アニメ
GREAT PRETENDER
人気ドラマ『コンフィデンスマンJP』の原型!でもアニメの主人公にはちょっとイライラ…
『GREAT PRETENDER』とは
『GREAT PRETENDER』(グレートプリテンダー)は、WIT STUDIO制作によるテレビアニメ作品。
2020年6月よりNetflixで先行配信された後、7月から12月までフジテレビ「+Ultra」枠にて放送された。
本作は人気作品『コンフィデンスマンJP』などで知られる古沢良太氏が初めて脚本を手掛けるオリジナルアニメ作品であり、コンゲーム(信用詐欺)を題材としたストーリーが描かれる。
『GREAT PRETENDER』とは、直訳で「とんでもない詐称者」を意味する。
ED曲の『ザ・グレート・プリテンダー』の日本語訳では、「大した役者」「かなりの食わせ者」などとも訳されている。
古沢良太氏が、2012年にWIT STUDIOのプロデューサーの和田丈嗣氏からオリジナルアニメの制作に声を掛けられ、監督の鏑木ひろ氏と相談しつつ詐欺師の物語(コン・ゲーム)を構想していった。
古沢氏にとっては初めてのアニメ作品でテレビドラマ『コンフィデンスマンJP』より先に筆を執っている。
1話の中で、伏線を張り、回収してオチをつけるのが難しいため、映画の分量でストーリーを4つつくるつもりで、4つのCaseに分けた物語となった。
メインキャラクター3人の素性が不明な『コンフィデンスマンJP』とは反対に、各Caseごとにキャラクターが掘り下げられていくことになっている。
主人公は詐欺師だが愛嬌があって騙されやすい日本人の枝村(通称エダマメ)となった。
枝村とは対照的に才気あるリーダーにフランス人のローラン、女性キャラクターは中東系の影のある少女アビー、セクシーな大人の女性シンシア(ポーラ)が作られた。
TVアニメ「GREAT PRETENDER」Original Soundtrack
「GREAT PRETENDER」CASE 1 ロサンゼルス・コネクション [Blu-ray]
あらすじ
Season 1
CASE1: Los Angeles Conection
詐欺師の青年・枝村真人(エダマメ)は、得意の英語で外国人観光客から金を騙し取ろうとするが、逆に大金30万円が入った自分の財布とすり替えられる。
枝村は財布を盗ったローランを追いかけ、ロサンゼルス行きの飛行機に乗りこむが、それは枝村を利用しようとするローランの企みであった。
ローランは新型ドラッグ「サクラマジック」を、ハリウッドの裏社会を牛耳るマフィアの大物エディ・カッサーノに、500万ドルで売りこむ。
枝村を開発した日本人博士に仕立て上げ、取り巻きのアビーが効果を証明する。
枝村はサクラマジックの「レシピ」をつけて倍の1000万ドルで独占販売契約を結ぶが、カッサーノはサクラマジックの試作を要求。
窮地に追い込まれた枝村だが、FBI捜査官のポーラ・ディキンスたちが、現場に突入。
だがポーラはカッサーノの全財産1億ドルと引き換えに彼を釈放する。
実はポーラになりすましていたのは詐欺師のシンシアであり、ローランたち信用詐欺師コンフィデンスマンはカッサーノの全財産を巻き上げることに成功したのだった。
翻弄された枝村は帰国後、交番に出頭する。
CASE2: Singapore Sky
出所した枝村は、自動車整備士として働き始める。
整備工場の親方にプロペラ機の整備を仕込まれた枝村は、エアレースのチームに整備士として派遣されるが、それはまたもやローランたちの企みだった。
ローランのターゲットは、産油国の王子でエアレースプロモーターである兄のサム・イブラヒムと、その弟で看板パイロットのクラーク・イブラヒム。
シンシアは唯一の女性オーナーとして、アビーは唯一の女性パイロットとしてレースに出場し、サムとの駆け引きと実力でクラークとの決勝戦出場を確約させる。
ローランは昨年レース中の事故で車椅子生活となったルイスと、その妻イザベルを呼び寄せ、枝村をイブラヒム兄弟の整備士として潜り込ませる。
枝村は兄のサムをローランが作った偽の裏カジノに誘いこむ。
エアレースの裏カジノに嵌まり、250万ドルの賭け金を失ったサムは、それを取り返そうと決勝戦でクラークに2500万ドルを賭ける。
アビーたちの過去を知った枝村は、アビーの替わりにルイスを搭乗させる。
真剣勝負の結果、僅差でクラークが勝利。
しかし、ローランは偽の中継映像や勝利者の花火の色を変えるガラスフィルムでサムを欺き、賭け金全額を奪いとることに成功するのだった。
CASE3: Snow of London
枝村は、ローランの紹介でフランスの中国人経営の寿司屋で働き、小さなレストランに下宿していたが、寿司屋はクレームで閉店、下宿の店も借金で売られるという。
枝村はコンフィデンスマンの仲間を集め、下宿に飾ってあった絵画を2万5千ユーロでクレームをつけた男に売りつけるが、その絵は長らく行方不明になっていた幻の名画「ロンドンの雪」で、買ったのは美術鑑定士ジェームズ・コールマンだった。
シンシアはコールマンを破滅させようと宣言する。
ローランは闇美術商になりすまし、コールマンのオークションで「ロンドンの雪」を落札。
この絵の贋作をコールマンに買い戻させる計画を進める。
枝村はシンシアの元恋人トーマス・メイヤーに贋作を依頼。
ローラン主催の闇オークションでコールマンはシンシアと競り合い、「ロンドンの雪」を1億ポンドで落札。
だがアビーがコールマンのパトロン兼恋人のファラ・ブラウンにコールマンの正体を暴露。
ファラに絶縁されたコールマンは絵と引き換えに全財産を失ったのだった。
Season 2
CASE4: Wizard of Far East
枝村はローランたちと決別し、日本で会社員として真面目に働き始める。
だが、入社したスカーレット商会は朱雀アケミ率いる犯罪組織『朱雀連合会』のフロント企業で、アジア諸国で児童人身売買を行っていた。
枝村はまたもやローランの企みで悪徳企業入社に仕向けられたのだった。
ローラン一味は、アビーをUAE王族のプリンセスとして10億円で売りつけ、脱走させる計画を実行。
だが枝村が他の買われた子供たちも逃がそうとして失敗する。
上海の犯罪組織「龍虎幇(ロンフーバン)」の幹部が来日。
通訳のオズは枝村の父親だった。
枝村はオズを引き入れ、再び子供たちと脱走を図るが、オズの密告でアビー、シンシアは海に沈められ、枝村は自らオズの始末をさせられる。
ショックを受けた枝村は一転してアケミの忠実な側近となる。
枝村の前に死んだはずのオズがあらわれ、ローランと龍虎幇の関わりを説明する。
ローランはかつての恋人でコンフィデンスマンのドロシーを龍虎幇相手の詐欺に失敗して亡くしていた。
枝村はしぶしぶオズとローランたちの計画に加わる。
アケミと龍虎幇のボス・劉暁のテレビ会談で、枝村とオズは間違った通訳を続け、お互いが大金を用意することになった。
龍虎幇が来日しアケミと対面。
金と有価証券を出し合ったところで、警察に扮したシンシアたちが踏み込む。
そこへなぜかカッサーノたちも乱入し、銃撃戦になる。
残されたアケミたちは無人島に置き去りにされたことに気付く。
オズと枝村はそれぞれの幹部を薬で眠らせ、ローランが作ったハリボテの会長室に運び、金を騙し取る計画だったが、枝村は偽の銃撃戦を仕掛けてローランを騙したのだった。
祝杯をあげたコンフィデンスマンたちは解散。ローランは新たな仕事に動き出す。
『コンフィデンスマンJP』好きなら絶対に見逃せない
『コンフィデンスマンJP』などで知られる古沢良太氏の脚本だけあって、ただ騙すだけでなくエンターテイメント要素が多分に含まれている。
さらに実写版では限界があったであろう描写でも、アニメになることでド派手に描けるようになった。
多国に渡るコン・ゲームも、スケールがデカい。
『コンフィデンスマンJP』が好きなら、間違いなくハマるであろう作品である。
ただし個人的な好みをいえば、本作の主人公と呼ばれる枝村が、最後まで好きになれなかったことが惜しい。
とにかくウザい。
例えるなら、『コンフィデンスマンJP』のボクちゃんがずっと主人公を演じているようなものである。
他の主要登場人物がクールで格好良い分、主人公のウザさが際立ってしまっているのが少し残念のところだ。
だがそこさえ目を瞑れば、想像以上の大逆転を楽しむことができるだろう。
Season 2では、『コンフィデンスマンJP』の五十嵐もチョイ役で登場するなど、細かいところでも存分に楽しませてくれる作品だ。
色彩感覚が秀逸で、映像も美麗。
興味を持った人は是非観ていただきたい。
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