アニメ『葬送のフリーレン』
作品の魅力が全部詰まった神回(第14話)「若者の特権」
葬送のフリーレンとは
「週刊少年サンデー」(小学館)で連載中の、山田鐘人先生(作)とアベツカサ先生(画)による漫画『葬送のフリーレン』。
勇者とそのパーティによって魔王が倒された "その後" の世界を舞台に、勇者と共に魔王を打倒した千年以上生きる魔法使い・フリーレンと、彼女が新たに出会う人々の旅路が描かれていく。
"魔王討伐後" という斬新な時系列で展開する
胸に刺さるドラマやセリフ、魔法や剣による戦い、思わず笑ってしまうユーモアなど、キャラクターたちが織り成す物語で、多くの読者を獲得。
コミックスは既刊11巻ですでに累計部数1700万部を突破し、そして2021年には「マンガ大賞2021」大賞、「第25回手塚治虫文化賞」の新生賞を受賞するなど、漫画ファンの間で旋風を起こしている。
そんな『葬送のフリーレン』がついにアニメ化。
主な制作スタッフ陣は、監督は『ぼっち・ざ・ろっく!』のヒットが記憶に新しい斎藤圭一郎氏。
シリーズ構成は鈴木智尋氏(『ACCA13区監察課』)、キャラクターデザインは長澤礼子さん(『takt op.Destiny』)、音楽はEvan Call(『ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン』)が担当。
そしてアニメーション制作は『ワンパンマン』や『Sonny Boy -サニーボーイ-』などバトルアクションから叙情的なドラマまで幅広い作品を
世に送り出すマッドハウス。
そして主演となるフリーレン役の声優は、『SPY×FAMILY』のアーニャ役など、多彩なキャラクターを確かな演技力で表現している種﨑敦美さん。
『葬送のフリーレン』が、アニメとなって
どんな魔法を見せてくれるのか―。
2023年秋、放送開始。
第14話「若者の特権」のあらすじ
僧侶ザインが仲間になり、ラート地方を訪れたある日、フェルンとシュタルクが喧嘩をしていた。
聞くと、シュタルクがフェルンの誕生日に何も用意してなかったことが原因だという。
ザインはふたりの仲直りをさせようとアドバイスを送る。
そんなザインにフリーレンが言葉をかけて…。
作品の魅力が全部詰まった神回(第14話)「若者の特権」
全主要キャラクターの魅力を全て網羅
全主要キャラクターの魅力がすべて詰まったこの回。
現パーティーであるフリーレン・フェルン・シュタルク・ザインはもちろん、勇者パーティーのヒンメル・ハイター・アイゼンの魅力までをも網羅した神回である。
おまけに登場人物の人間関係。
特にフリーレンとヒンメル、フェルンとシュタルクの関係性が垣間見れる大変お得な回。
『葬送のフリーレン』の魅力を語るのに、この神回をおいて他にないだろう(2023年現在)。
心の機微に触れる作品『葬送のフリーレン』
そもそも『葬送のフリーレン』の魅力は、少年漫画鉄板の戦闘シーンではない。
勇者や魔王や魔法使いなんて魅力的なワードで溢れていながら、その実、人の心の機微に触れるような繊細なシーンにこそ『葬送のフリーレン』の魅力が詰まっている。
その魅力が顕著に詰め込まれているのが第14話「若者の特権」である。
例えば、この回で描かれた破戒僧ザインの行動もそのひとつだ。
フェルンやシュタルクより少し年上の彼は、二人が喧嘩した際、少し考えてからシュタルクを追いかけるようフェルンに助言している。
いつもは飄々としているザインだが、何か思うところがあったのだろう。
その思いについてまではまだわからないが、彼が考えた「少し」の間に、彼の優しさが感じられた。
ザイン加入前までフリーレンの保護者のように振る舞うことが多かったしっかり者のフェルンだが、本来なら年頃の女の子。
シュタルクだって思春期真っ只中の青年だ。
そんな二人を諭すでも説教するでもなく、さり気なく導くザイン。
彼の言葉が説法のような堅苦しいものではなく、スッと心に沁みるのは彼もハイターと同じく庶民感覚を持った生臭坊主だからなのだろう。
『葬送のフリーレン』では、心の機微に触れるようなこのような細かい描写に一切の説明が入らない。
つまりは観ている人に判断が委ねられているのだが、その際たる例がこの回で描かれている。
鏡蓮華の意匠に込められた意味についてだ。
フリーレンとフェルンは本当は知っていた?鏡蓮華の意匠に込められた真の意味
鏡蓮華の意匠に込められた真の意味
何やら意味深な指輪がオープニング映像に登場する。
鏡蓮華の意匠がついた指輪だ。
その理由が第14話「若者の特権」で判明する。
この指輪には、いったいどんな意味が込められていたのだろう。
まず鏡蓮華の意匠がついた指輪の意味についてだが、鏡蓮華の花言葉は「久遠の愛情」。
字面で意味はわかると思うが、「久遠」とは仏教用語 で "永遠" を意味している。
転じて、鏡蓮華は永遠の愛情を表しているわけだ。
だが「久遠」という言葉には、実はもうひとつの意味がある。
そのもうひとつの意味とは、"遠い昔" であり "遠い未来" 。
"永遠" の解釈を変えただけと言われたらまったくその通り。
だが、ヒンメルの言葉や想いを "永遠" のひと言で表現してしまっては何とも味気なくはないだろうか。
フリーレンの人生は、まるで "遠い昔" と "遠い未来" を辿るような旅路。
そしてヒンメルの言葉や想いからは、フリーレンの "遠い未来" を想った深い愛情に溢れていた。
フリーレンが適当に選んだはずの指輪に鏡蓮華の意匠を見つけたヒンメルは静かに微笑んだ。
そしてヒンメルは、まるで永遠の愛を誓うようにフリーレンに指輪をはめる。
しかしその永遠を、例えば結婚式での誓いの言葉である、
健やかなる時も 病める時も
喜びの時も 悲しみの時も
富める時も 貧しい時も
これを愛し 敬い 慰め合い 共に助け合い
その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?
なんて刹那的な意味に捉えてしまうのは違うような気がする。
それでは鏡蓮華の花言葉を、あえて "久遠" と表現した意味がない。
今だけではなく、もっともっと "遠い未来" のことを想いフリーレンにこの指輪を贈った。
そう考えればすべての辻褄が合うし、何より『葬送のフリーレン』という作品が一層深いものになるだろう。
実はフリーレンとフェルンも鏡蓮華の花言葉を知っていた?
『葬送のフリーレン』で重要な意味を持つであろう、鏡蓮華の意匠。
その意味を知っていたのは、本当に劇中の発言通りなのだろうか。
まず、この意味をシュタルクに教えたザインは間違いなく知っていた。
フリーレンは「ヒンメルも知らなかっただろうし」と言っているが、その後の行動を考えたら知っていたのは間違いない。
そしてシュタルクが知らなかったことも確定だろう。
問題はフリーレンとフェルンだ。
まずフェルンだが、ザインに教えてもらう前に、すでにどこかしらで鏡蓮華の花言葉を耳にしていたようだ。
それがどのタイミングだったのかは不明だが、フェルンなシュタルクからもらったブレスレットを、殊の外大切にしていた。
ザインの含みのある表情をみても、いつも以上にシュタルクをバカ扱いするフェルンの態度をみても、それは間違いないだろう。
さて、一番難しいのがフリーレンだが、「今まで意味なんて気にしていなかったけど、今回ようやくそれに気づいた」が正解かと思われる。
ただし、そのことを裏付ける描写はない。
だが、この旅の目的が "人間を知る旅" だということを考えれば、それほど間違った解釈ではないだろう。
まだまだ人間の普通の意味がイマイチわかってわかっていないフリーレン。
だがフェルンたちのおかげで、フリーレンはまたひとつ人の心を。
一番知りたかったヒンメルの大切な想いを知ったことになる。
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