本稿を読んでいただく前に
本稿を読んでいただく前に、大切なことをお伝えしておきたい。
本稿の目的は啓発であり啓蒙である。
決して強要するものではない。
誰にもスティーブ・ジョブズにはなれないし、スティーブ・ジョブズも彼以外にはなれない。
スティーブ・ジョブズのようにはなれても、スティーブ・ジョブズ自身にはなれないのである。
捨てるも拾うもあなたの自由。
何かの役に立つと思えば吸収すればいいし、不要と思うなら流せばいい。
反面教師にしたっていい。
あなたはあなたのままで、何かを感じてもらえたら。
そういう心づもりで読んでいただけたのなら幸いだ。
スティーブ・ジョブズ
1955年2月24日 - 2011年10月5日
優れた生産方式やシステムを有し、人材も優秀なのにも関わらず、モノづくりの力が弱くなってしまった日本。
日本の企業…いやさ、今の日本人には大切な何かが欠けているように思えてならない。
それは人を惹きつける人間力ではないだろうか。
カリスマ性や魅力ともいえる。
多くの優秀な点を集め、大きな絵を描けたとしても、そこに長く繋ぎとめおく魅力が、今の日本にはない。
日本でイノベーションが起きにくくなったのは、才能云々の問題ではなく、人間力の問題といえる。
ほんの少し考え方を変えれば、ジョブズほどの革新は起こせなくとも、日々の生活の中で自分なりの小さな革新を起こすことはできるはずだ。
生きづらい時代になって久しい。
おそらく、これからもっと生きづらくなるだろう。
仕事でつまずいたり、気持ちが暗くなることも多いだろう。
こんな時代だからこそ、ジョブズの言葉の中に自分の中で革新を起こすためのヒントを探してみたい。
実はスティーブ・ジョブズは、天才技術者でも天才経営者でもない。
ただし、余人にはない圧倒的な人間力と確固たる信念と揺るぎない確信を持っていた。
圧倒的な人間力はさておき、信念と確信なら我々にだって持てる。
さらに彼は、屈辱的な挫折を経験している。
挫折を知らない成功者ではないのだ。
そんな彼だからこそ、彼から我々が学べることは少なくないはずだ。
プロフィール
スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)こと、スティーブン・ポール・ジョブズ(Steven Paul Jobs)は、アメリカ合衆国の起業家、実業家、工業デザイナー。
アメリカ国家技術賞を受賞している。
Appleの共同設立者の一人で、NeXTの創業者。
NeXT CEOやピクサー・アニメーション・スタジオCEOを歴任。
1976年、ジョブズは友人のスティーブ・ウォズニアックが自作したマイクロコンピュータ「Apple I」を販売するために起業することを決意。
同年4月1日にウォズニアックおよびロナルド・ウェインと共同で「Apple Computer Company(アップルコンピュータ・カンパニー)」を創業する。
Apple Computer(以下Apple)が1977年に発売した「Apple II」は商業的な大成功を収め、パーソナルコンピュータという概念を世間一般に浸透させた。
Appleはシリコンバレーを代表する企業に急成長を遂げ、ジョブズは1980年12月のApple IPO時に2億5,600万ドルもの個人資産を手にし、1982年2月には『タイム』誌の表紙を飾るなど若くして著名な起業家となった。
一度はAppleを去ったジョブズだが1996年、業績不振に陥っていたAppleにNeXTを売却すると同時に復帰。
1997年には、iCEO(暫定CEO、Interim CEOの略)となる。
同年には、不倶戴天のライバルとさえされていたマイクロソフトとの提携と、同社からの支援を得ることに成功。
また社内ではリストラを進めてAppleの業績を向上させた。
2000年、正式にCEOに就任。
2001年から2003年にかけてMacintoshのOSをNeXTの技術を基盤としたMac OS Xへと切り替える。
その後はiPod・iPhone・iPad、Appleの業務範囲を従来のパソコンからデジタル家電とメディア配信事業へと拡大させた。
スティーブ・ジョブズのカリスマ性
魔法の言葉
スティーブ・ジョブズは人を引き抜く際に、その人を強く揺り動かす「魔法」を唱えることで知られている。
ペプシコーラの事業担当社長をしていたジョン・スカリーの引き抜きを画策。
スカリーを口説くためにジョブズが用いた「このまま一生砂糖水を売りつづけたいか?それとも世界を変えたいか?」というフレーズはあまりにも有名。
スカリーのほかに、1982年当時ゼロックスで働いていたエンジニア、ボブ・ベルヴィールには「君は優秀だと聞いたけど、やってきた仕事は全部ガラクタだな。俺ん所で働けよ。」と語りかけて引き抜いている。
また、しばしば何の予告もなしに、突然価値観を180度変えることもあり「3か月前に白が最高だと言っていたのに、今では黒が最高だと言い始め、理由はそれが今正しいからいいんだと、自身以外は納得のいくものは何も口にしない」と元社員は語っている。
ソニー製品について「ソニーのHDVカメラは優秀で、高価だが一家に一台必要だ」と言う一方で、「iPodに劣る」としてウォークマンを批判するといった評価をしたりもしている。
1999年10月5日のメディアイベントのスピーチ冒頭で、ソニー共同創業者盛田昭夫の死に追悼の意を表し、トランジスタラジオやトリニトロン、ウォークマンなど革新的な商品開発を、Appleに大きな影響を与えたものとして称賛した。
部下に対して高い目標を提示し、精力的に優れた仕事へと導くため、理想の上司として評価されることも多い。
一方でジョブズの要求する水準を満たさない者に対しては放送禁止用語だらけの罵声を浴びせたり、その場で解雇にすることでも知られる。
前Apple PR担当チーフのローレンス・クレィヴィアはジョブズとのミーティングの前には必ず闘牛士と同じように「自分はすでに死んだ」と暗示をかけてから挑むと同僚に語っている。
また、ジョブズのApple復帰後に次々と社員がリストラされた際には「スティーブされる」(=解雇になる)という隠語が生まれるほどだった。
明日からの生き方が変わるかもしれない
スティーブ・ジョブズのぶっ飛び名言
彼ならどうしたろうと考えてはいけない。
現在(2022年)のApple CEOティム・クックに、生前のジョブズが贈った言葉である。
「彼」とはもちろんジョブズのことだ。
迷った時、「もしジョブズが生きていればどうしただろう」と考えるのではなく、「自分は何が正しいと思うか」で判断しろと励ましている。
ジョブズ亡き後にCEOとなったクックの立場は辛いものだっただろう。
どうしたって稀代のカリスマだったジョブズと比べられてしまう。
社員や世界中のユーザーから「奴に代わりがつとまるのだろうか」と疑いの目が向けられる。
それを見越して、ジョブズは「自分を信じろ」と指針を与えたのだ。
周囲の評判や視線を気にするのではなく、あくまで自分を信じろということだ。
ドラマや映画では実際に「彼ならどうしたろう」というセリフを耳にするが、ジョブズの考え方はその真逆である。
人はどうしても先例に倣いたがる。
迷ったとき、よるべき指針に頼りたくなる。
もしそれで間違えてしまったとしても、同じようにしていれば何かと言い訳がつく。
そういう弱さを端的に表しているのが「彼ならどうしたろう」という思考であるが、これは呪縛でもある。
「彼ならどうしたろう」と考えてばかりいたら、永遠に「彼」を超えることなんて永遠にできないだろう。
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