【アニメ『【推しの子】』×YOASOBI「アイドル」】大ヒットの要因は一極集中化にあり?
『【推しの子】』とは
『【推しの子】』は、原作:赤坂アカ先生、作画:横槍メンゴ先生による同名の漫画を原作とした日本のテレビアニメ作品。
第1期は2023年4月から6月までTOKYO MXほかにて放送され、原作のプロローグ「幼年期」から第4章「ファーストステージ編」までの内容(原作第1巻から第4巻まで)が、おおむね原作に沿った形でアニメ化された。
テレビアニメ版は、原作漫画の内容を極力再現した上で、原作に描かれていないコマの合間や細部を突き詰めるという方針が掲げられたという。
原作漫画の雰囲気を忠実に追体験させような表現も多く使われつつ、原作では見せ場となっていた場面にアニメ独特の演出手法を取り入れる改変も行われた。
また、後の展開との整合性を取るような改変や原作で発生している矛盾点の整合を行ったり、特に原作では1コマ2コマしか描かれなかった歌唱シーンに長尺を取るなどの変更点も用いられている。
一方、原作のプロローグ(第1巻)では未来の登場人物の視点から過去を振り返るインタビューの場面が意味深な形で各話の冒頭に挿入され、伏線や謎解きの手掛かりとなっていたのに対し、テレビアニメ第1話ではそれらの挿話が削られている。
また、アニメの流れを止めてしまう等の理由により、原作にあったエピソードや描写を削った箇所も複数存在する。
第1話は90分の拡大スペシャルとして制作され、プロローグ「幼年期」の内容(原作第1巻の冒頭から結末まで)がまとまって放送された。
放送に先駆けて3月17日より全国の映画館にて第1話が『【推しの子】Mother and Children』のタイトルで先行上映された。
配給は角川ANIMATION。
第1期の放送終了後、第2期の制作が発表された。
第2期は2024年に放送予定。
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『【推しの子】』登場人物
アイ / 星野 アイ (ほしの アイ)
声 - 高橋李依
苺プロダクション所属アイドルグループ「B小町」のセンター。
その天性の輝きで一世を風靡した。
アクア / 星野 愛久愛海 (ほしの あくあまりん)
声 - 大塚剛央 / 内山夕実(幼少期)
陽東高校一般科の1年生。
ルビーの双子の兄。
母親であるアイを殺した犯人を見つけ出すため、芸能界に足を踏み入れる。
ルビー / 星野 瑠美衣 (ほしの るびい)
声 - 伊駒ゆりえ
陽東高校芸能科の1年生。
アクアの双子の妹。
亡き母であるアイのようなアイドルになることを目指している。
有馬 かな (ありま かな)
声 - 潘めぐみ
陽東高校芸能科の2年生。
幼い頃から子役として活動しており当時は「十秒で泣ける天才子役」と評判だった。
MEMちょ (めむちょ)
声 - 大久保瑠美
人気ユーチューバーの高校3年生(?)。
YouTubeの登録者数は37万人、TikTokのフォロワー数638k。
黒川 あかね (くろかわ あかね)
声 - 石見舞菜香
劇団「ララライ」に所属し女優として活動している高校2年生。
真面目で努力家な性格。
アニメ『【推しの子】』第1話「Mother and Children」
『【推しの子】』は、最悪の出会いと転生から始まる物語だ。
地方都市で産婦人科医として働く若手医師のところに、人気絶頂のアイドルのアイが、出産のために彼の勤める病院に転がり込んでくるところから物語は始まる。
彼の "推し" が妊娠しているとあっては、さあ大変。
芸能界と無縁な医者とアイドルの不思議なドタバタストーリーが続いていく。
——と思いきや、その流れは唐突に断ち切られ、主人公の若手医師は暴漢に殺害され、どういうわけかアイが妊娠している双子の一人「アクア」に転生してしまう。
人を惹きつける天性の才能を持つアイと、前世の記憶を持って推しの子どもとして生まれたアクアの奇妙な同居生活が始まる。
——と思いきや、その流れは唐突に断ち切られ、アイは亡くなってしまう。
こうした二転三転する展開に、アイドルの恋愛や妊娠、シングルマザー、ストーカー、SNSのバッシングなどのテーマが織り込まれている。
こうした流れが漫画第1巻で描かれ、そのすべてがアニメ『【推しの子】』第1話「Mother and Children」に詰め込まれている。
アニメ『【推しの子】』主題歌
- 「アイドル」
YOASOBIによる第1期のオープニングテーマ。
作詞・作曲・編曲はAyase。
赤坂アカが書き下ろした小説「45510」を原作として制作された楽曲。
Yahoo検索対象2023アニメ部門で『【推しの子】』が受賞。
楽曲部門では同作の主題歌として配信された音楽ユニットYOASOBIの「アイドル」が受賞し、2023年日本アニメトレンド大賞で大賞を受賞した。
YOASOBI「アイドル」とは
「アイドル」(英語:" Idol " )は、日本の音楽ユニット・YOASOBIの楽曲。
2023年4月12日に各種音楽配信サービスにて配信が開始され、6月21日には完全生産限定盤として、7inchレコードサイズの紙ジャケット仕様に、赤坂アカ先生書き下ろしの小説「45510」が掲載されたポスター型ブックレットが付属したCDが発売され、7月26日には7インチアナログレコード盤も発売された。
本楽曲は、テレビアニメ『【推しの子】』のオープニングテーマとなっており、漫画原作者である赤坂アカ先生がYOASOBIのために書き下ろし、特設サイトで公開されている『【推しの子】』のスピンオフ小説「45510」を元に制作されている。
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「アイドル」歌詞の世界観
歌詞は、原作者である赤坂アカ先生が書き下ろした小説「45510」とリンクする内容となっている。
作品中のアイドルグループ・B小町の星野アイに対して妬みの感情を持つメンバーの内心や、嘘を付きながら完璧なアイドルへと成長を遂げていくアイの心境など、アイドルの光と影の二面性が表現されている。
歌詞検索サイト「UtaTen」によると、曲は3つの視点で描かれており、1番ではファン目線での星野アイの姿が、2番ではアイが所属していた架空のアイドルグループ「B小町」元メンバーの視点で、3番ではアイ自身の言葉や本心が綴られている。
また、本楽曲の歌詞は意図的にアニメ『【推しの子】』第1話までのエピソードのみにフォーカスして描かれている。
これは、Ayaseのアイを主人公とした歌詞にしたいという思いが影響している。
YOASOBIプロジェクトの小説を音楽にするという性質から、漫画の原作者である赤坂アカ先生との対話を通し、曲の原作小説の落とし所として「45510」はB小町のメンバーから見たアイの姿や出来事をベースにしたストーリーとなった。
Ayaseはそれらの理由を以下のように語っている。
この楽曲ではアニメにおける1話の最後、あの瞬間までのことだけを描いていて。
アイが生きていたときに思っていたこと、起きた出来事、そしてアクアとルビーに対する愛を語る、そんな楽曲がその後もずっとオープニング主題歌として歌われ続けば、いつまでもアイのことを忘れないし、彼女の存在が伝説になっていくと思ったんですよね。
— YOASOBI, Ayase (Billboard JAPAN【MONTHLY FEATURE】インタビューより)
アニメ『【推しの子】』とYOASOBI「アイドル」の大ヒットの要因は "星野アイ" への一極集中化にあり?
アニメ『【推しの子】』第1話「Mother and Children」は、アニメシリーズでは異例の90分という長さで、アイドルグループ「B小町」の絶対的センター・星野アイについて描かれた。
だが、この星野アイは『【推しの子】』の主人公ではなく、いわば裏テーマ。
物語の礎となっているキャラクターだ。
例えば、『葬送のフリーレン』での "勇者一行との旅" が丁度それにあたる。
物語を裏付けるバックボーン的な役割を果たす星野アイの存在。
しかし星野アイについての描写のほとんどは、アニメ『【推しの子】』第1話「Mother and Children」で終了。
2話目移行はアイの子供たちの話に移行する。
しかし星野アイの存在は視聴者の脳裏に強く焼き付くことになる。
なぜか?
『【推しの子】』の物語の特性上、星野アイは伝説的なカリスマアイドルでなくてはいけない。
現実世界での伝説的アイドル・岡田有希子さんや夏目雅子さんのような強烈なカリスマ性がなければ、アイ亡き後の主人公であるアイの子供たちの行動に強い裏付けがなくなる。
あの "伝説のアイドル・星野アイの子供" という大看板がなくなってしまうのだ。
アイの子供たちの活躍は、星野アイの存在があればこそだと多くの視聴者は感じているだろう。
アニメシリーズ異例の90分放送だったとはいえ、しかしその90分でひとりのキャラを神格化させるのは非常に難しい作業だ。
ハッキリ言って無理ゲーである。
しかし実際はそうなった。
どうしてか?
それは取りも直さずYOASOBI「アイドル」の存在に依るところが大きい。
YOASOBI「アイドル」は、星野アイにのみフィーチャーした楽曲。
おまけにYOASOBI「アイドル」の最後のフレーズは、アイのキャラを決定付ける印象的な超絶名フレーズ。
それをシーズン通してずっと聴いてきた。
星野アイ自身は第1話で退場してしまっても、アイを想起させるYOASOBI「アイドル」は、アニメ『【推しの子】』の象徴としてずっとそこに在ったのだ。
視聴者は否が応でも毎回アイを想像する。
アニメが回を重ねてアイの存在が薄れかけても、OPが流れればアイはいつもそこにいた。
だからこそ、視聴者はアイの子供たちの活躍を素直に願えた。
アイと同じ道を選んだルビーを心から応援し、アクアの闇堕ちを心から心配した。
こうしてアニメ『【推しの子】』は、YOASOBI「アイドル」に支えられ、お互いの相乗効果でそれぞれ大ヒットする。
大ヒットの要因はアニメ『【推しの子】』の魅せ方の巧さと、YOASOBI「アイドル」でのAyaseの要約能力の高さに依るもの。
そう言ってしまっても、決して過言ではないと思うのだがいかがだろう。
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