はじめに
TVやラジオにおけるCMの存在は、視聴者・聴取者からしたら鬱陶しく感じるものなのかもしれない。
いいところでCMを入れてくる業界お約束の手法は、今も昔も変わらない。
何かと鬱陶しいCMを飛ばせる録画機能が現れた時は、なんて便利な機能なんだと多くのユーザーが喜んだものだ。
だが鬱陶しいと思われるCMの中には、そのセンス良さから思わず見入ってしまうものがある。
映像で魅せるものや、秀逸すぎるキャッチコピーで考えさせられるもの。
CMの、ただ品物を宣伝し売上げを上げる目的を超えた、アーティスティックなCMも数多く存在する。
たかだか30秒ほどのCMだが、ひとつのクリエイティブ作品に昇華させたものがあるのだ。
本稿では、独断と偏見ではあるが、あまりのセンスの良さに思わず唸ったCMをご紹介したいと思う。
ほろよい
サントリー
サントリー (Suntory)は、鳥井信治郎氏によって創設された新興財閥であり、大阪市北区に本社を置くサントリーホールディングス株式会社(Suntory Holdings Limited)を中心とする、洋酒、ビール、清涼飲料水の製造・販売等を行う企業グループの総称およびブランドである。
事業の主要な部分はアルコール飲料だが、1980年代以降清涼飲料においても一定の地位を築いた。
かつてはサントリー株式会社を中心とするグループであったが、2009年(平成21年)4月1日より持株会社制に移行した。
サントリーといえば、大好きだった伝説のお洒落ラジオドラマ『サントリー・サタデー・ウェイティング・バー アヴァンティ』の冠をつとめたメーカーだ。
そのセンスの良さは折り紙付きといえるだろう。
サントリー『ほろよい』のCM
久しぶりにハイセンスなCMを見た気がする。
配色の妙もさることながら、二次元だけで終わると見せかけての三次元への移行。
こんなオシャレルームを全部具現化したんだ⁉︎
凄い。
しかもだ。
消費と季節が密接に関わっている酒類のCMで、今作品(CM)のカラフルな配色は全季節に対応している。
見せる順番さえ組み替えてしまえば、春夏秋冬を問わない。
これは発明といってよい。
何より、とびっきりお洒落である。
見ていると、思わず良い音楽を聴きながら飲みたくなってくる。
制作者の意図にまんまと乗せられているが、不思議と悔しくない。
それはこのCMが見ていて心地良いものだからだろう。
品物の宣伝というCMの本分もまっとうしているという点からみても、完成度の高すぎるCMといえる。
なんて選曲をしやがるんだ⁉︎
今この時代に『今夜はブギー・バック 』を選んだセンスが秀逸すぎる!
まさか今でもこの曲がこんなに格好良く聴こえるなんて…
CMに使用されている楽曲は往年の名曲をアレンジしたカバーソング。
オリジナルは言わずと知れた、小沢健二×スチャダラパーの『今夜はブギー・バック』である。
数多のアーティストがカバーしてきた名言だが、オリジナルにはヒップホップが取り入れられているため、ほんの少しだがアンダーグラウンド感がある。
しかしそれを今風に見事アレンジ。
平成のお洒落ソングは、令和になった今でもお洒落ソングとして十分通用している。
一世を風靡した曲だけあって、同じ時代を同じ目線で駆け抜けた人間にとって痺れる選曲といえる。
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