アニメ
ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン
『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』とは
『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』(Sword Art Online Alternative Gun Gale Online、略称:SAOAGGO)は、時雨沢恵一先生によるライトノベル。
イラストは黒星紅白氏が担当している。
電撃文庫(KADOKAWA)より2014年12月から刊行されている。
2021年11月時点でシリーズ累計発行部数は150万部を突破。
川原礫先生による『ソードアート・オンライン』(Sword Art Online、略称:SAO)の「ファントム・バレット編」(同作5・6巻に収録)を原案としたスピンオフ作品にあたり、同作に登場するゲーム『ガンゲイル・オンライン』(Gun Gale Online、略称:GGO)を舞台に物語が展開される。
銃器マニアでもある時雨沢恵一先生が「SAO」内のGGOの設定を気に入り、その二次創作の許可を得たのがきっかけで生まれたのが本作である。
時雨沢先生によれば同じレーベルで違う作家が二次創作物を出すというのはおそらく前例がなく、2010年には二次創作の希望を担当編集者に伝えていたというが、実際に着手することになったきっかけはGGOが舞台となるSAOのテレビアニメ第2期『ソードアート・オンラインII』である。
この作品に時雨沢先生が銃器のアドバイザーとして関わった際に改めて関係各所に許可を得て、出版に至ったという。
作中の時間軸は第3回BoBの少し後で、キリトとシノンの共闘を見たガンマニアの小説家が私財を投じてチーム戦の「スクワッド・ジャム」を開催させたという設定である。
GGOの有名プレーヤーであるシノンの名前や、本伝の内容と思わしき事柄が語られることはあるが、基本的に本伝の登場人物が登場したりすることはなく、完全に独立した話が展開される。
作者は初巻のあとがきにて「ファントム・バレット編まで読んでおくとより楽しめるが、知らなくても楽しめるようにしている」と語っている。
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アニメ『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』とは
2017年10月1日に開催された『電撃文庫 秋の祭典2017』にてアニメ化が発表され、2018年4月より7月まで放送された。
ナレーションは石塚運昇氏が担当するが、本編では第1話のみの出番で、主にWeb配信される次回予告を担当している。
制作は、スピンオフ元である『SAO』のアニメ版を手がけたA-1 Picturesではなく、Studio 3Hzが担当。
また、原作者の時雨沢先生はアフレコのみならず、SEを挿入するダビング作業にも立ち会っている。
第5.5話では時雨沢先生の脚本による、SJの振り返り総集編が放送された。
この回はオープニングに発砲音などの各種効果音が追加されており、また「あとがき」では、レン役の楠木ともりが担当する特殊効果音が使用されている。
初回放送時は第11話と第12話で副音声に録りおろしキャストコメンタリーを付けた再放送が行われ、Blu-ray/DVDにも収録された。
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あらすじ
プロローグ
180センチを超える長身にコンプレックスを持つ女子大生・小比類巻香蓮は、数少ない友人・篠原美優の薦めでVRゲームを始める。
長身の美人アバターを嫌う香蓮は、理想の容姿でプレイするため様々なVRゲームを試したところ、荒廃した世界を舞台に銃器で戦うVRMMORPGで、ようやく念願の小柄で可愛らしいアバターを手に入れる。
香蓮はプレイヤー名・レンとして、それまで縁のなかった銃器の世界ガンゲイル・オンライン(GGO)へ足を踏み入れるが、根が真面目な香蓮はコツコツとミッションをこなすうちにGGOの面白さにハマっていき、対人戦では「ピンクの悪魔」と恐れられるほどの凄腕プレイヤーとなる。
スクワッド・ジャム(SJ1)
レンは、GGO内で知り合ってスコードロンを組む女性プレイヤー・ピトフーイからチーム戦イベント「スクワッド・ジャム」(SJ)の開催を教えられ、彼女に言われるがままに参加することになる。
ピトフーイから紹介された強面の大男・エムとレンはチーム「LM」を結成し、現役自衛官で構成された強豪チームや、チームワーク抜群のアマゾネスチーム「SHINC」と戦いながら優勝を目指す。
大会ではチーム「LM」と「SHINC」が最後まで生き残り、レンが「SHINC」のリーダーであるエヴァとの死闘に勝利し、チーム「LM」が優勝する。
その後、SJ1を経てコンプレックスを吹っ切った香蓮は、ロングだった髪型をショートへと変え、お互いのリアルに気付いた「SHINC」のメンバーとも交流を持つことになり、次のSJでの再戦を誓い合う。
セカンド・スクワッド・ジャム(SJ2)
SJを経て吹っ切れたこともあり、現実で語らえる友達を得た香蓮だったが、ある日見知らぬ男・阿僧祇豪志の接触を受ける。
その正体はエムであり、レンがピトフーイをSJで倒さなければ、ピトフーイや豪志自身がリアルで死ぬことになるという話を聞かされる。
困惑する香蓮だったが、豪志の説得を受け、ピトフーイとエムが率いる最強チーム「PM4」を倒すべく、助っ人としてALOから呼び寄せた美優のアバター・フカ次郎と共に、チーム「LF」として第2回SJに挑む。
大会が進む中、「LF」と「SHINC」はピトフーイを倒すために共闘することになるが、「SHINC」のメンバーはエムとピトフーイに次々と倒され、フカ次郎も戦闘不能にされる。
一人残ったレンは頭を空にしてピトフーイに集中し、エムの軽い裏切りや、復帰したフカ次郎の助力もあり、ピトフーイの喉笛に食らいついて一騎打ちに勝利する。
しかし、大会は漁夫の利を狙っていたチーム「T-S」に優勝をさらわれる。
大会後、香蓮は豪志の紹介でピトフーイのリアルである神崎エルザとの対面を果たし、香蓮はその無事な姿に安堵する。
原作のみ、アニメ未収録
サード・スクワッド・ジャム(SJ3)
現実世界での多忙などが重なり、自然とGGOから距離を置いていた香蓮に、第3回SJ開始の通知が届く。SJ2で果たせなかった「SHINC」との勝負をピトフーイに指摘された香蓮は、レン、ピトフーイ、フカ次郎、エムの最強チーム「LPFM」で新たなSJに挑む。
大会前に提示された特別ルールの詳細が不明の中、徐々に水没していく島状のフィールドで大会は幕を開ける。
連合を組んだ各チームが優勝候補チームを集中攻撃する構図となるが、各優勝候補は連合の襲撃を跳ね退けて順当に勝ち残りつつある中、ついに発表される特別ルール。
それは生き残った各チームから1名づつを運営が選出し、彼らを「裏切り者」として新チームを結成させて戦わせるというものであった。
戦いは「裏切り者」チームが占拠する座礁した巨大客船での攻防へと移る。
「裏切り者」に入ったピトフーイは生き残ったチームを順調に削ってゆくが、「LPFM」で真に「裏切り者」に選ばれた者はレンだった。ピトフーイは「裏切り者」の裏切り者であり、今度は「裏切り者」チームのメンバーを潰してゆく。
レンは「裏切り者」チームのエヴァと新たなチームを組んで、ピトフーイ、フカ次郎、エムと対峙する。
巨大客船が水没する中、レンとピトフーイとの一騎打ちが始まり、最期は肉弾戦の泥仕合でレンがピトフーイを倒して最後まで生き残った勝利者となる。
ワン・サマー・デイSJ3の約1か月後。SJ歴代上位入賞者たちの元に、GGOを運営する《ザスカー》から新たなるゲームへの招待状が届く。「20260816テストプレイ」と題されたそれは、最新AIで動くNPCに守られた拠点を攻略するという、SJとは全く趣旨の異なるゲームだった。GGOを続けることに迷いを抱いていた香蓮だったが、「SHINC」との再戦の約束を果たすために参加を決意する。
「LPFM」や「SHINC」を含むゲームに参加した全チームは共闘し、7名の強力なNPCの敵が立て籠もる城の攻略にかかる。
レンが最後の敵NPCであるジェイコブと対峙し、「なぜ、戦う」と問う彼に対してレンは「楽しいから」と応え、レンによりナイフを刺されたジェイコブは死の恐怖を感じながら息絶え、テストプレイは「LPFM」たちの勝利で終了する。
このテストプレイは戦場に慣れすぎて一般社会へ戻れない兵士の治療行為であり、治療を受けたジェイコブは最後に戦った恐ろしい「小娘」が人工知能によるNPCであると医者から説明を受ける。
ジェイコブは戦場に戻りたいという気持ちが失せ、一番重要な場所が家族が待つ日常であると気付く。
原作のみ、アニメ未収録
フォース・スクワッド・ジャム(SJ4)
3日後に迫った第4回SJ。
今度こそ「SHINC」との再戦をと息巻くレンだったが、作戦会議の場に現れた男・ファイヤから突如交際を申し込まれてしまう。
レンのリアルを割った上にVRゲームへの無理解と侮蔑を隠そうともせず、挙げ句の果てに交際成立の暁にはVRゲームを辞めさせようとするファイヤに、レンは嫌悪を確かなものとする。
が、居合わせたピトフーイによる煽りのせいで、SJ4でファイヤとの交際を賭けて勝負をする羽目になる。
大会当日、過去に因縁ができたシャーリーとクラレンスを条件付きでチームに加え、SJ4に挑む「LPFM」だったが、再び厄介な特別ルールに翻弄されていく。
主題歌
オープニング
- 「流星」
藍井エイルさんによるオープニングテーマ。
エンディング
- 「To see the future」
レン(楠木ともりさん)によるエンディングテーマ。
作詞・作曲・編曲はJazzin' park。
スピンオフながらSAOシリーズとしては一番安心して観られる作品
安心①
凶悪・性悪なラスボスがいない
観ていて本気で腹が立つラスボスの存在が、SAOシリーズではお約束のようになっている。
だが本作では、それが存在しない。
唯一、ピトフーイだけが少し怪しかったが、凶悪性悪ラスボスにはならなかった。
SAOシリーズのラスボスは本当に胸クソ悪い奴ばかりなので、それが存在しないというだけで、非常に心穏やかに観ることができる。
安心②
レンのアバター
正直、レンのアバターには抵抗があった。
レンが使用するアバターは、SAOシリーズでは見慣れない、かなり浮いた姿である。
あまりに幼すぎるアバターは、これから描かれるであろう本作の世界観を、望まない方向へと想像させた。
だがこれには納得の理由があったのだ。
しかし残念ながら、その理由が分かるのは1話の終わり、正確には2話になってのことだ。
ここではじめて、早々に離脱しなくて良かったと思い知ることになる。
キャラが苦手すぎて、本気で離脱しようとしていた人間が不思議なもので、理由が判明すると苦手だったレンのアバターに愛着がわいてくる。
実際は姿に似合わずなかなか過激なセリフを吐いているが、可愛らしいアバターのおかげで、最後まで穏やかに観ることができた。
安心③
ラストはベタだが単体作品としてはGOOD
SAOシリーズとしては珍しく、ラストの展開が読めたのも本作の特徴だろう。
ただSAOシリーズのラストが読めないのは、結論が常に次作へ持ち越されていたりしていたからだ。
その点本作は、一発勝負のスピンオフ作品である。
キッチリ完結させなければいけない。
ラストの展開は何となく予想がついたが、そこへ至るまでのプロセスは良かったと思う。
SAOシリーズはひとりひとりのキャラクター描写が秀逸な作品だが、スピンオフといえど、さすがと言わざるを得ないほど、キャラの個性が素敵な展開だった。
たしかにラストはベタな展開になるが、魅力的なキャラクターのおかげで感動的なシーンになっているから凄い。
『SAO』本編の物語には直接関係はないが、本作は歴としたSAOシリーズ作品だと個人的には思う。
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