アニメ『SPY×FAMILY』
さまざまなアニメなどをパロディ
『SPY×FAMILY』とは
『SPY×FAMILY』(スパイファミリー)は、遠藤達哉先生による漫画。
「少年ジャンプ+」(集英社)にて2019年3月25日より隔週月曜更新で連載中。
遠藤にとって3作目の連載作品。
赤の他人だったスパイの男、殺し屋の女、超能力者の少女が「仮初の家族」を築き、「家族としての普通の日常」を送るために日々のトラブルと奮闘するホームコメディ。
本作の連載開始と同日発売の「週刊少年ジャンプ」(集英社)2019年17号には、本作の予告漫画が掲載された。
1巻発売直後の32号、2巻発売後の47号にも読切の出張掲載が行われた。
閲覧数・コメント数・発行部数における最高記録を次々と更新するなど、「少年ジャンプ+」史上初の大ヒット作となった。
2022年にテレビアニメSeason 1が分割2クールで放送。
2023年にはミュージカルの上演、テレビアニメSeason 2の放送、劇場アニメの公開が予定されている。
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あらすじ
東西の間に鉄のカーテンが下りて十余年、隣り合う東国(オスタニア)と西国(ウェスタリス)の間には仮初の平和が成り立っていた。
西国から東国に送られた凄腕スパイ・黄昏(たそがれ)は、東西平和を脅かす東国の政治家ドノバン・デズモンドと接触するため、偽装家族を作ってデズモンドの息子が通う名門イーデン校に養子を入学させる任務オペレーション〈梟〉(ストリクス)を命じられる。
黄昏は精神科医ロイド・フォージャーを名乗り、養子を探して孤児院で少女アーニャと出会う。
ロイドは知らないがアーニャは心を読むことができ、彼の心を読んで賢いふりをしたため、難関イーデン校に合格できると考えたロイドは彼女を養子にする。
実はそれほど賢くないアーニャにロイドは四苦八苦させられるが、なんとか筆記試験に合格。
しかし次の面接試験に「両親」揃って来るよう指示されたため、ロイドは急いで妻役の女性を探すことになる。
その矢先、2人はヨル・ブライアという女性と出会う。
彼女は公務員をする傍らいばら姫のコードネームで密かに殺し屋をしていたが、東国では妙齢の女性が独身でいるのは不自然とされ通報されるリスクがあるため、形式上の恋人を探していた。
心を読む能力によってヨルが殺し屋であることを知ったアーニャは、好奇心からヨルが母親になってくれるよう仕向ける。
恋人役を探していたヨルと、妻役を捜していたロイド、そして「わくわく」を求めるアーニャの利害が一致し、3人は互いに素性を隠しつつ、即席の家族としての生活をスタートさせる。
あまりにわかりやすすぎた『ドラゴンボール』のパロディ
第10話「ドッジボール大作戦」は、アーニャの学年で開催された "ドッジボール大会" を描いた物語。
ヨルから秘策を学んだアーニャを筆頭に、意気揚々と大会に参加するクラスメイトたち。
しかし小学生とは思えない体つきのビル・ワトキンスが敵として立ちふさがり、苦戦を強いられてしまう──。
このエピソードでは、ほとんどドッジボールの描写だけで1話分を乗り切ったのだが、その代償としてアニメオリジナル展開が増えることに。
たとえば、ダミアンがボールを受け止めようとするシーンでは『ドラゴンボール』を彷彿とさせるパロディを追加。
アニメ『SPY×FAMILY』より
明らかにナメック星と思われる地形や、フリーザの必殺技「デスボール」をダミアンが受け止める描写などもあり、かなり遊び心が爆発していた。
また『ドラゴンボール』ネタだけでなく、大人気作品『HUNTER×HUNTER』を髣髴とさせるような描写も。
たとえばダミアンが身を挺してアーニャをかばうシーンは、ゴンやキルアがレイザーと繰り広げたドッジボール勝負(グリードアイランド編)が元ネタだといわれている。
それ以外にも、『SLAM DUNK』や『キャプテン翼』、『巨人の星』、『侍ジャイアンツ』といった作品のパロディ要素が。
なぜか古い作品が多く、元ネタを知っていたファンたちは歓喜しているようだ。
とはいえ、パロディという手法は諸刃の剣。
ある意味では、元ネタを知っている人のための内輪向けの芸風ともいえるだろう。
だがネット上では興醒めする人の姿も多かった。
原作ファンからは《もう少し原作のイメージに合わせられないのかな》とぼやく声も。
『SPY×FAMILY』の原作はコメディであっても、ほとんどパロディ要素はないため、アニメオリジナルで作風が変わったことが受け付けない人もいるのだろう。
パロディは少年漫画からだけじゃない
ジブリやロッキーの名シーンもパロディ化
『SPY×FAMILY』でのパロディは少年漫画だけにとどまらない。
前述した第10話「ドッジボール大作戦」で、ヨルから秘策を学んだアーニャ。
特訓中にはあのロッキーの名シーンを彷彿とさせる場面も。
アニメ『SPY×FAMILY』より
また宮崎駿監督へのオマージュも多く見受けられる。
第3話「受験対策をせよ」でのアーニャの「人がゴミのようだ」発言は、『天空の城ラピュタ』でムスカの名言として広く知られている。
なかでも「どこで覚えた」というロイドの問いにアーニャが「アニメ」と答えたシーンは秀逸だった。
たしかに間違えじゃない。
また第5話「合否の行方」では宮崎駿作品のパロディが存分に見受けられる。
アーニャの合格祝いで城へ飛行機で向かう時のこと。
飛び立つシーンは、『紅の豚』でポルコが河から飛び立ちミラノを去る場面を彷彿とさせていた。
飛び立ったら飛び立ったで、『魔女の宅急便』のワンシーン。
キキが修行の旅に出てすぐ出会った先輩魔女が暮らす夜の街並みを連想させた。
おまけにお目当ての城は『カリオストロの城』でのカリオストロ伯爵の城と、『紅の豚』
のホテルアドリアーノをミックスしたのような雰囲気を湛えていた。
極めつけは、第8話「対秘密警察偽装作戦」〜第9話「ラブラブを見せつけよ」でのワンシーン。
あの長寿バラエティ番組『新婚さんいらっしゃい!』で出演者に贈られる夫婦円満の必須アイテム、イエス・ノー枕まで登場しているから油断ならない。
第16話に至ってはタイトルが「ヨル'sキッチン」。
まんまあの『MOCO’Sキッチン』をパロっている。
これらのパロディは、たしかに元ネタを知らないと気づけないものばかり。
おまけに実際パロディなのかの確証があるわけでもない。
偶然似た構図になった可能性だって、おおいにあり得る。
だから他作品のパロディといっても、実際には意図的かどうかも不明な程度のものなのである。
前述の『ドラゴンボール』は明け透けすぎだが、他は気づけないものばかり。
それほど騒ぎ立てるほどでもあるまい。
個人的には興醒めよりむしろ、パロディを見つけられた時の喜びの方が大きい。
パロディの是非は作品ごとに異なるだろうが、こと『SPY×FAMILY』においては、他作品のパロディはウェルカムである。
まだまだ気づけていないパロディが?
本作ではアーニャの可愛さが際立つが、アーニャの表情の豊かさも魅力のひとつ。
アニメ『SPY×FAMILY』より
アニメ『SPY×FAMILY』より
アニメ『SPY×FAMILY』より
アニメ『SPY×FAMILY』より
アニメ『SPY×FAMILY』より
一応お断りしておくと、これらは決して作画崩壊しているのではない。
この表情の豊かさこそ、本作コメディの本当の見所なのかもしれない。
しかしこれらの表情の中にもまだ気づいていないだけで、何かのパロディが隠されているのだろうか?
たまに違う映像が頭に浮かびかけることはあるが、何せあまりにフワッとしすぎて確証が持てない。
…しかし、まぁ、なんというか…。
改めてこうやって並べてみると、アーニャの顔が凄いな。
ちなみに悪い顔をしている時は、だいたいが「世界を救ってやる」的なことを言っている。
悪いことを考えているわけでなく、良いこと言ってるんだけどなぁ…。
あー、でもある意味悪だくみではあるのか…。
何はともあれ、表情とセリフがあまりに裏腹すぎて笑える。
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