最強失恋ソング決定戦
尾崎豊『Forget-me-not』
『Forget-me-not』はシンガーソングライターである尾崎豊氏の18枚目のシングル。
2001年4月25日にソニー・ミュージックレコーズから『OH MY LITTLE GIRL』(1994年)とのダブルA面シングルとしてリリースされた。
作詞・作曲は尾崎氏自身が。
プロデュースは須藤晃氏が担当している。
前作『風にうたえば』(1999年)からおよそ2年2か月ぶりのリリースとなった。
元々は3枚目のアルバム『壊れた扉から』(1985年)の収録曲であり、アルバムリリースから16年後に改めてリカットされる事となった。
『壊れた扉から』制作時に作詞が難航したために最後にレコーディングされた作品であり、尾崎氏としては10代最後にレコーディングされた作品となった。
歌詞制作が難航していた尾崎氏に対し、須藤氏は本作のデモテープを聴いた印象として「小さな花」のイメージがあると伝えた。
またジョン・レノンの楽曲『マインド・ゲームス』(1973年)の詩の一片である「君がはぐくむべき花は愛なんだ」という歌詞を引用した上で、尾崎氏に対し「名前もわからないようなその花ってなんだろうね」と疑問を投げかけた。
その後須藤氏と尾崎氏は自身の愛好する花について語り合っていたが、その際に須藤氏は「そういえば尾崎、"Forget-me-not"という花があるんだよ」と尾崎氏に語る。
また日本名が勿忘草である事を告げられた尾崎氏は、そこからインスピレーションを得てスタジオの床に寝そべって歌詞を書き始めた。
完成した歌詞のタイトルには「わすれな草」と書かれていたが、歌入れの前に須藤氏がタイトルを「Forget-me-not」に変更するよう尾崎氏に依頼。
尾崎氏は「そうですね、『わすれな草』は演歌みたいだし」と笑っていたという。
須藤氏は尾崎氏の他のバラード曲よりも哀しみの度合いが深く、10代最後の作品が本作であった事に関して「どうしようもなくせつなくて、やるせなかった」と述べている。
シングル盤はオリコンチャートでは最高位52位となった。
映画『LOVE SONG』(2001年)において『OH MY LITTLE GIRL』と共に主題歌として使用された他、槇原敬之氏やCHEMISTRYなど著名なミュージシャンによってカバーされている。
FORGET-ME-NOT / OH MY LITTLE GIRL
尾崎豊の最高のバラードは『I LOVE YOU』でも『OH MY LITTLE GIRL』でもない
じゃあ何かって?
もちろん『Forget-me-not』に決まっている
尾崎豊氏の最高のバラードは『I LOVE YOU』でも『OH MY LITTLE GIRL』でもない。
じゃあ何かって?
もちろん『Forget-me-not』に決まっているだろう。
尾崎豊氏の作品には若さゆえの反発や青春の儚さが描かれることが多いが、その作風を如実に物語っているのが今作品である。
あまりに名曲すぎて、どのフレーズをフィーチャーすればいいのだろう?
とりわけ好きなのは、このふたつのフレーズだ。
時々愛の終りの悲しい夢を
君は見るけど
僕の胸でおやすみよ
二人の人生 わけあい生きるんだ
愛の行く方に答はなくて
いつでもひとりぼっちだけど
愛の終りの悲しい夢。
みんなが見るものなのだろうか。
気持ちがわかるから辛くなる。
時々僕は無理に君を 僕の形に
はめてしまいそうになるけれど
二人が育くむ 愛の名前は
街にうもれそうな 小さなわすれな草
『しまいそう』じゃない、「しまう」んだ。
知らず知らずのうちに無理に君を僕の形にはめてしまうんだよ、ホント。
もともと別の生き物なのに、一緒にいるってだけで同じだとバカな錯覚をして、それに気づかず傷つける。
これ以上大切なものなんか他にないはずなのに、傷つけていることにすら気づかない。
後になってようやく気づくんだ。
でもその時にはもう遅い。
大切にするのって、いったいどうすればいいのだろうね。
今作品はふたりでいる描写のはずなのに、その関係の不安定さゆえかひとりの孤独も感じる。
もしくはそれは若さゆえの不安定さか。
『Forget-me-not』。
直訳すると『私を忘れないで』。
切なくなるね…
『卒業』とか『15の夜』とかもちろん大好きだけど、『Forget-me-not』は、バラードだけにとどまらず尾崎豊氏の最高傑作ではないだろうか。
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