はじめに
TVやラジオにおけるCMの存在は、視聴者・聴取者からしたら鬱陶しく感じるものなのかもしれない。
いいところでCMを入れてくる業界お約束の手法は、今も昔も変わらない。
何かと鬱陶しいCMを飛ばせる録画機能が現れた時は、なんて便利な機能なんだと多くのユーザーが喜んだものだ。
だが鬱陶しいと思われるCMの中には、そのセンス良さから思わず見入ってしまうものがある。
映像で魅せるものや、秀逸すぎるキャッチコピーで考えさせられるもの。
CMの、ただ品物を宣伝し売上げを上げる目的を超えた、アーティスティックなCMも数多く存在する。
たかだか30秒ほどのCMだが、ひとつのクリエイティブ作品に昇華させたものがあるのだ。
本稿では、独断と偏見ではあるが、あまりのセンスの良さに思わず唸ったCMをご紹介したいと思う。
株式会社トライグループ『家庭教師のトライ』
『家庭教師のトライ』とは
『家庭教師のトライ』は株式会社トライグループが運営する家庭教師派遣会社。
1987年に、平田修(現会長。元女優の二谷友里恵現社長の夫)が創業。
CMは数々の賞を受賞している。
SHAKE IT OFF 家庭教師のトライCM ORIGINAL COVER
シンガーになったおんじが熱唱⁉︎
やられた感が半端ない『家庭教師のトライ』10年目の新CM
トライグループの『家庭教師のトライ』では、2月1日から新CM「シンガーおんじ」篇の放映を開始。
CMはマイクの前に立つ「おんじ」の「トライのフルラインナップキャンペーン始めます」という囁きから始まる。
この時点で既視感は満載だ。
心ではすでに「やられた!」と思っている。
おんじは「春のトライはプロの家庭教師~♪」と歌い始め、同社のサービスをメロディアスに列挙していく。
曲は27秒あたり、「トライ史上初フルラインナップ全力キャ~~ンぺ~~~ン♪」という歌詞の部分で最高潮を迎えるが、その瞬間、「夢か!」といつもの山小屋で目覚めるおんじ。
歌はシンガーソングライターの松室政哉氏が担当したようだ。
あくまで個人的な感想だが、それまでの『家庭教師のトライ』のCMはたまにスマッシュヒットするくらいで、ビッグヒットするほどではなかった。
むしろいつまでも同じような設定で、スルー確定CMのひとつだった。
それが今回は完敗を認めざるを得ない。
まさかYouTubeで大人気チャンネル『THE FIRST TAKE』をパクる…もとい、パロディ仕立て上げるとは…
やられた感が半端ない。
だって最初みた時、本家『THE FIRST TAKE』だと本気で思ってしまったもの。
悔しい…
だが笑った。
『家庭教師のトライ』のCMをみて、初めて笑わされた気がする。
時代の流れを敏感に感じとった広告担当者様には脱帽しかない。
ここまでしっかりパクって…もとい、パロディにしてくれるとウザいを通り越して逆に清々しいくらいだ。
『家庭教師のトライ』のCMは、今後も『アルプスの少女ハイジ』路線から離れることはないだろうが、時代に沿った攻めたCMを期待したい。
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