NHK総合よるドラ
腐女子、うっかりゲイに告る。
『腐女子、うっかりゲイに告る。』とは
『腐女子、うっかりゲイに告る。』は、浅原ナオト氏の長編青春小説『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』を原作としたテレビドラマ。
「カクヨム(※)」作品としては初の実写化作品としてテレビドラマ化され、NHK総合の「よるドラ」枠にて2019年4月20日から6月8日まで、土曜23時30分から23時59分に計8回が放送された。
主演は金子大地氏。
同枠にて2020年6月13日から8月1日までアンコール放送が実施され、同年10月にはFODプレミアムでも配信が行われた。
※カクヨムとは、Web上で小説を「書ける、読める、伝えられる」場所のこと。
そこでは、誰でも自由なスタイルで物語を書くことができ、いつでも無限に等しい数の物語を読むことができ、お気に入りの物語を他の人に伝えることができる。
原作『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』とは
『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』は、浅原ナオト氏の長編青春小説である。
略称は「カノホモ」。
カクヨムに2016年10月12日から10月28日に連載され、大幅加筆を経て2018年2月21日にKADOKAWAから刊行された。
同性愛者であることを隠して生活する男子高校生とBLを好む腐女子の同級生の恋愛模様と、世間一般における「普通」を求めてもがく性的マイノリティの姿を描く。
著者の浅原氏は同性愛者であることをカミングアウトしており、本作のタイトルに差別的意味を持つ「ホモ」を使用したことについて以下のように語っている。
僕が伝えたかったことは性的マイノリティは少ないというだけで、実はどこにでも存在するものだということ。
それなりに年を重ねてきて、おそらく同性愛者に出会ったことのない人なんて殆どいないのではないかと思う。
そんな同性愛者をバカにしている人たちがこの本を手にすることで、マイノリティについて考えてくれることを期待する意味を込めてこのタイトルにした。
同様にカミングアウトを行った際に「ホモ」という言葉に強く自分らしさを感じているとも述べている。
各章のタイトルにはゲイのアイコンとも称されるフレディ・マーキュリーが所属したロックバンド・QUEENの楽曲名を用いており、物語上でもジュンが愛聴するバンドとして登場する。
彼女が好きなものはホモであって僕ではない 1 (BRIDGE COMICS)
よくぞこれを地上波で放送してくれた!
性的マイノリティの現実を描いた意欲作
キッカケなんて些細なことだった。
ジャケットの好みだけでCDを選ぶジャケ買いのように、『腐女子、うっかりゲイに告る。』というタイトルに興味を持って観始めただけだ。
もちろん原作は知らない。
極めて軽い気持ちで観始めたドラマだったのだが、それがとんでもない勘違いだったことにすぐに気づく。
前述したように『腐女子、うっかりゲイに告る。』は、同性愛者であることを隠して生活する男子高校生とBLを好む腐女子の同級生の恋愛模様と、世間一般における「普通」を求めてもがく性的マイノリティの姿を描いた作品である。
率直な感想は、よくぞこのドラマを地上波で放送してくれた!
そんな気持ちなれるほどの意欲作。
だが性的マイノリティを題材に取り上げるには、日本の社会はまだまだ未成熟のような気がする。
もちろん著者も未成熟なひとりだった。
いくら映画『ボヘミアン・ラプソディ』が流行ったとはいえ、それはフレディ・マーキュリー(QUEEN)の自叙伝的要素が強かった。
大ヒットを記録した映画『ボヘミアン・ラプソディ』では、性的マイノリティを題材にしていたとは決して言い切れないのである。
だが『腐女子、うっかりゲイに告る。』は違う。
観ているこちらの方がドギマギしてしまうような描写でも、平気で踏み込んでくる。
自分の理解の無さにほとほと呆れるくらい、己の固定観念の中のタブーにズカズカと踏み込んでくる。
非常にリアリティ溢れる性的マイノリティの現実を、良くも悪くも忌憚なく描いている。
いや…良いことなんてひとつもない現実といった方が正しいのか…
性的マイノリティの悩みや苦しみが、無知な自分にも十分伝わってくる内容だ。
多様性を認めるなんて口ではいっていても、それだけでは綺麗事の理想論でしかない。
本気で多様性を認め合う社会を目指すのなら、『腐女子、うっかりゲイに告る。』のような作品を、地上波でももっとどんどん放送すべきだ。
もっと多くの人の目にとめなければいけない。
そしてしっかりと現実を知るべきだ。
なかなか重い内容のドラマではあるが、性的マジョリティほど是非観ていただきたい作品である。
実写映画版『彼女が好きなものは』
『彼女が好きなものは』のタイトルで実写映画版が2021年12月3日に公開。
監督は草野翔吾氏。
主演は本作が映画初主演となる神尾楓珠氏。PG12指定。
第28回釜山国際映画祭Open Cinema部門正式出品。
劇場版はまだ観ていないが、いつか観てみたいと思う。
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