#152
心に沁みる名言
今日を精一杯生きるために…
明日ではなく今日。
今、この時を精一杯生きるあなたのために素敵な言葉を綴ろう。
ハイター(「葬送のフリーレン」より)
アニメ『葬送のフリーレン』第4話「魂の眠る地」でのヒトコマ。
フリーレンとフェルンはアイゼンを訪ねる。
かつてこの地は勇者一行も訪れていた。
アイゼンの家族の墓を前にし祈りを捧げる僧侶ハイター。
しかし死後は無に還ると信じてきたアイゼンは、天国の存在について懐疑的だった。
天国の存在についてハイターは「私も実在するかはどっちでもいいです」としながらも、静かにこう続ける。
でも
たとえ実在しなかったとしても
あるべきものだと思います
アイゼン:なぜだ
その方が都合が良いからです
必死に生きていた人の行き着く先が
無であっていいはずがありません
だったら天国で
贅沢三昧していると思った方が
いいじゃないですか
俗世に塗れた生臭坊主ならではの、妙に説得力のある言葉。
勇者一行はこの後、魔王討伐を果たし旅を終える。
時が経ち再び集まった勇者一行だったがヒンメルの葬儀の後、再び別れの時が訪れる。
自分の死期が近いことを感じたハイターは、フリーレンの「ハイターは死ぬのが怖くないの?」という問いに対し、今生の別れとばかりにこう答えている。
私たちは世界を救った勇者パーティーですよ
死後は天国で贅沢三昧に決まっています
そのために私はあなた方と共に戦ったのです
こうして対にして眺めてみると、このふたつがそれぞれ違う立場から、どちらも遺された者の気持ちを想った優しさに満ち溢れた言葉だということに気づかされる。
前者は遺された者の立場で。
後者は遺す者の立場で、それぞれ大切な人を失った哀しみを和らげてくれるような言葉だ。
「きっとあの人は天国で贅沢三昧しているはずです。」
「私はお先に天国で贅沢三昧してますよ。」
そう本気で考えられたのなら、死という必然の別れへの哀しみも、それほど辛いものではなくなるのかもしれない。
何より、そう考えれば故人を思い出すことにも繋がる。
思い出してくれる人がいる限り、その人の心の中で人は生き続ける。
天国の有無を論じるナンセンスより、それが在るべきものだと信じた方が、なるほど都合が良い。
そこに根拠なんて野暮なものはいらないのだ。
表向きはハイターの生臭坊主ぶりを印象付ける言葉だが、その奥に秘められた優しさの方がハイターらしく感じてしまうのは、事実そうであったからなのだろう。
『葬送のフリーレン』。
セリフの細部に至るまで実に優秀な作品だ。
深掘れば深掘るほど、この作品は面白い。
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