アニメーション映画
駒田蒸留所へようこそ
※本稿はネタバレを含みます。ご注意下さい。
お酒を飲めなくても、ウイスキーを知らなくてもいい。アニメだから届く職人たちの情熱と、大人の嗜みー「あなたにとって一人前の条件とは?
アニメーション映画『駒田蒸留所へようこそ』とは
P.A. WORKS「お仕事シリーズ」最新作は、オリジナル長編アニメーション!
崖っぷち蒸留所の再起に奮闘する、若き女社長が、家族の絆をつなぐ "幻のウイスキー" 復活を目指す!
『花咲くいろは』『SHIROBAKO』『サクラクエスト』『白い砂のアクアトープ』―。
「働くこと」をテーマに、日々奮闘するキャラクターを描いてきた、P.A.WORKSによる "お仕事シリーズ" の最新作は世界でも注目される
ジャパニーズウイスキーの蒸留所が舞台!
先代である父亡きあと、実家の「駒田蒸留所」を継いだ若き女性社長・駒田琉生(こまだ・るい)が、 経営難の蒸留所の立て直しとともに、バラバラになった家族と、災害の影響で製造できなくなった 「家族の絆」とも呼べる幻のウイスキーの復活を目指す―。

駒田蒸留所へようこそ
原作:『駒田蒸留所へようこそ』 / KOMA復活を願う会
"幻のウイスキー" 再生の物語!
アニメーション映画『駒田蒸留所へようこそ』の前日譚が、完全オリジナルエピソードでコミカライズ!
ウイスキー蒸留所の娘として育った駒田琉生。
お酒の仕事とは無縁の大学生であった彼女は、経営難からバラバラになってしまった家族を取り戻すため、そして自分たちの造ったお酒を愛してくれる人々のため、幻のウイスキー「独楽」の復活を目指すことに。

駒田蒸留所へようこそ ~わかばが芽吹くまで~ コミック 新品 1-2巻セット (講談社)
あらすじ
先代社長であった亡き父の跡を継ぎ、家業である「駒田蒸留所」の社長に就任した駒田琉生。
経営難に陥った蒸留所の立て直しを図る彼女は、バラバラになってしまった家族と、災害の影響で製造できなくなった幻のウイスキー「KOMA」を復活させるべく奮闘する日々を送っていた。
そんなある日、自分が本当にやりたいことを見つけられず転職を繰り返してきたニュースサイトの記者・高橋光太郎が、駒田蒸留所を取材に訪れる。
登場人物
駒田 琉生
声 - 早見沙織
駒田蒸留所の若き女性社長。
若くしてクラフトウイスキー「わかば」をヒットさせた、ウイスキー業界で話題のブレンダー。
高橋 光太郎
声 - 小野賢章
「ニュースバリュージャパン」というニュースサイトの記者。
自分のやりたい仕事に出会えず色々な会社を転々としてきた経歴の持ち主で、今の仕事にも身が入らず、辞めることを考えている。
河端 朋子
声 - 内田真礼
活動的でアイデア豊富な駒田蒸留所の広報担当。
琉生の幼馴染で、彼女と本音で話し合える数少ない人物のひとり。
安元 広志
声 - 細谷佳正
ニュースサイト「ニュースバリュージャパン」の編集長。
自分の仕事に魅力を感じられていない光太郎を気にかけ、それとはなしに助言している。
東海林 努
声 - 辻親八
無愛想な駒田蒸留所一番の古株職員。
駒田家とも付き合いが長く、琉生のことも幼い頃から知っている。
斉藤 裕介
声 - 鈴村健一
光太郎の友人。
大手レコードメーカー勤務。
駒田 滉
声 - 堀内賢雄
琉生の父。
駒田蒸留所の先代社長。
駒田 澪緒
声 - 井上喜久子
琉生の母。
駒田蒸留所の経理担当。
駒田 圭
声 - 中村悠一
琉生の兄。
駒田蒸留所の次期社長と目されていたが、経営方針の違いで退職。
現在は桜盛酒造に勤めている。
主題歌
- Dear my future / 駒田琉生(CV.早見沙織)
父が遺した蒸留所を舞台に、"幻のウイスキー" づくりに日々励む琉生の奮闘やウイスキーへの思い入れが描かれている。
そしてその熱意は次第に蒸留所で働くメンバーや、駒田蒸留所へ取材に訪れた高橋光太郎へも伝わって……。
歌詞とリンクするように、未来への願いを込めた、熱い想いが交錯していく。
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Dear my future (feat. 駒田琉生/CV:早見沙織)
たとえお酒を飲めなくても、たとえウイスキーのことを何も知らなくても
お酒を飲まない人にはまったく興味がない話なのかもしれないが、お酒の、特にウイスキーのCMは昔から本当にセンスが良い。
たとえお酒を飲まなくても、たとえば角ハイボールのCMは一般的にもポピュラーなのではないだろうか。
サントリー角瓶「蒼井優篇」
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サントリー角瓶「井川遥篇」
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コンプライアンスの関係なのか、時代の流れなのか、最近ではずいぶん間口を広げたような印象だが、ウイスキーのCMといえば、昔はあらゆる意味で "恰好良い大人" を象徴していた。
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大人になったからこそ分かる、実に味わい深いCMである。
特に山崎のコピーは言い得て妙で、ウイスキーの特性を、まるで仕事観や人生観のように言い表した非常に秀逸なものだった。
サントリー山崎「なにも足さない。なにも引かない。」
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ウイスキーのCMといえば、TOKYO FM『SUNTORY SATURDAY WAITING BAR AVANTI』の存在を忘れるわけにはいかない。
内容はもちろん、途中に挟まれるCMに至るまですこぶるセンスが良いこの番組は、ラジオ好きにとって今や伝説となっている。
TOKYO FM『SUNTORY SATURDAY WAITING BAR AVANTI』「世界のウイスキー」
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TOKYO FM『SUNTORY SATURDAY WAITING BAR AVANTI』「シングルモルト」
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単に酒を飲むのではなく、風味や雰囲気を好み、心得を持って楽しむ。
もちろん健康に配慮した適量(適正飲酒)を守り、料理とのペアリングや会話を楽しみ、自分自身のペースで酒に呑まれないよう心がける。
こういう楽しみ方を、"お酒を嗜む" という。
お酒を嗜めるようになってこそ、恰好良い大人の条件。
ようやく一人前と呼ばれるーーー。
そんな雰囲気があったし、事実そうだったと思う。
だが、こういう考え方も今や時代錯誤。
近年では健康志向、節約志向、若年層の酒離れ、コロナ禍による「飲みニケーション」の減少、高齢化を背景に、成人の過半数が日常的には酒を飲まない、または飲めないという。
そういう時代だったといってしまえばそれで仕舞いなのだが、たとえお酒を飲めなかろうとその考えは今も変わらない。
なぜなら、恰好良い大人の条件とは、単に酒が飲めるということではなく、自制心と周りへの気配りが出来ることだからだ。
そしてそれは社交場で鍛えられる。
バーや居酒屋といった酒場は、その代表格だった。
昨今のコミュ症増加の一因として、酒離れが少なからず影響していると思うのは、それほど的外れなことでもないだろう。
酒離れが進むこの時代に、ウイスキーの蒸留所を取り上げたアニメーション映画。
それが本作である。
アニメをジャンルに選んだことで、たとえお酒が飲めなくても、興味を持ってくれる人は少なからずいるだろう。
だが、食わず嫌いで手が止まってしまう人も少なくないのではないだろうか。
もちろん、蒸留所が舞台の本作はウイスキーの醸造や蒸留がメインテーマになる。
だが、それだけではない。
駒田家の人間模様に家族とは何かを考え、蒸留所の面々からは仲間の大切さを教えられ、光太郎の成長を通じて仕事への向き合い方を考える。
けっしてお酒好きにだけ向けられた作品ではない。
ただ、その上で、どのようにしてウイスキーが作られるのかを詳しく知ることができるだけなのである。
アニメーション映画として、物語の構成も実に秀逸だ。
特に、幻のウイスキー「KOMA(独楽)」の復活に不可欠だったのが、かつて父が遺した「ITO(.絲)」という原酒だったという展開には唸らされた。
完成品(独楽)を目指すのではなく、その根底にある想い(絲)に立ち返ること。
それは、我々が仕事や人間関係で迷ったとき、何を指針にすべきかを静かに教えてくれる。
本当に、観てくれさえすれば良さは伝わる。
たとえお酒を飲めなかろう、ウイスキーのことを何も知らなくても、誰でもきっと楽しめるはずの良作。
興味がある人は是非。
最初は光太郎の態度に少しイラッとするし、兄・圭の真意が計りかねるが、最終的には嫌な奴が誰ひとりいないことも◎。
今夜は、お酒でも、温かいお茶でもいい。
何かをゆっくりと「嗜み」ながら、自分の中に眠る「絲」を手繰り寄せてみてはいかがだろうか。
この作品を観終えた後なら、きっとその時間が、いつもより少しだけ愛おしく感じられるはずだ。

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