明日ではなく今日。
今、この時を精一杯生きるあなたのために素敵な言葉を綴ろう。
戦場ヶ原ひたぎ(『猫物語(白)』より)
『猫物語(白)』は『化物語』『猫物語(黒)』でも解決しなかった羽川翼の物語に決着がつけられる物語。
時系列的には『傾物語』第閑話「まよいキョンシー」の後、夏休みが明けた二学期開始直後の物語となる。
ファイヤーシスターズに関わっていた怪異―蜂と不死鳥の事件のあった夏休みが終わり、私立直江津高校は二学期を迎えようとしていた。
原因不明の記憶の欠落に悩まされる幽霊の少女・八九寺真宵と出会った直後に自宅が火事で全焼した羽川翼。
帰る家を失った翼を心配し、戦場ヶ原ひたぎは自宅に泊めてあげた。
翼はひたぎの作った食事を取り、ひたぎと共に目を覚ますのだが…。
『猫物語(白)』第2話「つばさタイガー其ノ貳」でのヒトコマ。
食事の味つけに好みがない羽川翼に対し、戦場ヶ原ひたぎが言ったひと言。
あなたって こう…
なんでもかんでも受け入れてしまうじゃない?
嫌いなものがあるっていうのは
好きなものがあるのと同じくらい大切なことじゃない
〈物語〉シリーズの名言には、ハッとさせられることが多い。
「嫌い」なものがあるということが、「好き」なものがあるのと同じくらい大切なことだなんて、今まで一度たりとも考えたことがなかった。
いいや、こんな風に考えられる日本人がどれほどいるのか?
そうか。
「嫌い」でもいいのだ。
「嫌い」も「好き」も、どちらも大切な自分自身の意志である。
「嫌い」なものやことを、「嫌い」と言えない環境の方がよほど悪い状態だということか。
そういえば昔、『「NO」と言える日本』という書籍が流行ったことがある。
『「NO」と言えない日本』は、たしかにベストセラーになった。
だが不思議なもので、我々の記憶に残ったのは『「NO」と言えない日本』という、アンチテーゼのような言葉の方だった。
だが、この言葉の出所がわからない。
『「NO」と言えない日本』という書籍も実在したらしいのだが定かではない。
ただひとついえることは、『「NO」と言えない日本』という言葉の流行は、日本人がNOと言えない民族だと国際的に思われていた、哀しい証であるということだけ。
「嫌い」はいけないことだと教えられてきた世代には、是非この名言を噛み締めてほしい。
「嫌い」も大切な自分の一部なのだ。
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