「ルパン三世 PART4」は声優陣が刷新されて初めてのテレビシリーズ。
正直それまでのルパン三世のアニメ、主にTVスペシャルと呼ばれていたものは、いろいろな意味で微妙な作品だった。
声優陣の高年齢化が進み、シナリオもイマイチ。
コンプライアンスの問題か何か知らないが、バイオレンス的要素は極力削られ、ルパンの代名詞たる喫煙シーンも極力カット。
思い描くルパン像とはほど遠いものだった。
ちなみに著者が思い描く理想的なルパン像とは、
『男には 自分の世界がある たとえるなら 空をかける ひとすじの流れ星🎵』
を、地でいく存在である。
『裏切りは女のアクセサリーみたいなもの』だと、小粋に言ってのけるルパンだ。
女好きで女たらし。
※便宜上「女性」ではなく「女」と表現。
そのくせ人一倍、女に優しい。
いつもおちゃらけて何を考えているかわからないけど、キメる時にはビジっとキメる。
タバコとガソリン車の匂いをこよなく愛すルパンだ。
そんな理想のルパンを復活させてくれたのが、アニメ「ルパン三世 PART4」だった。
これがとにかく面白い。
多くのファンに懸念された声優陣の刷新も、個人的にはまったく問題なし。
声優さんは基本全員リスペクトしているのでこんなことを書くのは大変心苦しいが、もう不二子ちゃんの声には無理があった…
増山江威子さんの偉大な功績は疑いようもないが、いくらなんでも年相応というものがある。
先の記事でテーマにした栗田貫一氏が心なしか浮いてしまっていたのも、古い体制の声優陣が理由だったのではなかろうか。
それが声優陣が刷新されたことで栗田貫一氏が完全にフィットした。
これは特筆すべき恩恵だろう。
ちなみに不二子ちゃんに至っては著者的にドンピシャ。
現在は沢城みゆきさんが峰不二子役を務めているが、不二子ちゃんの代名詞たる色気と狡猾さと知性を見事に表現してくれる素晴らしい声優さんだ。
しかも可愛さまで兼ね備えていて、まさにパーフェクト。
シナリオは昔のルパンを彷彿とさせるハードボイルドが復活。
英国秘密情報部MI6なんか出てきたら激アツだろう?
しかも制作陣の過去作へのリスペクトを感じる演出は実に心憎い。
オールドファンにとっても観ていて嬉しいはずだ。
ルパンの愛車は相変わらずフィアットちゃんだが、ボンドカーみたいなハイテクカーも登場するし最終IT技術まで盛り込んでいる。
ガソリン車とハイテクカーの対比はまさに温故知新だ。
コンプライアンス無視の喫煙シーンでは、ルパンと次元が実に美味そうにタバコを吸う。
タバコとガソリン車の匂いがプンプンしてくるTV版ルパン三世はサイコーだ。
「ルパン三世 PART5」もPART4に負けず劣らずの秀作だ。
宮崎駿監督色が強い回なんかもあって、過去作へのリスペクトがとにかく凄い。
至るところに散りばめられられた過去作へのリスペクトを探すだけでも充分楽しめる。
本筋とは関係のないスポット回も秀逸で、とにかく遊び心に満ち溢れている。
TV版の制作陣はルパンを愛してやまない連中の集まりなのだろう。
どうしたらルパンが格好良く写るのかを完全に熟知している。
ルパンと不二子ちゃんとの関係もドキドキだ。
何より現代のルパンには、クラシックだが浪漫がある。
PART6が始まる前に過去作を振り返ってみるのがオススメだ。
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