アニメ
Steins;Gate 0
これは救えなかった「未来」の物語…『Steins;Gate』の正統続編作品!
『Steins;Gate 0』とは
2017年7月、ゲームなどを含めた新展開「STEINS;GATE World Line 2017-2018 プロジェクト」が始動。
この最大の目玉として『ゼロ』のアニメ化企画が進行中である事が発表。
同年10月からはアニメの再々放送がMX・BS11で開始。
同年12月14日に『ゼロ』アニメ版が2018年4月から放送開始すること、および詳細な制作体制が発表。
プロモーション映像なども公開された。
2018年4月から9月までテレビアニメ『Steins;Gate 0』(シュタインズ・ゲート ゼロ)が放送。
同名の続編ゲームのアニメ化となるが、前作とは異なりゲーム版が複数回プレイを前提としたマルチエンディングだったのを一本のストーリーに再構成したため、ゲーム版から削られたシーンがある一方で、逆にアニメ版で追加されたシーンも存在する。
ひとつの大きなメインシナリオを基本として描いた第一作と異なり、原作である『ゼロ』は複数のルートに分岐するマルチシナリオ方式であるため、アニメ版は全ルートの展開を再構成して一本のストーリーに繋げている。
当作品に出てくる「アマデウス」も2018年9月1日付で人工知能学会で学会誌に紹介されている。
本作は牧瀬紅莉栖を救おうと阿万音鈴羽とともに2010年7月28日にタイムトラベルした岡部倫太郎が、 牧瀬紅莉栖の救出に失敗し、その後そのままのβ世界線を描いた物語…という、以前世に出たβ世界線を舞台としたドラマCD『無限遠点のアークライト』やβ外伝小説作品群が原型となっており、ストーリー構成などに差異はありながらもこれら全てのストーリーを内包している。
そのため、β世界線キーパーソンとなる比屋定真帆や椎名かがりを始めとする小説初出のキャラクターたちが登場するほか、β世界線ダルの未来の嫁・阿万音由季やまゆりの友人たちも登場する。
タイトルの『0 (ゼロ)』とは「始まりであり終わりでもある」数字であり、デジタルデータの表現のように「無印を1としたときに0に当たる作品」に由来。
その0が捻じれていたりスラッシュが入っている理由はSG世界線を目指すための円環の物語であるため。
なお、当初の仮タイトルとしては「STEINS;GATE 2」だったとのことで、スピンオフではなく続編であるという認識は当初からスタッフ間で共有していたそうである。
あらすじ
いくつもの世界線を巡り、様々な可能性を “なかったこと” にしながら、大切な人たちを守ろうと足掻き続けてきた岡部。
その果てに辿り着いたのは “紅莉栖とまゆりのどちらを見殺しにするか” という、ふたつの選択肢だった。
苦悩と煩悶の末、岡部は「β世界線」――紅莉栖が自分以外のラボメンと出会わないまま死ぬという運命を選択する。
そして、紅莉栖の死から4ヶ月が経った。
再び大学に通い始めた岡部は、真面目に授業に出席し、テニスサークルの合コンに参加するなど、平凡な日常に埋没していく。
それでも心の傷は癒しきれず、ラボへ顔を出す機会も減っていった。
β世界線上の未来からやってきた鈴羽は、第三次世界大戦が勃発する運命を変えようと岡部を説得。
しかし、彼は「世界線の改変は、人間が手を出していい領域ではない」と、運命への介入を否定する。
岡部の中で、いつしか白衣をまとったマッドサイエンティスト「鳳凰院凶真」の顔は失われていった。
そんな折、岡部は秋葉原でヴィクトル・コンドリア大のレスキネン教授が主催する、人工知能に関するセミナーに出席する。
ふとしたことから、レスキネン教授の助手である比屋定真帆と知り合い、壇上に上がった彼女のスピーチを聴く岡部。
その内容は、「人の記憶をデータ化して保存する」という、かつて紅莉栖が提唱した理論と同様のものだった。
真帆やレスキネンのチームはその理論をさらに推し進め、人の記憶と感情、そして心を持つ人工知能「アマデウス」を構築していた。
『STEINS;GATE 0』の特殊な立ち位置
『STEINS;GATE 0』の立ち位置は少し特殊だ。
『ゼロ』と銘を打ってはいるが『STEINS;GATE』(無印)の最終話の途中に差し込まれるエピソードということになる。
簡単に説明すると、"『STEINS;GATE』第24話「終わりと始まりのプロローグ」の途中まで " →『STEINS;GATE 0』→ "『STEINS;GATE』のラスト" という物語構成。
制作サイド曰く「トゥルーエンドルートストーリー内の3~4分間で起こった物語」。
トゥルーエンドとは牧瀬紅莉栖も椎名まゆりも死なない世界線のことだが、『ゼロ』では牧瀬紅莉栖が死ぬ世界線に戻ってしまっている。
幻となった『STEINS;GATE』第24話?
2015年12月2日にTOKYO MXとニコニコ動画で放送されたTVアニメ『STEINS;GATE』第23話。
単なる再放送と思われていたものの、事前告知なくストーリー分岐した新エピソードが放送され話題を呼んだ。
この “改変版” 第23話「境界線上のミッシングリンク」は、正式続編となる『STEINS;GATE 0』に繋がる新ストーリーとなっている。
この改変により『無印』の物語は23話で完結し、第24話は放映されない。
この "β世界線" での物語は、『STEINS;GATE 0』へとつながっていく。
ちなみに再放送第24話が放送予定だった時間には、特別番組「Making of STEINS;GATE 0 ~終わりと始まりのフラグメント~」が放送された。
『ゼロ』への期待感を高めてくれる、何と秀逸なタイトルだろうか。
しかしこれにより『STEINS;GATE』第24話「終わりと始まりのプロローグ」は幻のエンディングとなってしまう。
劇中のみならず現実世界でも本当に世界線を移動させてしまったわけだ。
オリジナル版第23話と改変版第23話の違い
【オリジナル版 第23話】
何度試みても牧瀬紅莉栖を救えず絶望に囚われる岡部倫太郎。椎名まゆりは、そんな岡部の頬を張り、諦めないようにと鼓舞する。
そして岡部は紅莉栖を救いつつも、第三次世界大戦へと収束する未来を免れる "シュタインズ・ゲート世界線" への道を見出す。
【改変版 第23話】
絶望に押しつぶされた岡部を気遣うまゆり。
岡部は、紅莉栖を救うことを諦め、世界の命運を背負うその重責から解放される。
だがそこは紅莉栖との出会い、ラボメンとして過ごした日々が、なかったことになっている世界線であった。
罪悪感を抱えたまま過ごす岡部に、"β世界線" はどのような未来を見せるのか?
長編テレビシリーズ
『ゼロ』をもってはじめて完結
ふたりのヒロイン
紅莉栖とまゆりの「どちらを選ぶか問題」がついに決着
『STEINS;GATE』(無印)のふたりのヒロイン、牧瀬紅莉栖と椎名まゆり。
『無印』では牧瀬紅莉栖ばかりにウエートが置かれていた印象が強い。
これには椎名まゆりファンは、さぞや憤ったことだろう。
しかし『ゼロ』では、いよいよ椎名まゆりにもウエートが置かれている。
ついにまゆしぃにもスポットライトが…。
しかしどちらも非常に魅力的なヒロインだ。
どちらも大好きで、どちら派かと尋ねられるととても悩む。
選べないし、選びたくないし、正直ふたりとも選びたい。
だが個人的心情で語るなら、まゆしぃの健気さに心惹かれるところはある。
最初から常に岡部の隣りにいたにもかかわらず、男女の関係性はイマイチ不透明だったまゆしぃ。
岡部の中の牧瀬紅莉栖の存在を感じ、自ら身を引いた感がある。
それがまゆしぃの魅力でもあるのだが、寂しげなまゆしぃをみているとついつい応援したくなってくる。
そんなまゆしぃにも最大の見せ場が。
『無印』時代から、視聴者の誰もが本当はそうであってほしいと願いに願った展開がついに。
まゆしぃ最大の見せ場は、『ゼロ』の最大の見せ場でもあるから絶対に見逃すな。
だからといって牧瀬紅莉栖はどうでもいいのかと問われると、全然そんなことはない。
牧瀬紅莉栖も好きだから、幸せになってほしい…。
やはり選べない…。
物語は決着しても、この葛藤の決着は永遠にみることがないのだろう。
しかしこれは男目線の葛藤なのだろうか?
女性ならどちらを選ぶのか、非常に興味があるところだ。
お前がいなくちゃはじまらない⁉︎
復活の鳳凰院凶真
『STEINS;GATE』(無印)ではあれほど鬱陶しかった重度中二病患者・鳳凰院凶真。
正直、本気でウザかった。
そのウザさも『無印』の物語中盤あたりからは、すっかりなりを潜めてしまう。
物語もシリアス展開となり、中二病キャラはお払い箱となってしまった。
その時はあの鬱陶しさからようやく解放されて、まだ晴れ晴れとした気分だった。
鳳凰院凶真はそれほどウザかったのだ。
しかし人間というのは欲張りなもので、あれほど鬱陶しかった鳳凰院凶真がいないとなると、それはそれでなんだか物足りなくなってくる。
絶望的な展開の中で、鳳凰院凶真の存在が救いになっていたことに、今さらになって気づいてしまう。
鳳凰院凶真が登場しない『STEINS;GATE』は『STEINS;GATE』ではない。
そんな思いが募りに募った『ゼロ』の最終盤。
すべてをふっ切った岡部は、再び鳳凰院凶真へと覚醒する。
『無印』の項では触れなかったが、鳳凰院凶真こと岡部倫太郎のCVを務めたのが宮野真守氏。
代表作に『DEATH NOTE』(夜神月)や、『機動戦士ガンダム00』(刹那・F・セイエイ)などがある、花澤香菜さん(まゆしぃ)と並ぶ超人気声優だ。
鳳凰院凶真の復活には、宮野真守氏の中二病演技にも拍車がかかる。
超人気声優が全力で中二病を演じている。
ノリノリの宮野真守氏の中二病演技に、観ているこちらまでテンションが上がっていくのがわかる。
やりすぎなくらいの中二病ぶりで、そのウザさは『無印』の3倍ほどときたもんだ。
すると、なんということでしょう。
あんなに鬱陶しかった鳳凰院凶真が、待ってましたとばかりにめちゃくちゃ格好良く見えるではないか。
めちゃくちゃダサいポーズをしていても、めちゃくちゃ格好良く見えてしまう。
これが長いことおあずけをくらった人間の心理なのだろうか?
鳳凰院凶真復活がもし制作サイドの思惑通りの盛り上がりをみせていたとしたら、何という深謀遠慮だろうか。
怖いくらい思惑通りに、鳳凰院凶真の再臨を待ちわびてしまった…。
鳳凰院凶真の、ウザい→いない→寂しい→激ウザいがテンションMAXまでの経緯は、実際に本作を視聴しないことには伝わらないだろうと思う。
是非自分の目でご覧になって体感してほしい。
『STEINS;GATE』は鳳凰院凶真…お前がいなくちゃはじまらない!
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