ハリウッド映画
ジュラシック・ワールド/新たなる支配者
『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』とは
『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(原題: Jurassic World: Dominion)は、2022年のアメリカ合衆国のSFアドベンチャー映画。
監督はコリン・トレヴォロウ、脚本はエミリー・カーマイケル(英語版)が務める。
『ジュラシック・ワールド/炎の王国』(2018年)の続編で、「ジュラシック・パーク」フランチャイズの第6作目であり、「ジュラシック・ワールド」三部作の第3作目であり、完結編である。
ユニバーサル・ピクチャーズによる配給で、アメリカでは2021年6月11日に公開予定だったが、後に1年後の2022年6月10日に延期された。
日本では2022年7月29日公開。
アラン・グラント役のサム・ニールとエリー・サトラー役のローラ・ダーンが21年ぶりにシリーズ作品に出演した。
ジュラシック・ワールド/新たなる支配者 4K Ultra HD+ブルーレイ(トートバック&アクリルチャーム付限定版)
あらすじ
イスラ・ヌブラル島からアメリカ本土に連れてこられた恐竜たちが、メイジー・ロックウッドの手で人間の世界に解き放たれてから、4年の月日が流れた。
恐竜たちは繁殖して世界中に生息地を広げ、今や地球は、現旧の地上の支配者である「人間」と「恐竜」が混在する新たな世界「ジュラシック・ワールド」と化していた。
恐竜たちによる人間社会への被害が問題になる中、恐竜を欲望のために利用する人間達もいた。
そんな中、かつて恐竜のテーマパーク「ジュラシック・パーク」を建造したインジェン社のライバル企業であったバイオシン社が、CEOのルイス・ドジスンの指揮の下、イタリアのドロミーティ山脈に恐竜の保護施設「バイオシン・サンクチュアリ」を設立した。
オーウェンとクレアは、恐竜の保護活動をしながら、シエラネバダの麓でメイジーと共に暮らしていた。
二人はメイジーを実の娘のように思い育ててきたが、特異な存在である彼女の身の安全を考え、メイジーの行動範囲を厳しく制限していた。
13歳になり思春期に入ったメイジーは、そういった行動制限を疎ましく思っており、今の生活を窮屈に感じて自由を求めていた。
すぐ近くの森には、オーウェンがかつてジュラシック・ワールドで調教したヴェロキラプトルのブルーと、ブルーの子供のベータが住んでいた。
ある日、オーウェン達に反発して外出したメイジーが、ベータ共々、密猟者のレイン・デラコートに攫われてしまう。
2人は密猟者を追跡し、恐竜の闇取引が行われている地中海のマルタ島を訪れる。
そこでオーウェン達は、かつてジュラシック・ワールドで共にラプトルを調教した同僚であり、今はCIAとなっていたバリーの手引きで、闇市場に施入する。
そこで、メイジーとベータが闇市場を牛耳るソヨナ・サントスの手からバイオシン社に引き渡され、バイオシン・サンクチュアリに移送されたことを突き止めるが、サントスが放ったアトロキラプトルに追われることになる。
街中でアトロキラプトルと激しいチェイスを繰り広げ、クレアは闇市場で知り合ったパイロットのケイラに助けられ、オーウェンは危機一髪のところでアトロキラプトルを振り切り、二人はケイラの操縦する飛行機でバイオシン・サンクチュアリに向かう。
同じ頃、アメリカの中西部では、大量発生した巨大なイナゴに農家の穀物畑が食い荒らされる被害が多発していた。
その調査のため現場の農場を訪れた古植物学者エリー・サトラー博士は、バイオシン社が開発した種を使用したという近隣の農場が巨大イナゴの被害を全く受けていないことに気付き、疑念を抱く。
このまま巨大イナゴの被害が拡大すれば世界の食料供給が重大な危機に晒されると考えたエリーは、捕獲した巨大イナゴを持って、顔馴染みの古生物学者のアラン・グラント博士に協力を要請する。
アランはイナゴを詳しく調べ、白亜紀の生物の特徴があることに気付き、バイオシン社がイナゴに白亜紀の生物のDNAを組み込んで改良しているのではないかという仮説を立てる。
二人はそれを確かめるため、かつて共にジュラシック・パーク事件の当事者であった数学者で、今はバイオシン社に雇われているイアン・マルコム博士のつてでバイオシン・サンクチュアリに向かう。
それぞれの目的で、バイオシン・サンクチュアリに向かうオーウェン一行とアラン一行。
その先では、バイオシン社が企む陰謀と、史上最大の肉食恐竜ギガノトサウルスの脅威が待ち受けていた。
登場人物
オーウェン・グレイディ
主人公。
ジュラシック・ワールドの元恐竜監視員。現在はシエラネバダの麓でクレアやメイジーと暮らしている。
近辺に出没した恐竜の保護を行う傍ら、メイジーの養育に苦労している。
クレア・ディアリング
演 - ブライス・ダラス・ハワード、日本語吹替 - 木村佳乃
ジュラシック・ワールドの元管理責任者。
恐竜保護グループ「Dinosaur Protection Group(略称:DPG)」のリーダー。
メイジーの養育とともにDPGの活動も続けるが、絶えない密猟・密売を撲滅しようと無茶をしでかすことが多くなり、ジアやフランクリンからは難色を示されている。
メイジー・ロックウッド
演 - イザベラ・サーモン、日本語吹替 - 住田萌乃
シャーロット・ロックウッドの娘であり、恐竜たちを人間の世界へと開放した張本人。
前作ではシャーロットのクローンだと言われていたが、子供が欲しかったシャーロットが無性生殖技術を使って、シャーロット自身が生んだ娘だという事が判明した。
無性生殖なので父親は存在しない。
13歳の思春期に入り、自身のアイデンティティへの悩みから、彼女の安全を考え遠出をしないよう釘を刺すオーウェンやクレアとの喧嘩が絶えなかった。
バイオシン社の依頼を受けたデラコート達によってベータ共々攫われる。
アラン・グラント
古生物学者。
かつてのイスラ・ヌブラル島事件の当事者の一人で、後にカービー一家に巻き込まれてイスラ・ソルナ島でもサバイバルを経験した。
現在はモンタナ州からユタ州に調査の拠点を変えていたが、エリーに誘われバイオシン社の陰謀を探る旅に出る。
エリー・サトラー
古植物学者。
かつてのイスラ・ヌブラル島事件の当事者の一人。
3作目では外交官のマーク・デグラーと結婚し2児を授かっていたが、現在は離婚し子ども達も巣立ったため、再び学者として復帰した。
全米で問題となっている巨大イナゴが、バイオシン社によって引き起こされたバイオハザードであることに勘付き、アランと共に調査に乗り出す。
イアン・マルコム
演 - ジェフ・ゴールドブラム、日本語吹替 - 大塚芳忠
数学者で、カオス理論の専門家。
かつてのイスラ・ヌブラル島事件の当事者の一人で、サンディエゴ事件の当事者でもある。
現在はバイオシン社に雇われつつ、ドジスンの陰謀を探っており、エリー達に協力する。
ルイス・ドジスン
演 - キャンベル・スコット、日本語吹替 - 井上和彦
インジェン社のライバル企業「バイオシン社」のCEO。
遺伝学者。
表向きは慈善家として、ドロミーティに設立した本部「バイオシン・サンクチュアリ」にて、世界各地から集められた恐竜達を保護している。
しかし、その裏ではサントスをはじめとする密売人と内通し、恐竜の横流しを行っている。
絶滅種のDNAを組み込んだイナゴを用いたバイオハザードを引き起こして、世界の食糧事情を一変させようと目論む。
『ジュラシック・パーク』ではキャメロン・ソアが演じており、インジェン社が開発した恐竜の胚を盗み出そうと画策し、ジュラシック・パークのプログラマーだったネドリーと結託。
ネドリーに、シェービングクリームのスプレー缶に偽装した胚の保護装置を手渡していた。
ヘンリー・ウー
演 - B・D・ウォン、日本語吹替 - 近藤浩徳
かつてジュラシック・パークとジュラシック・ワールドの研究チームのリーダーを務めていた遺伝学者。
現在はバイオシン社に雇われており、ドジスンの計画するバイオハザードに与するが、良心の呵責に耐え兼ねて贖罪の術を探す。
否めないネタ切れ感
本作は「ジュラシック・パーク」フランチャイズの第6作目であり、「ジュラシック・ワールド」三部作の第3作目であり、完結編にあたる。
これだけ続くと正直、どうしてもネタ切れ感が否めない。
実のところ前作『ジュラシック・ワールド/炎の王国』から、すでにネタ切れ感が否めなかった。
古代巨大生物・恐竜という、人類の永遠の夢物語を描いているにもかかわらず、観ていて全然ワクワクしてこない。
初代『ジュラシックパーク』を初めて観た時のあの感動はすでに失われてしまった。
さすがに6作目ともなると恐竜の脅威の範囲は全世界にまで広がっているが、物語の流れ自体は焼き直しに近い。
まずは大型肉食恐竜にジャブを入れられ、その他大勢に襲われつつ、最後に知性の高い小型肉食恐竜に追い詰められる。
危機一髪のところを、最初に襲われた大型肉食恐竜に助けられてピンチを脱する。
お決まりのパターンだ。
新しい恐竜も投入はしてはいるが、『ジュラシックワールド(パーク)』タイトルへの期待値を考えると、どうしても物足りなさを感じてしまう。
大好きだった作品だけに、完結編でワクワクできなかったのは残念でならない。
『ジュラシックパーク』との邂逅
本作のストーリー自体は、規模こそ違えど初代からさほど変わり映えするものではなかった。
しかし「ジュラシック・パーク」フランチャイズはさすが6作も続いた作品だけあって、そのストーリーには過去作との繋がりと厚みがある。
その最たるものが、初代『ジュラシックパーク』の登場人物が初代の設定のままに登場していることだろう。
シリーズを通してキーマンだったマルコム博士とウー博士。
初代の主人公だったグラント博士とサトラー博士。
果ては、初代『ジュラシックパーク』でネドリーに取引を持ち掛け、散々いじられた挙げ句飯まで奢らされたドジスンなる、レアキャラまで登場している。
ドジスンなんてレアなキャラを覚えている人が、いったいどれくらいいるだろう。
ワンシーンしか登場していないキャラなのに…。
しかもこのドジスン、本作ではボスキャラ扱いにまで大出世しているから驚きだ。
しかし『ジュラシックパーク』と『ジュラシックワールド』の邂逅は、ファンとしては悪いものではない。
こういう伏線めいた郷愁も嫌いではない。
「ジュラシック・パーク」フランチャイズの歴史を顧みることは、本作が完結編なのだということを改めて強く意識させたのだった。
それでも恐竜は人類にとって永遠の夢物語
初代の感動こそ失われてしまってはいるが、「ジュラシックパーク」フランチャイズを観ていると、恐竜(古代大型生物)というのが人類にとって永遠の夢物語なのだと痛感させられる。
たとえ作り物だとわかっていても、どんなに焼き直しされた映像だろうと、実際に恐竜が動き人と絡んでいる姿にはやはりロマンがある。
こんなに巨大な生物がこの地球に実在していたと考えるだけで、否が応でも高揚している自分を感じてしまう。(ワクワクしないと言ったけど…)。
もし現代に恐竜が甦ったとしたら…。
そんな夢物語を叶えてくれた「ジュラシックパーク」フランチャイズ。
やはり傑作である。
☆今すぐApp Storeでダウンロード⤵︎