政治参加への大きな障害
供託金制度
日本では、選挙に立候補するために高額の供託金を法務局に預けなければならない。
高額の供託金は世界の "常識" なのか、それとも日本の異常なのか――。
立候補だけで300万円!?
社会を変えたいと思っても政治家を志せない日本
衆院選小選挙区で立候補するためには、300万円が必要だということをご存知だろうか。
比例代表に出るなら二倍の600万円。
これは供託金と呼ばれる制度で、有効得票率10%以上の得票がないと没収される。
社会を変えたいと思って政治家を志しても日本では簡単には立候補できない。
立候補の乱立を防ぐために設けられた供託金制度があるためだ。
供託金制度は、当選を狙う意思のない人が売名などの理由で無責任に立候補することを防ぐためにある。
2020年に唯一不要だった町村議選でも15万円が必要になり、日本ではすべての公職の選挙で供託金が採用されている。
各選挙の候補者や政党は出馬の時に法務局に現金などを納める。
参院選の供託金は、選挙区が300万円、比例代表は1人当たり600万円かかる。
一定の得票数に達しなかった場合には没収され、国の収入となる。
落選すれば無職となり、借金を抱えるリスクもある。
供託金制度は、立候補を考える新人にとってはギャンブルでしかない。
「供託金制度」は世界の非常識
供託金制度に至っては世界の非常識だ。
衆参の選挙区や知事に立候補する場合は300万円、比例区なら600万円を預け、有効得票率10%に満たなければ没収だ。
売名を防ぐ口実だが、主要7カ国のうち米独仏伊に供託金制度はなく、カナダは17年に「違憲判決」が出て廃止。
英国もその額は下院で500ポンド(約8万円)と日本の供託金は世界一高い。
立候補年齢と世界一高い供託金は戦後一切の見直しナシ
過日の統一地方選では、被選挙権のない複数の若者が不受理覚悟で立候補を届け出。
6月には被選挙権年齢の引き下げを求める集団訴訟を起こしたという。
選挙権を持ちながら同年代を代表に選べない現状や、政治への諦めや無関心を助長する「シルバー民主主義」の打破に向けた異議申し立てだ。
投票できる年齢が18歳に引き下げられて7年。
被選挙権年齢は今なお25歳(知事と参院議員は30歳)のまま。
現行憲法下で一度も見直されていない。
選挙制度を所管する総務省は「社会的経験に基づく思慮と分別を踏まえて設定している」と説明するが、諸外国に比べ、日本の立候補できる年齢は高い。
国立国会図書館の調査によると、世界の195カ国・地域の下院議員になれる年齢(2020年時点)は、17~23歳が全体の67%。
18歳が65カ国と約3分の1を占めている。
無関心を助長する「シルバー民主主義」の打破
投票できる(選挙権)年齢は18歳に引き下げられたというのに、投票される側(被選挙権)になると今なお25歳(知事と参院議員は30歳)のまま。
さらには供託金制度が大きな障害が立ちはだかり、被選挙権が行使できる年齢はさらに高くなる。
結果、日本は「シルバー民主主義」国家となり、世代間の分断は激しさを増す一方だ。
若者からは政治への興味が失せ、一部の人間の意思が、まるでこの国の総意のように国民に擦り込まれている。
総務省は「社会的経験に基づく思慮と分別を踏まえて設定している」と説明するが、今の政治家のほとんどがそれを備えているとは到底思えない。
あるのは「社会的経験に基づく悪知恵」だけである。
この現状を打破するためには、やはり積極的に政治に参加していくしかない。
才能も志もあるが金がないから立候補できない。
そんな悪習を続けた結果が、今の日本に荒廃を招いた。
志ある若者から、政治への関心を奪ってはいけない。
奪わせてはいけないのだ。
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