苦手。

 

 

阿良川 享二

声 - 阿座上洋平

 

朱音の兄弟子。

階級は "二ツ目"。

生真面目すぎる性格から、志ぐま一門の "お奉行様" と呼ばれる。

妹弟子の朱音に対しても面倒見がいい。

機械に疎く、ガラケーを使っている。

 

 

阿良川 ぐりこ

声 - 山下誠一郎

 

朱音の兄弟子。

駆け出しの "二ツ目"。

志ぐま一門の中では最も朱音と年齢が近く、気軽に頼れる兄貴肌であるが、時折おっちょこちょいな一面も。

 

 

練磨家 からし

声 - 江口拓也

 

学生落語選手権 "可楽杯" を2連覇中の大学生。

非常に要領がよく、かなりの自信家。

大手企業の内定を数多く獲得している。

一部からは「学生落語の天才」と呼ばれており、現代風にアレンジした改作落語が持ち味。

 

 

高良木 ひかる

声 - 高橋李依

 

人気急上昇中の若手声優。

容姿など実力以外が評価されている現状に疑問を感じ、自分の力を試すために落語の道に挑む。

福岡出身で、人が見ていないところでは方言が出る。

 

 

阿良川 魁生

声 - 塩野瑛久

 

当代一の呼び声高い落語家・阿良川一生の弟子。

入門して2年、19歳で "二ツ目" となった新進気鋭の若手注目株。

実力ある若手の噺家に興味があり、朱音のことも注目している。

 

 

阿良川 一生

声 - 大塚明夫

 

柏家、三明亭に続く江戸落語界の三極のひとつ「阿良川一門」のトップで、"当代一" の名をほしいままにする実力者。

芸道には厳しく、その様は "修羅" と形容されるほど。

志ぐまの兄弟子、魁生の師匠にあたる。

 

 


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落語とアニメ、噺家と声優

 

 

本作のテーマは、ズバリ落語。

実に渋い、が大変興味深い作品である。

ところで落語とは、一体どのような芸能なのだろうか?

簡単に説明しよう。

落語の世界には劇的な大どんでん返しがあるわけでも、誰も見たことがない最新のSF世界が広がるわけでもない。

そこに転がっているのは、何百年も前から変わらない人々の営み。

誰もが一度は耳にしたことがあるようなお決まりの物語だ。

しかし、そんな誰もが知っている話を、いかにして面白おかしく聞かせるか。

この一点にこそ、落語という究極の話芸の真髄がある。

そんな何百年も語り継がれてきた落語を、アニメーションという現代のエンターテインメントに落とし込んだのが本作である。

しかし、如何に落語が魅力的であろうと、そこはやはり古典芸能。

いくらアニメ化されたとはいえ、歌舞伎や能と同様、年寄り好みのエンターテイメントと言わざるを得ない。

定期的にブームは来るものの、じゃあ若者が「今落語がキテる」とか「落語がヤバい」とか言い出しているかといえばそうではない。

もちろん、「落語がエモい」やら「落語がメロい」やら言うわけもない。

「キテる」だの「ヤバい」だの言ってる時点で既に時代遅れである。

だから本作には、落語を知らない人が観やすくなるための工夫が彼方此方に凝らされている。

まず、本来ならば想像の中にしかない物語を、部分的にではあるがアニメーションで映像化する。

これは『超入門!落語 THE MOVIE』で確立された画期的なアイデアの系譜ともいえる。

それが実写よりもさらに自由度の高いアニメーションになれば、落語がさらに身近なものに感じられるだろう。

さらに落語に馴染みのない人のために、噺にチュートリアル的な解説を入れてくれる。

もともと歌舞伎や能ほど専門知識を必要としないのが落語の特徴ではあるが、やはり現代とは異なる文化や時代背景を知らないと、いまいち楽しめない噺もたくさんある。

そんな時、ほんの少し説明を入れてくれるのは、落語初心者には有難い仕様といえる。

 

 


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未読であるが、原作は「少年ジャンプ」で連載中とのこと。

テーマが落語だから、往年の王道少年ジャンプ的なバトルシーンなんてあろうはずもないが、主人公・あかねが過酷な芸の世界で切磋琢磨していく熱い成長ドラマは健在。

だからこそ、普段落語に馴染みのない人でも、気づけば画面に固唾を呑んで見入ってしまう。

さらに、アニメならではのダイナミックな演出が熱量を後押しする。

演者の声の抑揚に合わせてダイナミックに変化する作画や、落語の噺の中に引き込まれていく観客の心理描写。

ただの座って喋るだけの芸が、これほどまでにスリリングで、手に汗握るシーンになり得るのかと、多くの人が目から鱗を落としたはずだ。

本作は、伝統芸能の奥深い面白さをたしかに描き出している。

しかし、本作を語る上で絶対に外せない魅力は、別のところにある。

そもそも、なぜアニメでこれほど落語の面白さがストレートに伝えられるのか?

それは噺家と声優が同種の表現者であるからだ。

そしてキャラクターに命を吹き込む本作声優陣に、圧倒的な技量があるからに他ならない。

本作では、キャラクターの通常演技とは異なり、劇中で落語を披露するシーンでは、声優でありながらプロの噺家と同等の演技力が求められる。

プロの噺家は、釈台の前に座り、扇子と手ぬぐいだけで、老若男女、時に町内の頑固親父から艶っぽい花魁までを一人で瞬時に演じ分けなければならない。

そしてそれは、声一本で世界を構築するアニメ声優もまったく同様なのである。

つまり本作で披露される一席は、まさにアニメ声優としての最大の腕の見せ所と言っていい。

もちろん本作のキャスト陣は、遺憾なくその腕を振るってくれている。

主人公・あかね役の永瀬アンナさんをはじめ、ライバル役の江口拓也氏や高橋李依さん、そして落語界の重鎮・阿良川一生を演じる大塚明夫氏にいたるまで、キャスト陣が披露する一席の説得力は凄まじい。

声のトーン、緩急、ブレスのタイミング、そして言葉の裏にあるキャラクターの感情の乗せ方――。

まさに声優としての実力が120%試される腕の見せ所が満載の作品であり、声優ファンにとっても鳥肌が立つような名演の応酬が繰り広げられているのだ。

これを面白いと感じないわけがない。

それと忘れてならないことがもうひとつ。

劇中では様々な古典落語が登場するが、可楽杯のクライマックス、第1期(続きがあるのか?…と思っていたら第2期制作決定!)の締めくくりのネタとして、ベタ中のベタである〈寿限無(じゅげむ)〉をもってきた感性と、その度胸を外すわけにはいかない。

 

 


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このことこそ、本作が落語の醍醐味そのものを極限まで理解している証拠だといえる。

「寿限無、寿限無、五劫のすりきれ……」

日本人なら誰もが一度は耳にしたことがある、あまりにも有名なあの長い名前。

サゲ(オチ)まで全員が知っている、古典中の古典である。

いわば完全ネタバレしている噺だ。

もしこれが推理小説だったなら、この壮大なネタバレを許すことができるだろうか。

否、許せるわけもなく、きっと本を開くことすらしなくなるだろう。

しかし、落語は違う。

誰もが知っているはずの「寿限無」のフレーズが、声優陣の卓越した演技力と、キャラクターが背負う背景によって、全く新しい鮮烈なエンターテインメントへと変貌を遂げている。

知っている噺が、なぜこんなに面白いのか?

演者の違いが、これほどまでに印象を変えるのか?

そう感じ得ることが出来たのは、誰もが知る「寿限無」だっただからこそ。

これは感覚的で、かつ効果的な見事すぎる演出だった。

だからこそ、声優の「声一つで世界を変える力」が最も純粋に響く。

我々は落語という文化が何百年も愛され続けてきた理由を、理屈ではなく本能で理解させられるのだ。

本作は、今や日本を代表するコンテンツであるアニメという舞台で、観る者を寄席へと誘う極上のナビゲーターである。

すでに結末を知っている物語に、もう一度笑い、もう一度涙する。

そんな贅沢な体験を支えているのは、伝統的な話芸の魅力と、現代の声優たちの限界突破した演技力に他ならない。

あかね、会心の〈寿限無〉を聴き終えた時、きっとあなたも本物の寄席に足を運び、落語が持つ無限の可能性を体感したくなるはずだ。

 

 


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第2期制作決定!

 

 


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