『ルパン三世VS名探偵コナン』とは
『ルパン三世VS名探偵コナン』は、日本テレビの開局55周年と読売テレビ開局50周年の開局記念スペシャル番組。
モンキー・パンチ原作の『ルパン三世』と青山剛昌原作の『名探偵コナン』とのクロスオーバー作品である。
本作から約4年半後の2013年12月7日には、続編となる劇場版『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』が公開された。
実は本作以前でもルパン三世と江戸川コナンがわずかながら共演するシーンは何度か登場しているらしい。
(※アニメ製作はすべてトムス・エンタテインメント)
ストーリー
ヴェスパニア王国のサクラ女王とジル王子が猟銃事故で死亡する。
サクラ女王の娘・ミラ王女が王位を継承することになるが、ミラは母と兄の死を受け入れられず即位を拒否していた。
レセプションのため東京を訪れたミラは隙をついて逃走し、その途中で瓜二つの蘭と入れ替わる。
蘭が入れ替わっている間、ミラは不二子やルパンとひとときの自由を謳歌。
一方コナンは次元と行動をともにし猟銃事故の真実を追うが……。
「ルパン三世VS名探偵コナン」はここが凄い
ルパン三世の新シリーズが放送開始ということで、ハードディスク内にある過去作を漁っていたところ発見したのが『ルパン三世VS名探偵コナン』だった。
※こちらは劇場版の予告PV。
放送当時は正直何とも思わなかった。
むしろ不安の方が大きかったように思える。
しかしよくよく考えてみたら、いろいろな意味でメチャクチャ凄い作品だった気がする。
その理由はこうだ。
✔️ 作風の違う二作品の融合
改めて見直してみると放送当時、この作品に対して自分が如何に何も考えないで観ていたのかよくわかった。
この企画を耳にした時は、たしかにうっすら作画をどうするのか考えた記憶はある。
でも見始めたらすっかり忘れてしまっていた。
日テレのコネクションと権力をフル活用したような奇跡のコラボ。
只事ではなかったのだ。
では作画の異なる二作品を実際どうやって融合したのか。
一番気になるのは人物画だろう。
メインキャラクターは各作品に従えばいい。
事実、ルパンに出演するキャラはルパンの作画。
コナンに出演するキャラはコナンの作画スタッフが担当している。
作画スタッフは両作品から動員されたのだろう。
サブキャラ的な人の描写はどうしたかというと、どちらかといえばルパン寄りだったように思える。
これはストーリーが若かりし頃のルパンとリンクしていたからではなかろうか。
まぁこう書くとやはり「カリオストロの城」の影響は絶大だと感じざるを得ないのだが…
しかしシナリオ的にはコナン寄りだったように思う。
コナンのシナリオにルパンがお邪魔したような印象だ。
ちなみにルパン×コナンだけに大量の警官がエキストラとして出演していそうなものだが、はからずもストーリー的に護衛はSPが最適という素晴らしい設定で見事切り抜けている。
ちなみに「THE MOVE」では割りとエキストラ警官が出演するが、基本的にはその他大勢に作品の特色はない。
しかもコナン側のキャラクターがエキストラ警官を連れていて、ICPOの銭形のとっつぁんは単独行動という絶妙な発想で融合させて上手く整合性を取っている。
✔️ ルパンとコナンという人気作品の人気声優が勢揃い
なんといっても声優陣が異常なほど豪華だ。
コナン役・高山みなみさんもそろそろレジェンド扱いなのだが、ルパンにはそれ以上のレジェンドがゴロゴロいる。
ルパンほどの長寿番組になると声優陣の交代はほとんどない。
コナン側の若い声優さん(実際はそれほど…)にとって、ルパンのレジェンド声優陣と共演するコナン声優陣の心境はどんなものだったのだろうか。
子供の頃に観た憧れのキャラクターと共演できる喜びは如何ばかりだっただろう。
それが「THE MOVIE」になると声優陣は若返り、今をときめく人気声優が揃い踏みとなる。
ルパン側は声優陣が刷新されたばかりの頃だ。
レジェンドは小林清志氏以外刷新されている。
おかげで「名探偵コナン」の灰原愛役・林原めぐみさんと、「ルパン三世」峰不二子役・沢城みゆきさんの共演という、個人的にもファン的にも必見のお宝映像になっている。
ちなみに漫画が絶賛人気連載中のコナン側は劇場版では気合い十分だった。
人気キャラ総出演に近い。
平次はもちろんCIAの面々まで動員する気合いの入れよう。
コナン単体の劇場版もあるから、このコラボは話題作りにもってこいの企画だったのだろう。
何はともあれこれほど有名な声優さんが一同に会す作品は滅多にないだろう。
結局どちらがメインキャラクター?
前述したが、やはり現行のコナンがメインキャラクターだったような印象だ。
コナンのシナリオにルパンがお邪魔しているならそうなるだろう。
ターゲットやマーケティングを考えるなら当然の措置だと思う。
ルパンがサブキャラっぽく扱われるのは些か不服ではあったが、さる王国の王女様が若かりし頃に何かしら関わりを持つルパンはさすがの貫禄といえる。
設定的にはルパンあるあるであるが、やはり「カリオストロの城」はコナン側としても特別なのだろう。
奇跡的なコラボ作品なのだが、結果的には改めて宮崎駿監督の影響力の大きさを思い知らされた「ルパン三世VS名探偵コナン」だった。
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