【2024年の干支「甲辰(きのえ・たつ)」】あまり知られていない干支と十二支の違いと、年中行事の本当の意味「年末年始編」
正月という大きな年中行事のある冬。
明治になるまでは、生まれたときを1歳と数え正月になると皆いっせいに歳を重ねる「数え年」という年齢の数え方が一般的だった。
12月は新しい年を迎えるために僧侶も忙しく走る「師走」、正月にたくさんの人が集まり仲睦ましく過ごす1月は「睦月」、寒さは続けど春の始まる2月は「如月」と呼ばれる。
大晦日(12月31日)
毎月の最後の日を「晦日(みそか)」といい、年末、1年の最後の日には大を付けて「大晦日(おおみそか)」と呼ぶ。
大晦日は、新年を迎えるためのとても大切な日。
大晦日にする掃除は「掃き納め」。
元旦の掃除は「福を掃く」こととなり縁起が良くないことから、大晦日には入念に掃除する。
また、大晦日の入浴は「年の湯」といい、とても重要な儀式。
1年の汚れを綺麗に落とすための特別な入浴なのである。
日没が一日の節目である旧暦では、大晦日の夜は「元旦」となり正月の始まり。
そのため大晦日の晩には、正式な食事である「年取膳(としとりぜん)」で食事を楽しんだ。
現代でも、大晦日の晩にはご馳走を用意する風習が色濃く残る地域もある。
また、この年越しの夜は「除夜」と呼ばれ、年神様を迎えるために寝ずに過ごす習わしがあった。
今でもうっかり寝るのを咎めるために「大晦日の夜に寝るとシワができる」、「白髪になる」などの俗信が残されている。
元旦未明に神社仏閣にお参りをするのは、この除夜の風習の名残といえるだろう。
除夜の鐘
日本各地のお寺にて、年末年始に行なわれる除夜の鐘。
12月31日大晦日の深夜0時を挟んで撞く鐘のことである。
この除夜の鐘は、多くの寺院で108回撞かれる。
なぜ108回なのか、諸説ありますが最も有力な説が人間の煩悩説。
「煩悩」とは、人間の心を惑わし苦しみを生み出す精神の働きのこと。
仏教には「六根」と呼ばれる「眼(げん)・耳(に)・鼻(び)・舌(ぜつ)・身(しん)・意(い)」の感覚器官それぞれに「好(こう)・悪(あく)、平(へい)」の3つの状態があり、この状態の中でも「浄(じょう)・染(せん)」の2種類あると考えられている。
つまり、すべて合わせて36種類もの煩悩があるということだ。
さらには、現世だけでなく前世や来世も含めた3世の分もあるという考えから、人間には合計108もの煩悩があるということになる。
この108つもの煩悩を祓うために、毎年大晦日のお寺では、除夜の鐘が108回撞かれているのである。
年越しそば
大晦日には、そばを食べる風習もある。
元々は、江戸時代からはじまる「晦日そば(三十日そば)」と呼ばれていた物で、忙しい商家の人たちが毎年月末に「細く長く幸せに」といった願いを込めて食べていた物がはじまりといわれている。
地域によって呼び方に違いもあり、「寿命そば」、「つごもりそば」、「福そば」などとも呼ばれている。
うどんで有名な香川県では「年越しうどん」を食べることもある。
正月(1月1日~3日)
年神様を迎えて新年を祝う日本の正月行事は、皆が「おめでとうございます」と挨拶を交わす大切な節目の日。
中でも1月1日の朝は「元旦」と呼ばれ、雑煮を作り朝から年頭のお祝いする。
1年に1度「年神様」が家を訪れるとても大切な日なので、普段どんなに忙しい人でもこの日ばかりは家でのんびり過ごすことが習わしだ。
「年神様」とは、家に新しい幸せをもたらすために高い山から降りてくる神様のことで、いつも我々を見守って下さることから、ご先祖様の霊でもあると考えられていた。
正月の間は家に留まり、1年の幸福をもたらしてくれることから、様々な正月行事は、この年神様をもてなすためにある習慣なのである。
初詣
新年になって初めて、地域の氏神様を祀る神社に参拝する初詣。
現代では、全国各地の有名な神社で初詣を行なう人も多くいるが、元々は自分の住む土地の氏神様や、その年の縁起が良いとされる方位「恵方」にある神社仏閣に参拝することが良いとされていた。
昔は「年籠り(としごもり)」という、元旦に神社にこもって年神様を迎えるしきたりがあったが、これが「除夜詣」と「元旦詣」に分かれ現在の初詣の形となったとされている。
神社での正しい参拝の仕方
- 水舎で柄杓を使い手と口を清める。まずは右手で柄杓を持ち左手を洗い、持ち替えて右手も洗う。
- 口を清めるときは柄杓で手のひらに水を受けてすすぐ。
- 神殿の前で一礼して賽銭を納める。
- 鈴を鳴らす。
- 二拝二拍手一拝。深く2回お辞儀をし、胸の高さで2回柏手と打つ。最後に再び深く頭を下げる。ただし出雲大社に限り二拝四拍手一拝の作法で拝礼するので注意が必要。
正月飾り
新年になると、当たり前のように飾る数々の正月飾りだが、すべてひとつひとつに重要な意味がある。
すべて年神様の訪問に欠かせない物で、年神様を迎える目印となるのだ。
そのため、正月飾りは遅くとも12月28日までには飾るようにする。
大晦日に飾ることは「一夜飾り」といい、年神様に失礼にあたる。
また、29日に飾るのは「二重苦」を連想させることから縁起が良くないので避ける。
なお代表的な正月飾りは、以下の通り。
門松
飾り方や形式は、地域によって様々。
3本の竹を中心に根元を松で囲みその周りをむしろで囲むのが一般的。
1月7日か15日頃に外すが、飾っている期間を「松の内」と呼ぶ。
しめ飾り
しめ縄に裏白(うらじろ)、橙(だいだい)、譲葉(ゆずりは)などの縁起物で装飾し、玄関の正面に飾る。
取り外しは門松と一緒にする。
鏡餅
しめ縄と同じ裏白、橙、譲葉などの縁起物を添えて「三方」と呼ばれる台に「四方紅」という紙を敷いて円形の餅を飾る。
この餅に年神様の力が宿り、食べることで新しい力を授かると考えられている。
2024年の干支「甲辰(きのえ・たつ)」
あまり知られていない干支と十二支の違い
「干支」と「十二支」が、同じ意味だと思っている方は多いようだ。
2024年は辰年だが、本来の干支でいうと甲辰(きのえ・たつ)。
辰年であること以外にも込められた意味がある。
干支と十二支の違いと意味、甲辰が何を意味するのか?
干支は「十干」と「十二支」の組み合わせ
「十二支」はご存知の通り、子(ね:ねずみ)、丑(うし)、寅(とら)、卯(う:うさぎ)、辰(たつ)、巳(み:へび)、午(うま)、未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)、亥(い:いのしし)と、その年を12種類の動物になぞらえたもので、年の他にも時刻や方角を表すことがある。
この十二支が「干支」の意味で用いられることがあるが、干支とは本来「十干十二支(じっかんじゅうにし)」を略した呼び名で、「十干(じっかん)」と十二支を組み合わせたものである。
「十干」とは、甲(こう:きのえ)、乙(おつ:きのと)、丙(へい:ひのえ)、丁(てい:ひのと)、戊(ぼ:つちのえ)、己(き:つちのと)、庚(こう:かのえ)、辛(しん:かのと)、壬(じん:みずのえ)、癸(き:みずのと)の総称で、もとは1から10までものを数えるための言葉である。
2023年は十二支でいうと「卯(う)」年だが、十干でいうと第10位を表す「癸(みずのと)」の年。
干支はこれらを組み合わせた「癸卯(みずのと・う)」だった。
つまり、2024年は十二支でいうと「辰(たつ)」年、十干では「甲(きのえ)」の年となり干支は「甲辰(きのえ・たつ)」となるのである。
2024年の「甲辰」の干支でいう意味
十二支や十干は数や方角だけでなく、それぞれ独自の意味を持っている。
例えば「甲」が持つのは第1位であり、優勢であることを表す他、まっすぐに堂々とそそり立つ大木を表している。
「辰」は十二支の中では唯一の架空の生き物、龍(竜)を意味する。
水や海の神として祀られてきた龍は、竜巻や雷などの自然現象を起こす大自然の躍動を象徴するものであり、「龍が現れるとめでたいことが起こる」と伝えられてきた。
この2つの組み合わせである甲辰には、「成功という芽が成長していき、姿を整えていく」といった縁起のよさを表しているといえそうだ。
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