アニメ
機動戦士ガンダムSEED C.E.73 -STARGAZER-
- 機動戦士ガンダムSEED C.E.73 -STARGAZER-
『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 -STARGAZER-』とは
『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 -STARGAZER-』は、ガンダムシリーズのうち『機動戦士ガンダムSEED』をはじめとするコズミック・イラを舞台とした設定世界に属するアニメで、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』と時間軸を同じくする作品。
TVシリーズ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』で描かれたC.E.(コズミック・イラ)73年、ユニウスセブン落下後の地球が舞台である。
火星以遠軌道惑星への探査を目的に開発されたMS「スターゲイザー」を巡る物語で、15分のショートストーリー3話で構成されている。
地球連合軍、ザフト、オーブの資金提供で成り立っている中立組織DSSDと、地球軍の非正規部隊「ファントムペイン」の存在が詳細に描かれており、『SEED DESTINY』本編で描かれたネオ・ロアノークやステラ・ルーシェなども登場する。
また、スターゲイザーのみならず、ストライクノワールやデュエルバスター、105スローターダガーなど、多数の新型機・カスタム機が披露され、プラモデルも人気を博した。
インターネット上で有料配信されたのち、全3話を収録したDVDがリリースされている。
機動戦士ガンダムSEED C.E.73 -STARGAZER-
あらすじ
スターゲイザー その眼差しは星々の彼方 遙かなる人の未来へ…
警報アナウンスが響き渡り、地球は未曾有の悲劇に見舞われた―
C.E.(コズミックイラ)73。
ザフトによるユニウスセブン落下の衝撃波は、都市を打ち砕き、津波が逃げ惑う人々を呑み込み、地球に深い傷跡を残していった。
恐怖と混乱のさなか、一体のモビルスーツが打上げの時を控え静かに空を見上げていた。
その純白の機体-STARGAZER-と共に星の世界を想うDSSD(深宇宙探査開発機構)MS開発チーム所属、セレーネ・マクグリフ。
そしてまた一人、星の見えない黒煙の空を冷たい眼差しで見上げる地球連合軍ファントムペイン所属、ストライクノワールのパイロット、スウェン・カル・バヤン。
重ならない彼らの視線の先に、星はまだ見えない…。
DSSD(深宇宙探査開発機構)
外宇宙の探査を目的に設立されたDSSDは、ザフト、地球連合軍、オーブの3国から支援を受けている中立組織である。
組織にはコーディネイターを中心に、数学や物理など各分野を代表する科学者が参加しており、その技術力には突出したものがあった。
だが、「ブレイク・ザ・ワールド」事件の勃発を機にザフトと地球軍の戦闘が再び開始されると、DSSDとスターゲイザーの能力は一部勢力(ファントムペイン)から狙われることになった。
登場人物
セレーネ・マクグリフ
CV - 大原さやか
DSSDの技術開発センター「スターゲイザー計画」開発技術陣の一人。
一度決めた目標はなんとしても達成しなければ気が済まず、またそのためならば努力は惜しまず、目的のためには手段を選ばない。
その手段のために批判されることも恐れない意志の強い女性。
その分、一つのことに夢中になると周囲が見えなくなり、自己中心的だと批判されることもあるが、意に介さない。
宇宙事故で両親を亡くしてからは、その性格がさらに強まった傾向がある。
言い寄る男もいないではないが、目下の恋人は火星軌道圏以遠の天体である。
スウェン・カル・バヤン
CV - 小野大輔
シャムス・コーザ中尉、ミューディー・ホルクロフト少尉と3人で特殊戦MS小隊を構成している。
幼い頃、事故の巻き添えを食い、両親を失って孤児となり、養護施設に引き取られた。
この施設で、コーディネイター殲滅戦の戦闘要員としての徹底したエリート教育を受けた。
その教育により、現在ではコーディネイターに強い憎悪を抱く冷酷非情な戦闘マシンとなっている。
ソル・リューネ・ランジュ
CV - 福山潤
2年前、DSSDの職員だった両親を宇宙事故で失い、孤児となった。
以後、母の弟である叔父エドモンド・デュクロとともに暮らしている。
同じ事故でやはり親を失ったセレーネとは、実の姉弟のような付き合いをしてきた。
15才のとき、両親と同じDSSDへの勤務を志し、宇宙探査・開発のためのMSスターゲイザーのテストパイロットを務めている。
生まれたときからDSSD育ちで、地球ともプラントとも違った自由で差別のない環境に暮らしてきた。
が、戦争のため否応なくナチュラルとコーディネイターの関係について考えを深めざるを得ず、ナチュラルだった両親がなぜ自分をコーディネイターにしたのか、その理由を知りたいと考えている。
両親を亡くした今は、父と母が歩んだのと同じ道を歩むことで、答えを見出そうとしている。
エドモンド・デュクロ
CV - 中田譲治
DSSDの技術開発センター保安副部長。
独身。
地球連合軍の陸軍将校で前大戦中は戦車小隊の指揮官として従軍していた。
大戦中に、共にDSSDの技術者であった姉夫婦が事故死。
残された一人息子の保護者となる。
なお姉夫婦はともにナチュラルであったが、息子は第1世代コーディネイターである。
C.E.71の停戦と同時に軍を退役、DSSDに転職し、南米フォルタレザ近郊のDSSD技術開発センターに保安要員として赴任する。
退役時の階級は少佐。
現在は、保安部副部長を務めている。
責任感が強く、面倒見がよい。
ときとして、その面倒見のよさゆえに余計な事にまで首を突っ込んでしまうタイプ。
それゆえに、姉夫婦の息子が孤児になったときも、自ら引き取って育てることを申し出た。
元職業軍人としては、当然ながら戦場での敵としてのザフトに対しては強い敵愾心を抱いている。
シャムス・コーザ
CV - 宮野真守
階級は中尉。
スウェンと同じ小隊の所属である。他の仲間と同様、幼い頃に孤児となり、養護施設で対コーディネイター戦のための兵士としての教育を受けた。
常に物事を斜に構えた位置から見る皮肉屋である。
長距離砲戦MSヴェルデバスターを操縦するが、近接戦闘も巧みにこなすオールラウンダーだ。
眼鏡をかけているが、度の入っていない伊達眼鏡で、実際には視力は良好のようである。
ミューディー・ホルクロフト
CV - 佐藤利奈
階級は少尉。
スウェンと同じ小隊の所属である。
幼い頃に孤児となり、養護施設で対コーディネイター戦のための兵士としての徹底した教育を受けた。
メイクと同じように、その性格もエキセントリックである。
常にハイテンションで、他者と打ち解けているように見えてもそれは表層にとどまっている。
人間に必要な情操の一部がぽっかりと欠落しており、その心情は誰にも、おそらくミューディー自身にも窺い知ることができない。
戦闘に際しては徹底的に容赦なく敵を殲滅する。
ブルデュエルに乗り、近接戦闘を得意とする。
登場機体
スターゲイザー:型式GSX-401FW
スターゲイザーは、DSSD(深宇宙探査開発機構)が独自に開発したMSである。
地球連合、プラントの双方に対して中立の地位を保ってきたDSSDは、火星以遠軌道宙域の探査・開発を目的に、非戦闘用MSとしてこの機体を開発した。
最大の特徴は、ヴォワチュール・リュミエールと呼ばれる惑星間推進システムの搭載と、高度な自律性を備えたことにより高い水準での無人運用が可能となったことである。
本機およびその運用支援システムは「Guider UNmanned Deployment Autonomic Manipulation(無人・自律運用展開教導機)」と総称される。
頭文字をつなげた略称は、「GUNDAM」である。
背部に装備されたヴォワチュール・リュミエールは惑星間スラスターであり、広大な太陽系宙域への進出を目的に開発されたスターゲイザーが単独で惑星間空間を航行できるよう搭載された、画期的な推進システムである。
フランス語で「光り輝ける運び手」と名付けられた通り、本システムは可変アーム機構によって自在に変形するリング状構造体から、鮮烈な発光現象をともなう高Gの推力を長時間発生させることができる。
HG 1/144 GSX-401FW スターゲイザーガンダム (機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER)
ストライクノワールガンダム:型式GAT-X105E
基本的な性能はキラが搭乗していたストライクそのもの。
ユーラシアのアクタイオン社による機体の改造によって各機器の省電力化による稼働時間の延伸、信頼性の向上、OSやインターフェイス系のブラッシュアップによる操作性の向上などが図られている。
近接戦闘に特化し、長射程のレールガンと大型のソードを装備した、この機体専用のノワールストライカーを搭載しており、遠距離/中距離/近距離と、すべての戦況にあわせた戦闘が可能である。
主たる用途は近接戦闘だが、ファントムペインの基本戦術が集団戦であるため、基本的にはノワールが単独で作戦行動をとることはなく、長距離砲戦を得意とするヴェルデバスター、接近戦を得意とするブルデュエルとの連繋が通常である。
また、射程の長いレールガンを搭載したノワールストライカーを装備することで長距離砲戦もこなすことができる。
エースクラスのパイロットを得ることができれば、きわめて万能性の高い機体となる。
MG 機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER ストライクノワールガンダム 1/100スケール 色分け済みプラモデル
ヴェルデバスターガンダム:型式GAT-X103AP
ディアッカが搭乗していたバスターに対し、ヴェルデバスターでは、アクタイオン社の手によって長射程砲撃機能を生かしたまま、近接戦闘でも威力を発揮するよう武装にアップデートが加えられている。
最大の変更点は、原型機では腰部にマウントされていた一対の砲を両肩部に移動させ、その位置に新たに2基のM9009B複合バヨネット装備型ビームライフルを搭載したことである。
このライフルはバレル下部にフォールディングタイプのバヨネット(銃剣)を装備しており、さらにもう一基のM9009Bと結合させることでより強力な連装ライフルとして使用することが可能である。
バスターのシステムを進化させた改良形高性能FCSによって照準制御されたM9009Bは、きわめて高い命中精度を発揮する。
本機の専任パイロットは、シャムス・コーザ中尉である。
ブルデュエルガンダム:型式GAT-2
地球連合軍の非正規部隊ファントムペインが、イザークが搭乗していたデュエルをベースに改良した派生機である。
基本性能の高さに反して、デュエルは不当に低く評価されてきたMSと言えるだろう。
しかし、ザフトによるデュエルの戦闘記録の詳細が明らかになるにつれ、その評価は上昇に転じた。
連合技術陣がとくに着目したのは、ザフトが独自にボルトオン装着したアサルトシュラウドである。
アサルトシュラウドによってデュエルの火力および防御力が向上したと判断した連合は、連合版アサルトシュラウド「フォルテストラ」を再設計し、固定装備とすることを計画した。
また、フェイズシフト装甲の適用領域が、固定装備化により機体本体からアサルトシュラウドにまで拡張され、防御力は飛躍的に向上するという福次効果を得たのである。
この他スラスターの大型化、武装の追加により近接戦闘に特化したMSとして生まれ変わったデュエルは、新たに2ブルデュエルの制式名を与えられ、ファントムペイン専用機として納入された。
本機の専任パイロットはミューディー・ホルクロフト少尉である。
グッと大人向けに描かれたSEEDシリーズのアナザーエピソード
美男美女だらけのSEEDシリーズ
当時オジサン文化と化していたガンダムブランドを若年層にまで浸透させただけでなく、オールドファンをも納得させた平成ガンダムの代表格。
『機動戦士ガンダム』(1st)と『機動戦士Zガンダム』(Z)をなぞるようなシナリオや往年の名セリフを復活させるなど、既存や新規を問わずファンからの評価は高い。
ただひとつ、SEEDシリーズには美男美女しか登場しないという点を除いて。
SEEDシリーズの物語の軸は、大変しっかりしたものだった。
1st - Zで描かれていたのは、「スペースノイドと呼ばれる棄民政策で宇宙へ上がった宇宙移民(スペースノイド)と、地球に留まったままの連邦政府関係者や富裕層といった特権階級(地球居住者)の軋轢や対立」であった。
対して、SEEDシリーズで描かれていたのは「遺伝子調整された人間 "コーディネーター" と、遺伝子調整されていない通常の人類 "ナチュラル" の軋轢や対立」である。
どちらも近い将来、起こらないとはいえない問題であり、そこにリアルがあった。
しかし制作側はファンの高齢化を危惧したのだろうか、SEEDシリーズでは若年層を取り込みたいばかりに登場人物をすべて美男美女に設定した。
コーディネーターは遺伝子調整された人間であるから、遺伝子操作で見た目の操作も自由自在だという、なんとも説得力のある設定を添えて。
あまりにぐうの音も出ない見事な言い分…もとい設定ではあるが、納得したからといっても受け入れたのとは訳が違う。
リュウやカイやハヤトのようなキャラが登場しない美男美女だらけの世界観は、SEEDシリーズのリアリティを下げたような気がする。
おまけにSEEDシリーズでは、ガンダムシリーズではラブロマンス要素まで付与された。
それはリアルロボットアニメたるガンダムを信奉するオールドファンにとっては、甘受しがたいものであったが、しかしリアリティを下げたはずの美男美女が繰り広げるラブロマンスこそが若年層、特に女性からの支持を得て、SEEDシリーズは新ガンダムとして一躍人気作品となった。
しかしSEEDシリーズは好きでも、ラブロマンスには最後まで馴染めなかったファンも一定数いるのではないだろうか。
そんなファンを納得させるのが本作。
アナザーガンダムでありながら宇宙世紀ガンダムを観ているような本作は、SEEDシリーズでありながらもガンダムシリーズの伝統を伝える古き良き魅力がある。
アナザーガンダムでありながら宇宙世紀ガンダムを観ているようなSEEDシリーズ
本作はTVシリーズ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』で描かれたC.E.(コズミック・イラ)73年、ユニウスセブン落下事件から物語は始まる。
それは「何故気付かぬか!我らコーディネイターにとって、パトリック・ザラのとった道こそが、唯一正しきものと!!」の名セリフを流用するなど、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』本編とまったく重なるものである。
ブルーコスモスの盟主であり国防産業理事を務め、連合に対し強い発言力を持つアズラエル、エクステンデッドの少女ステラなど、セリフこそ無い(逆にデュランダルは声でのみ登場)ものの『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』本編のキャラが僅かながら登場するのも魅力のひとつだ。
世界観は『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』本編と変わりないが、しかし基本的には新規キャラクターの物語。
しかし新規キャラクターの年齢が、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』本編よりも少し上がっていることは、本作最大の特徴のような気がする。
おかげで作風がグッと大人っぽくなった。
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』本編で描かれた若さが故の気持ちや勢いはなく、安易に感情的にはなれない大人の姿が本作では描かれている。
ただしガンダムシリーズで期待されがちな派手な戦闘シーンは大幅に削られ、人間模様に特化した作品であることには賛否が分かれるだろう。
強いて言えば、(戦闘シーンを除いた)雰囲気として似ているのは『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』あたりか。
戦闘シーンやMSの要素以外で『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に魅力を感じる人にはおすすめ。
逆にガンダムシリーズ初心者には受け入れてもらえないような気はしている。
単編アナザーエピソードだから次に繋がる話ではないが、続編『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』を観る前にチェックしておくだけでも損はないだろう。
続編『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』
☆今すぐApp Storeでダウンロード⤵︎