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ioritorei’s blog

完全趣味の世界

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【停滞する思考に一石を投じる苦言】声にできない本音を言葉に…。#7

 

#7

停滞する思考に一石を投じる苦言

※この記事には自殺に関連する描写が出てきます。

閲覧の際はご注意下さい。

 

 

声にできない本音を言葉に…

 

 

何かと生きづらい世の中で、思ってはいても言葉にできない声がある。

感じていても声にするのが憚られる言葉がある。

それは耳障りが悪く、心地良い言葉ではないのかもしれない。

だが言葉にされて、はじめて気づくこともある。

本稿で取り上げる言葉は、ひとつ間違えれば暴言とも受け取られかねないものだ。

しかし何かを変えるためには、声に、言葉にしてより多くの人に考えてもらうべきだろう。 本稿が停滞する思考覚醒へのキッカケとなることを切に願う。

 

 

 

佐伯(空白を満たしなさいより)

 

 

佐伯(阿部サダヲ)から死の真相を知らされた徹生(柄本佑)。

だがその事実を受け止めきれずにいた。

母・恵子(風吹ジュン)のいる実家に寄ってから帰宅するが、妻・千佳(鈴木杏)にも話すことができない。

会社の元上司・安西(渡辺いっけい)に頼み、屋上で自分が死んだ日のことを再検証するも、そこで甦った記憶の断片を持て余す。

何か手がかりを得たいと、すがるような思いで佐伯を訪ねた徹生。

そこで佐伯は、自殺は正しい選択だったと言う。

そして画家・ゴッホの死になぞらえて、徹生の自殺衝動を説明するのだった。

 

 

空白を満たしなさい(上) (講談社文庫)

空白を満たしなさい(上) (講談社文庫)

※.表紙は通称「耳を切った自画像」。

自ら耳を削ぎ落とした直後に描かれたゴッホ自画像だ。

 

 

ゴッホは多くの自画像を残しているが、そのどれもが微妙に違っている。

佐伯は多くの自画像の中で、どれが本当のゴッホなのかを徹生に問う。

答えに詰まる徹生に佐伯は、"耳を削ぎ落とした直後に描かれた自画像" こそが本当のゴッホなのだと語り出す…。

 

 

あなたの中にも

いろんなあなたがいるでしょ

 

ゴッホは拳銃自殺するんです

 

どのゴッホ

どのゴッホを殺したと思いますか?

 

 

徹生:どのゴッホが、どのゴッホを?

 

 

この耳を削いだゴッホ

他の全員が殺したんです

 

この病んだゴッホ

寄ってたかってみんなで殺したんです

 

どうしてだかわかりますか?

 

幸せでなくてはならないだとか

前向きでなくてはならないだとか

 

そういった

欺瞞に満ちた正しさが人間を殺すんです

 

自分の耳を削ぎ落とした

危険で

哀れで

病んだゴッホ

 

健康的で

生きる力のあるゴッホたちが殺すんです

 

 

徹生:どうしてそんな…

 

 

生きたいからですよ

 

本当は…

ちゃんと生きたいからです

 

もう…

 

もう 自分の中の狂気に振り回されたくない

 

真っ当に みんなと同じように生きたいんです

 

生きたい

 

わたしは

生きたいんだ…

 

 

空白を満たしなさい(下) (講談社文庫)

空白を満たしなさい(下) (講談社文庫)

 

 

佐伯の言葉を聞いた徹生は、自分が自殺したことを受け入れる。

そして徹生の死に責任を感じていた千佳に、自殺だったことを告げるのであった…。

 

 

やっと思い出した

最期に何を思って死んだか…

 

生きたい

 

そう思ったんだ

 

生きたい…

おかしい?

でも…

本当にそうなんだよ

 

死にたいなんて…

 

死にたいなんて

最期の瞬間まで思ってなかった

 

本当に…

 

生きたかったんだよ

 

死にたかったんじゃない

 

 

(1)

(1)

 

 

ああ、そうか…

そういうことだったんだ。

自殺衝動とは、どうやらこういうことらしい。

自殺は、自分の中の狂気さえ消えてなくなれば、真っ当に、穏やかに生きられると錯覚してしまった結果だったのだ。

だから本当は生きたいと願っている。

生きたいと強く願ってしまったからこそ、自殺してしまった。

矛盾しているようだが、とても筋が通っている理屈のように感じる。

何より納得してしまった自分がいる。

今まで「自殺なんて死ぬほど怖いことを、よく出来るな」と常々思っていたが、実はそうではなかったのだな。

おかしな言い方になるが、そこにしか活路を見出せなかったのだ。

そこにしか救いを見出せなかったのだ。

死にたいから自殺するのではない。

必死で生きようとした結果が、自殺だったのだ。

どうやら考え方が根本的に間違えていたらしい。

この名言を知ったことで、自殺衝動の何たるかがようやくわかった気がする。

そして同時に、これだけは覚えておかなくてはいけないと強く思う。

人を自殺に追い込むのは他ならぬ人であり、歪んだ社会である。

誰だって本当は、死にたいと思いながら生きていたくない。

どうせなら楽しく生きたい。

だが歪んだ社会は幸せの定義を押し付ける。

「幸せでなくてはならないだとか、前向きでなくてはならないだとか、そういった欺瞞に満ちた正しさが人間を殺すんです。」

幸せなんて人それぞれなのに、いつのまにか不幸な人にされてしまう。

正しさとは何だろう。

何が正しくて、正しくないこととは何だろう。

皆が皆、生きることに必ず歓びを感じなくてはいけないのだろうか…。

 

 

 

 

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