中世ヨーロッパを下地にした "剣と魔法の世界" を舞台に、身の丈を超える巨大な剣を携えた剣士ガッツの復讐の旅を描いた超大作ダーク・ファンタジーだ。
作品愛については別で記すが、本作ヒロインの鷹の団の千人長の女性剣士・キャスカが団長・グリフィスを評した一言が秀逸なので紹介したい。
『強い人間(ひと)…』
『その一言で片付けてしまうのは簡単だ…』
『でも』
『大きなものを手にしようとするものは、それだけ人より多くないかに堪えているのだと思う』
『強かったんじゃない…』
『グリフィスは強くなければならないんだ』
人は理解出来ないものと出会った時、自分が理解出来る言葉で符号化したがる。
他人を自分の物差しでしか計れない。
だから何でも簡単に決めつける。
『強い人と一言で片付けてしまうのは簡単だ。』
その理由までは考えない。
生まれつきの性格とか才能とか、そういう言い訳はすぐに考えるくせにその人の努力までは考えようとしない。
だから成長しない。
著者の好きな言葉に「一流は孤独を愛す」というのがあるが、何も一流の人間が好き好んで孤独になっているわけではない。
もちろん例外もあるわけだが。
一流の人間は誰とも分かち合えないものを抱えているから、弱者を隣りに置いておく余裕がないのだ。
だから一流は一流としかつるまない。
そしてそこに馴れ合いは一切ない。
故に側から見たら、一流は孤独を愛しているように見える。
初めから強い人間などいない。
強い人にはそれなりの理由がある。
強くみえる人は、元々強いのではなく、強くならなければならなかったのだ。
それをよく知ろうともしない人間がたった一言で片付けるのは良くない。
まぁ一流の人間がそれを聞いたとしても鼻であしらわれるだけだろうが。
ただし、他人を自分勝手な物差しで計りたがる人はよく覚えておくといい。
そんな風にしか物事を捉えられない人間は永遠に二流のままだ。
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