〇〇の声優がこの人で本当によかった
峰不二子：CV.沢城みゆき(アニメ『ルパン三世』シリーズより)
アニメ『ルパン三世』シリーズとは
「ルパン三世」とはモンキー・パンチの漫画および、それを原作としたメディアミックス作品で、アニメ『ルパン三世』シリーズとは、1971年における『ルパン三世PART1』(ルパン三世1st)より始まったシリーズである。
アニメ版において作風やイメージが固まった、あるいは知名度をあげたのが第2シリーズとなるPART2からという珍しいアニメでもある。
フランスの大怪盗アルセーヌ・ルパンの三代目である主人公「ルパン三世」が、仲間の「次元大介」「石川五ェ門」「峰不二子」と共に、大きな事件を起こしたり巻き込まれたりして、宿敵「銭形警部」に追いかけられながらも世界中で活躍を繰り広げる。
原作者のモンキー・パンチ先生が描いた本来のルパンは、泥棒であると同時に一流の殺し屋という側面があり、「相手が悪党なら目的のために手段を選ばない」という冷血な面があった(ただし銭形の方も、原作ではルパン以上に有能かつ冷徹な設定である)。
だがアニメ化に伴い、ルパンの殺し屋という設定は(声を担当した山田康雄氏の「ルパンには相手が悪党でも、あまり人を殺させないでほしい」という希望もあって)破棄され、その後も時代が進むにつれ、監督や脚本家の独自解釈により、ギャグキャラや義賊、ロマンチストとしての部分が強調して描かれる事も多くなっている(この事実は今や、原作者であるモンキー・パンチ先生公認となっている)。
逆に最近(2010年代以降)では、演出などにおける表現規制がかなり厳しくなっている中で、可能な限り原作に近い設定を取り入れる事も多くなっている。
ちなみに現在よく見られる、"『ルパン三世』の「ン」の字の点の部分が銃弾になっている" タイトルロゴは、『ルパン三世PART1』で初めて使われた。
モンキー・パンチ先生の原作においては、TVアニメ放映後の作品である「新ルパン三世」(漫画)でも使われていない。
アニメ『ルパン三世』シリーズは放送期間の違いこそあれど、地上波放送且つ1話完結で、ルパンファミリー5人以外のオリジナルキャラが準レギュラー的に再登場する事はまず無かった(警視総監やミスターXなど数回登場した例はある)。
しかし平成のPART4以降は、深夜放送且つ2クール放送で再統一され、内容も一本の連続ストーリーを主軸に展開し、オリジナルキャラがそのシリーズに限り準レギュラー的に登場する事になった。
該当するレベッカの他、アミ、アルベール、八咫烏の3名は「以降のシリーズにも続投させうる器として創作した」と、当時まだ存命だったモンキー・パンチ先生が語っており、事実設定や出番が以降の作品に引き継がれる "初の例外" となった。
なおヒロインポジションは不二子との区別化のためか、彼女より容姿や性格が小娘的に、服装や露出も控え目に描かれており、これはゲストに大人も登場する「女」を主題としたPART6の2クール目でもほぼ受け継がれている。
なお、一部にレベッカやアミ等、不二子に対抗意識を持つ者も存在する。
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峰不二子
身長167cm、体重50kg(スリーサイズからすれば53kgが妥当)、 スリーサイズはバスト99.9、ウェスト55.5、ヒップ88.8センチのダイナマイトセクシー悪女。
ルパン同様正体は不明で、ルパンからは「謎の女スパイ」とも評されている。
誰もが認める美貌の持ち主という設定がある究極の美女。
さらに頭も良く、優れた運動神経も持つスタイル抜群な女盗賊である。
日本の創作において妖艶な悪女というセックスシンボルとして代表的なキャラクターのひとりである。
名前の通り国籍は日本で、北海道浜中町出身とされている(原作者であるモンキー・パンチ先生と同じ)。
名前の由来はモンキー・パンチ先生曰く、部屋にあったカレンダーに載っていた霊峰富士の裾野が美しかったため、そこから思いつきで付けたと語っている。
また、モデルとなったのは『三銃士』に登場する悪女、ミレディー。
モンキー・パンチ先生が海外映画好きであり、007の主人公、ジェームズ・ボンドの敵役のガールフレンドや敵国の女性スパイ、通称ボンドガールもモチーフモデルにしているという。
金と宝石をこよなく好み、目的のためなら仲間を裏切ることも簡単に行い、ルパン相手でも平気で裏切っている強かな悪女(アニメ第1話からして、何の躊躇いも無く銭形警部にルパンを売っている)。
それゆえ次元や五ェ門からの信頼は限りなくゼロ(五ェ門に至っては、かつて恋人として付き合った時に純情を弄ばれた恨みで)だが、対するルパンは「裏切りは女のアクセサリー」と基本的に許している。
『ルパン三世』のアニメシリーズが途中からコミカル路線にシフトしたことで不二子も全体的にギャグキャラ扱いされるようになっており、不二子自身が人を殺すことなどのダークな展開がアニメで描写されることはなかった。
一方『峰不二子という女』では、第1話にてある教団に捕まって処刑されかけた際、牢番を色香で魅了して昏倒させた後に自身の身代わりに仕立て上げ、その牢番がギロチンによって処刑される中で自身は脱出するなど、他のシリーズとは違う底知れないダークな一面が描かれていたりもする。
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峰不二子の声優が沢城みゆきさんで本当によかった
アニメ『ルパン三世』の声優交代劇。
その後継を最も注目されたのが峰不二子役である。
もちろん、次元も五ェ門も銭形も大事な役柄ではあるが、その後継にはある程度の想像がついた。
だが、峰不二子役だけは違う。
ただ声が色っぽいというだけでは、峰不二子役は務まらない。
それは峰不二子のプロフィールをみればわかる。
正体不明の謎の美女。
明晰な頭脳、抜群の美貌とプロポーション、すぐれた身体能力、そのすべてを武器に人を弄し、ターゲットを手に入れる。
色仕掛けと話術でルパンすら手玉にとる。
峰不二子というキャラクターは、単にセックスシンボルであれば良いというわけではない。
類稀なる色気を湛えていて、尚且つ稀代の大泥棒であるルパンを翻弄するほどインテリジェンスに溢れたキャラクターでなければならない。
だからその声には色気と知性が求められた。
色気と知性を兼ね備えた声優。
そんな都合の良い声優がいるのだろうか？
先代峰不二子役・増山江威子さんはあまりにも偉大な存在だった。
我々が思い浮かべる峰不二子像は、そのほぼすべてが増山江威子さんの作り上げたイメージである。
その後継ともなると、あまりに荷が重い。
だが後任に沢城みゆきさんの名が発表された時、この人以外あり得ないと思った。
沢城みゆきさんは、「七色の声」の持ち主に数えられる。
その実力は、銭形役で共演する元祖Mr.七色声優・山寺宏一氏がその声にしばしば嫉妬し、実力を高く評価しているほど。
育ちの良いお嬢様を彷彿とさせる上品な声質が特徴だが、地声は低め。
大人役から幼い少女、はたまた男役や赤ん坊やマスコットキャラクター、果てはニュース番組のナレーションまで、どんな役でも大抵はそつなくこなす実力派声優だ。
まったくその通りである。
が、沢城みゆきさんの声の一番の魅力は、そこはかとなく溢れ出る色気にあるのではないだろうか。
可憐にしてミステリアス。
大人の女性を思わせる色気と艶っぽさがあり、特に魔性の魅力を持つ峰不二子のようなキャラクターを演じる際には、その魅力が非常に際立つ。
色気漂うその声は、美しさのみならず、時には可愛らしさまでをも感じさせるオールラウンダー。
粘りがあるわりにはとても聞き取りやすい喋り方で、その声は自然と耳に入ってくる。
一度聞いたら忘れられない、唯一無二の魅力。
沢城みゆきさんは、増山江威子さんに勝るとも劣らない、独自の峰不二子像を作り上げることに見事成功した。
だが当の沢城みゆきさんは、峰不二子役が未だに悩みの多い役だと語っている。
沢城さんが考える峰不二子の魅力は、会話しているうちに自然と好きになる増山江威子さん自身の魅力であり、どんなに悪い女を演じていても何か許せてしまう「何か」の部分と繋がっているのだと捉えているという。
演じているご本人からしてみたら、峰不二子という役柄はそれほど重みのある大看板なのだろう。
だが、全盛期の増山江威子さんにすらけっして引けを取らない沢城みゆきさんの美声は、誰もが納得のキャスティングだったのではないだろうか。
心の底からそう思う。
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